変額有期保険の販売パターンはひどい

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典型的な販売パターン

下記の枠内は、ネットで専門家に相談するサイト典型的な変額有期保険の販売トークとしてお伝えしておこうと思います。
もちろん”ひどい”パターンです。

こうありました。(下記枠内引用)

40代、独身女性です。
とあるFPに勧められ、数か月前に、老後資金の一部として、変額有期保険に入りました。
保険料 月3万円、75歳満期の契約ですが、10年後に払済保険にし、その後は運用だけを続け、65歳から75歳まで一部解約を続け、払戻金を年金代わりに受け取る予定です。
10年間の払込保険料360万円に対し、7%運用時の65歳時点の解約返戻金は780万円です。FPの方の説明では、
・保険なら、運用期間中の利益は、税金を引かれることなく運用に回るので有利
・10年後に払済にするので、解約控除がかからない
・満期時の年金受取としないので、年金管理費がかからない
・株式型や債券型を組み合わせれば、7%くらいの運用は出来る
とのことでした。


まさにバラ色の未来がやってくるかのような、いいことづくめの話になっています。
投資の素人が、投資の初心者と会話するとこのようなことになるのでしょう。
投資の初心者は、「そんなにうまい話が私にやってくる」なんてことがあるのかを普通に考えることができるかどうかです。

>保険料 月3万円、75歳満期の契約ですが、
これは本当に典型的な手数料率を引き上げるための設計です。
変額有期保険は、長期(30年やそれ以上)で設計すればするほど手数料率がよくなります。
しかし契約者にとっては逆になります。
たとえば、同じ保険料で10年後の結果についてですが、「10年満期の3.5%運用実績の返戻率」と「30年満期の3.5%運用実績の返戻率」は全く違います。
もちろん、「10年満期の3.5%運用実績の返戻率」の方が良いです。
同じでないといけないはずです。
よく「長期投資は複利効果が」という説明がされるでしょう。
ところが、「30年満期」の10年後は「10年満期」の10年後よりも圧倒的に悪いんです。
めちゃくちゃです。
それは、この変額有期保険という商品が”保障”の商品という証明です。
設計自体、最悪です。

>10年後に払済保険にし、
「変額保険=解約返戻金の運用結果の責任はお客様=不確実性商品」を契約時点で払済することを前提にしています。
つまり10年で保険料を払わないことを想定していることになりますね。
長期積立投資ではないということです。
高い保険料を払わせて高額な手数料(保険料×手数料率)を得ようという魂胆ですね。
変額有期保険販売で、保険募集人が大きく手数料を得れるのは、契約1年目です。
(したがって、高い保険料と満期期間が長いものを設定する)
長期に満期を設定しておいて、この販売方法(セールストーク)は問題です。
75歳満期プランでの10年後の解約返戻金は、予定利率(この場合、3.5%)での運用実績ができたとしても保険料累計を上回っていない(=元本割れ)可能性が極めて高いと思います(目の前に設計書がありませんのでこのように表現しておきます)ので、これをセールストークとしているのなら最悪の上に最悪です。
”悪”というのは、「悪徳」「悪人」の”悪”です。
契約時に10年後の払済をすすめるということは、そもそも死亡保障を否定する(何のためにこの商品の契約をすすめたのかが問われる)ことになりますからね。
お客様側は商品選択の誤りです。
それはつまり、保険募集人の商品提案の誤りです!

>その後は運用だけを続け、
この意味は、ここから一時金運用をする(10年分の保険料累計分)ということになりますので、変額有期保険を契約する意味がなくなります。(長期積立投資ではないということです)
なぜなら、10年後の解約返戻金は、おそらく元本割れになっている可能性が高いからです。
そうであるなら10年間預金でいいということになります。(=元本割れはありません)
つまり、10年後に預金を投資信託へ一括投資すればいいということです。
この時点で、ドル・コスト平均法なんて説明していたら笑われます。

>10年間の払込保険料360万円に対し、7%運用時の65歳時点の解約返戻金は780万円です。
解釈すると、10年後の解約返戻金が保険料累計と同額になっており(運用もなにもない。よくわかりませんね)、かつ、そこから10年前後、毎年7%の運用ができると思っているようです。(360万円が780万円になるとすればそういうことになります)

>FPの方の説明では、
>・保険なら、運用期間中の利益は、税金を引かれることなく運用に回るので有利
利益って・・・
そもそものリターンが「予定利率」と「責任準備金」の影響を受けることにより、マイナスリターンになっていることをどう説明するのでしょうか。

>・10年後に払済にするので、解約控除がかからない
解約控除以前に、「予定利率」「責任準備金」の意味の説明を受けましょう。

>・満期時の年金受取としないので、年金管理費がかからない
そのような心配をするレベルではありません。

>・株式型や債券型を組み合わせれば、7%くらいの運用は出来るとのことでした
法令違反です。
金融商品取引法、保険業法違反を平気で行える人と関わるとロクなことはありません。
「7%ぐらい」できるなら、きっとその保険募集人がカネ借りてやっていることでしょう。
赤の他人のあなたに契約をしてもらう必要なんてないはずですよ。

詐欺話の典型的なパターンは、詐欺師が言う”いい話”を赤の他人に教えるということです。

以上です。
この例は、マネーセミナーに参加された方が、変額有期保険を契約された際に受けている説明と全く同じでした。
まさに全国レベルですね。
このような保険募集人はたくさんいるのでしょう。
この業界にいてはいけない人たちです。

マネーセミナーやマネースクールといって人を集め、「お金をふやしましょう」「お金に働いてもらいましょう」という所謂投資をすすめる内容を説明し、いざ個別相談(大人数から一人に囲い込み)では「確定拠出年金」や「投資信託」ではなく「変額保険」の契約をすすめているという商法は、かなり詐欺(ウィキペディア:他人をだまして、金品を奪ったり損害を与えたりすること)に近いと言えるでしょう。

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