80歳満期に設定しながら契約から10年で解約前提の話をするデタラメさ
当ブログでも何度も指摘してきていますが、この手の保険募集人は
●10年後に払済(=10年間だけ払ってくださいというセールストーク)することで、そこからドンドン運用しお金がふえていきます
的な不正話法を使うなどして誤認勧誘を行っています。
それと同じ手法ですが、ご相談者は
●10年後には◎万円(保険料すべてが10%複利運用になるというセールストーク)になっていますので、これが一時所得になってこれだけ使えますよ
的なバラ色のセールストークを受けたとのことでした。
このシリーズの③でお伝えしていますが、この保険募集人は変額保険で毎年10%の運用成果がでるという説明を平然と行っていました。
同じような経験をされている方がたくさんいるはずです。
たとえば
●同じく、子供の年齢が15~18歳時点に解約するという話。
●70歳~80歳満期の設定で高額な月払保険料を設定、または10年分(もしくは数年分)を前納という形で設定、それらを10年後に払済にするという話。
これらに共通しているのは、保険募集人が高額な手数料を受け取るためのセールス手法(高額な保険料設定をし、それはずっと払っていかなくてもいいですよというデタラメトーク)であり、保険会社側からも禁止されている行為であり、かつ、その過程に実施されているプレゼン行為は断定的判断の提供を筆頭にした各種法令違反の疑いがあります。
<今回のケース含め、マネーセミナー経由の変額はコンプラ違反の可能性が高い>
バロメーターのひとつは「超長期の保険期間を設定し、10年後に払済保険をすすめた(すすめてくる)」です。
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ご相談者はもともと10年超も払っていくことができるライフプランを想定しておらず、かつその頃にきちんとした資金準備が可能かどうかをライフプランニングしたく、個別相談に参加したとのことでした。そのことは最初に保険募集人に伝えています。
セミナー資料の個別相談案内には以下のようなことが書かれていたからです。
次のような方は是非!
・セミナーの内容をもっと詳しく知りたい
・ライフプランニングをしたい
・効率的な貯蓄方法を知りたい
・加入している保険を見直したい
・老後資金はいくら必要なのかを知りたい
申込手続きもデタラメ
契約の取消になった申込手続きは、もちろん最初から最後までデタラメで以下のような状況だったとのことです。
ご相談者(契約者)に対して、いまからどのような商品に申込をするのかという、申込前に意向確認をきちんとしていない。
死亡保険金額や保険期間等を確認されると、気づかれるとまずいと考えていたのか?
いつも常習的にコンプラ違反をしているのか?
●契約締結前確認書面(重要事項説明書)の説明・交付なし
当書面をあとでメール便等で送付するという考えられないレベルの法令違反。
説明・交付の重要性を理解していなかったのか?
いつも常習的にコンプラ違反をしているのか?
今まで何も苦情を指摘されていなかったからか?
●タブレットでの手続き時、立ち会わない
自分の都合のために途中離席し、その間契約者一人で操作手続きさせる。
目の前のご相談者よりも次の仕事の準備を優先していたらしい。
●必須書類の使用期限切れ
申込手続きに必須の書類が使用期限切れにより、契約者に二重の負担をかけることに。
代理店および募集人の帳票管理ミス。
特定保険契約(変額や外貨保険等)に明るい人であればお分かりだと思います。
この保険募集人は、一般的な生命保険の注意喚起情報の説明のみならず、特別勘定(その種類・リスク・手数料関係について)の説明も一切スルーしていました。
異常です。
この募集人の仕事ぶりはいつもこう(↑)だと思います。
「外国株式100%最高~~~!!」
などと変額勧誘する者は、自分が信じて疑わないことを盲目的に信じ、”自分は仕事をしていること””法令遵守しなければならないこと”を忘れてしまっています。
とても多くの被害者(法令違反による誤認勧誘)が存在していることでしょう。
このような保険募集人をはびこらせている責任は、所属している保険代理店はもちろんですが、やはり保険会社に相当な責任があると思っています。
このような問題は、当ブログから考えてももう10年以上変化・改善がありません。
何度、契約の取り消しや早期解約・失効があったとしても本気で改善しようとせず、保険会社はすべて末端の保険募集人・保険代理店の責任にしている感がアリアリです。
現代の日本経済の特徴とも言えるのではないでしょうか。
「大企業及び大企業に勤めるサラリーマンだけが儲かればいい、生き残れればいい」的な。
