変額保険のデタラメな契約の取り消し請求事例

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生命保険契約に関する苦情

生命保険協会には皆様から苦情等を受け付ける生命保険相談所があります。
その中にある相談・苦情の状況(主な相談・苦情の内容や件数など)から、日々多くの方が苦情を申し立てていることがわかります。
そしてその事例を見ていくことは、私たち保険募集人のみならず、お客様にも有益だと思います。
今回、おそらく積立投資として変額終身保険を保険代理店からすすめられ契約をされた方が契約の取り消しを求めた件がありましたので、ご紹介いたします。和解成立事案です。
詳細はこちら
ピンクの文字は私がチェックしました。

■事案の概要■

募集代理店(乗合代理店)から虚偽の説明を受けたこと等を理由に、契約を取り消し、既払込保険料を返還することを求めて申立てのあったもの。

■申立人の主張■

平成24年7月、募集代理店を介して変額保険(終身型)を契約したが、以下のとおり、本契約は虚偽の説明等により契約させられたものであり、保険業法300条1項1号および金融商品取引法40条1号違反であることから、契約を取り消し、既払込保険料を返還してほしい。
⑴募集人は、「銀行預金より利子が付く保険商品である」として、貯蓄性を強調し、リスクを説明しなかった。
⑵「投資信託は、経験もなく、興味もない」「損するなら入らない」と募集人に伝えたところ、「実際にはマイナスにはならないので大丈夫」と説明された。特別勘定繰入比率は、募集人が決めた。
⑶「意向確認書」については、募集人から何ら説明を受けないまま、指示されるとおりに該当箇所に○印をつけた。

⑷「重要事項説明書(注意喚起情報)」、「重要事項説明書(契約概要)」による重要事項の説明も全く受けておらず、「重要事項説明書(契約概要)」については、交付もされていない。本契約以前に行った配偶者の契約時に自分も同席していたため、自分の契約時には重要事項の説明を省略された。

■和解勧告の理由■

当審査会の判断は以上のとおりであるが、当事者双方の事情聴取等の結果、本募集行為には以下の問題がある。
⑴申立人には、貯蓄性のある保険に加入するニーズがあり、これは募集人も認めているが、「意向確認書」の「お客さまの保険に対するニーズ」の欄において、「死亡したときの保障」や「がん・三大疾病・介護の保障」には○が記載されているものの、「貯蓄」には○が記載されておらず、意向確認が適切に行われたか疑問がある。
⑵事情聴取において、募集人は、「設計書」のような簡単な文書でポイントのみ説明したとしているが、変額保険のような複雑な商品をパンフレットも用いず、簡単な文書と口頭による説明のみで理解させることは困難であり、募集行為が適切であったか疑問がある。
⑶本契約の申込みの際に、募集人は5回あるいは6回の説明を行い(申立人の妻に対する説明も含む)、1回あたり1時間以上の時間を費やしているが、同時に9個の保険契約を提案し、その結果、3つの契約の申込みを受けており、各契約について申立人が十分に納得できるだけの説明を行ったことには疑問がある。また、申立人は申し込んだ3つの契約中、疑問を持った契約については保険料の払込みをせずに申込みを不成立とさせ、本契約についても契約後、失効させている点から考えても、本申込みが申立人のニーズを十分に踏まえたものでない可能性がある。
⑷事情聴取において、募集人は、本商品の理解が十分でない事実が認められ、適切かつ十分な説明がなされたか疑問がある。
⑸一方で、申立人においても、十分な検討時間があったにもかかわらず、不用意に自分の意思に合致しない契約を締結した点については重大な過失がある。

商品知識がない保険募集人だった

>「貯蓄」には○が記載されておらず、意向確認が適切に行われたか疑問
皆さんの意向確認書を確認してみましょう。
保険募集人は「貯蓄」にチェックを入れていますか?
あなたの変額保険契約は死亡保障が目的ですか?
(仮に、変額有期保険の契約で死亡保障だけが目的(貯蓄に〇がない)になっているなら定期保険を提案されていないと大変なことになります)

>本商品の理解が十分でない事実が認められ
これはヒドイですが、これは真実でしょう。
このような保険募集人はたくさんいるでしょう。
今回の申立人のような方は潜在的にたくさんいるでしょう。
でも、多くは気づかないまま(所謂情報弱者)か、泣き寝入り(所謂被害者)ではないでしょうか。
私たち真の保険のプロは、金融商品に詳しくないお客様を騙すことになりかねない行為を見過ごしてはおれませんし、見過ごしてはいけません。
倫理観の問題です。
それは必ず因果応報となり業界に返ってきます。
事実、そうなっていることが多々あります。

あなたは変額終身・変額有期で積立投資(リスクをとっての投資)をしていると思っています
あなたの友人は投資信託(インデックスで十分)で積立投資(リスクをとっての投資)をしています。
結果はどうでしょう?
雲泥の差です。

あなたの変額保険契約は大丈夫?

皆さんの変額保険の設計書の解約返戻金を示しているところに、5%や7%の数字にチェックを入れられていませんか?
これは断定的判断の提供にあたる行為です。
契約の取り消しを行える十分な理由になります。

保険会社側や保険募集人側は「言った、言わない」をベースにしてきます。(録音しましょう!)
つまり、商品を供給している保険会社は保険代理店側の味方になるでしょう。
しかし、デタラメなことは証明できます。

その集客(勧誘)方法からも。
その説明からも。
商品の手数料面(金融庁は厳しく見ています)からも。
業界の信用を損なわないために。
お客様のために。

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