人材が低レベルすぎです。
保険金ベースの保険募集人と保険料ベースの契約者
変額保険商品の保険料設定には「保険金建」と「保険料建」があります。(保険会社・保険商品によって異なりますのでご確認ください)
まず保険金というのは死亡保険金といった保険会社が契約に対して支払うことになるお金のことで、生命保険契約は一般的にはこの保険金というものを基準(例えば、死亡保険金500万円とか1千万円とか)にして保険料(掛け金)が設定され、それが保険金建(の保険料)となります。
一方、保険料というのは契約者が保険会社に対して支払うお金のことで、ここでいう保険料建とは保険料基準で保険金が設定されることです。
今回、ここで問題(説明不足)が発生しました。
これまでのお話通り、ご相談者は商品パンフレットや契約概要を使っての商品説明を一切(ただの一度も)受けていませんでした。(異常な保険募集人)
それだけではなく、商品設計自体「なぜその死亡保険金なのか」「なぜその保険期間なのか」も一切説明していませんでした。
そのようなこともあり、契約後にはじめてパンフレット(パンフレットは保険募集人が自ら渡したのではなく、ご相談者が請求したとのこと)を見ることになります。
そこであることに気づかれました。
「●万円」という端数のない月額保険料でのプラン。
はじめてパンフレットを見、そこにあった端数のない月額保険料での契約例を知り、
自分の契約は、毎月●万●●●●円となっているが、いったいどういうこと?
保険募集人は、”保険頭”で保険金建(死亡保険金●千万円)の設計をし、繰り返しになりますが、ご相談者は「保険はいらない」と事前に断った上ですすめられた商品を以下緑枠と誤認させられ(騙され)ていました。
変額保険とは
「完全に元本割れないとはいえなくとも、ほとんどリスクなく、お金がとてもはやくふえていく貯蓄商品、そこにおまけとして死亡保障もついている」
そもそも貯蓄というのは「(何百何十何円というものではなく)毎月●万円していく」という考えが普通にあるため、このパンフレットにあった例を見て自分の契約に疑問を持ったとのことでした。
死亡保険金額 ●千万円、毎月保険料 ●万●●●●円
●パンフレットにあった契約例
死亡保険金額 ●百●十●万円、毎月保険料 ●万0000円
この時点でも「保険はいらない」と言っていたご相談者に対して勝手に死亡保障商品を「貯蓄商品」(上記緑枠の内容)としてすすめた保険募集人の説明不足および確認不足が確認できました。
同時に、ご相談者はすすめられた変額保険について生命保険商品という認識がなかったこともこのような点からも分かります。
死亡保険金から勝手に保険設計を行った保険募集人と貯蓄商品(上記緑枠)として認識していたご相談者の違いが明らかです。
尚、これについてはご相談者は保険会社のカスタマーセンターに「保険料建にできるのかどうか」と、すぐに問い合わせをしていますので、履歴も残っていますので証拠にもなりました。
続く・・・
コメント
5年前(2018年)に私の娘夫婦も、このブログにある同じような手口で変額保険を契約させられ、その取消・掛金全額返金(約100万円)まで4年も掛かりました。
そのFP(保険募集人:保険代理店代表)は、某新聞社とタイアップしてマネーセミナーを幾度も開催しているとか、某FMラジオでマネーに関する番組を担当しているとか、某保険会社主催のマネーセミナーの講師をしているなどと、恰も自分自身が凄い先生であるかのように思いこませたうえで、巧妙(違法)なセールストークで娘夫婦を騙し(誤認させて)契約させていました。個別相談という環境(そのFPのオフィス)でこのようなFPにかかればコロッと騙されるのも無理のないことと痛感しています。
ちなみに娘夫婦は、このFPが保険募集人ということやその会社が保険代理店をしているということは知らずに、あくまでFPとの相談という認識のままで契約したとのことでした。
このような被害者の父親として、同じような被害者がでないようにこのブログを応援しています。
ショコラパパ
コメントありがとうございます。
変額保険の誤認契約、本当に多いです。
契約後におかしいことに気づいた契約者がネットで相談しているのを拝見しても解約や払済をすすめるものばかりのアドバイスしかなく、実務を知らない人たちが投資商品のことを語っていることがよく分かります。
そのようなこともあり、不正契約において契約の取消を申し出ることができることが知れわたらずに泣き寝入りしてしまっている契約者はたくさんいると思います。
保険会社・保険募集人側は自分たちの新契約の数字と手数料しか目に入っていませんので、やっていることと保険業法との整合性の乖離を理解していないと思います。