マネースクール業者の変額保険説明の間違い⑦

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指摘項目⑦「大暴落では投信よりも変額が有利かのようなミスリード話」

投資信託の運用口座を開設して、5年10年使わない予定のお金の範囲内で、運用を始めたにもかかわらず、不幸にして1年目や2年目に大暴落にあってしまった。ただ、それは当初の予定では5年も10年も使わない予定なのですから、そこで引き出す必要はないんですね。必要がないにもかかわらず元本の目減りの仕方があまりにも急激で、必ず戻るということに自信がないので、そこで耐えられなくなって投資をやめてしまいます。

一方、変額保険は1回契約してしまうと強制的に自分が決めた金融機関から毎月天引きされていくものなので、お客さんとすれば比較的容易に継続しやすいという事実を現場でたくさん見てきました。

と書かれていました。

>不幸にして1年目や2年目に大暴落にあってしまった。
これって、すごいことを書いていると思います。
変額終身保険、変額有期保険は私がこのコラムで何度も書いていますし、シミュレーションもしていますが、その保険料払込期間が長くなればなるほど、「解約返戻金ゼロ」スタートです。
これは、”大暴落”状態ではないのでしょうか?投入した全資金がなくなっている状態を大暴落と言わずになんと言うのでしょうか?
感覚が不思議でなりません。ここ数年に見られるような市場(マーケット)が大きく上昇しようが、契約したとたんにその投入した資金が「ゼロ~ほぼゼロ」(もう大暴落ではないですか)になってしまう商品を積立投資だとして販売していながら、投信については「大暴落」をイメージさせてあたかも変額よりも不利益な商品だと思わせるかのように示しています。
ここまでくると言い訳が幼稚すぎます。
投信で積立投資をしている個人投資家たちに嘲笑されるでしょうね。

私は、変額有期保険で「70歳満期」「75歳満期」「80歳満期」といった契約(提案書)(20代や30代の方ならかなり長期契約になりますね)を何度も見てきましたが、1年目だけでなく2年目も「解約返戻金ゼロ」の状態のプラン(高い率での運用実績でも)もあります。
変額保険のこの状況(大暴落)は”問題ない”として、投信で投資を行うことにより大暴落してしまった場合のイメージをさせるのは、明らかにミスリードでありますし、多くのことがわかっていないですね。(投資について、商品について、モラルについて、法律について)
もしも、わかっていれば詐欺チックな話になります。

>必ず戻るということに自信がないので
そんな自信がある人がいるわけありません。
著者は自信があるなら常に一括投資をすすめるべきでしょう!
一括投資はリスクがあるからドル・コスト投資でと言っているのに何を言っているのでしょうか?(それは自信がないからでしょう)
なにより、”必ず戻る”という表現は、断定的判断の提供になりますので、金商法違反です。
アウト!
このようなことを金融商品(投信・変額)の販売資格者が書籍で書くとは信じられません。

>金融機関から毎月天引きされていくものなので
これは投資信託も同じです。そのことは この著者も100%知っています。というより、常識です。(株のるいとうも同じ、個人型DCも同じ)
まさに、ミスリードのオンパレードです。
本当は素人なのか?騙すのが目的なのか?こわっ!

積立投資ばかりすすめる販売業者が、一括投資でなくドル・コスト投資と言うのは、販売業者が投資家から苦情を言われないようにするためでしょう。
「下がっても口数多く買えますよ」
みたいなトークによって。

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>お客さんとすれば比較的容易に継続しやすいという事実
それは、いま解約すると大きな損失が決定してしまうので泣く泣く継続しているとは思わないのでしょうか?
変額保険の大きなマイナスからはじまる解約返戻金は、継続したからといって保険料累計に追いつく「元本回復」や投資収益が発生する「元本を上回る」保証はまったくありません。
不確実性な中にあって、コストは確実にかかるものであり、収益をむしばみます。
そうであるからこそ、コスト重視の姿勢が重要なんです。
お客様(投資家)のことを考えていない販売業者に関わることがどれだけ悲劇的なことになるか。

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そこまで変額保険をアピールする理由は?

投資に慣れていない人が入り口で使う商品としては、保険のコストがかかる点を差し引いても、この商品の方がお客さんにとっては絶対にためになるという確信を持っています。

>投資に慣れていない人が入り口で使う商品としては
インデックス投信をすすめるのが”普通”だと思います。
単なる”保険屋”ですね。

>保険のコストがかかる点
実は”コスト”を理解しているということですね。
変額保険で1年目2年目に大暴落が起こっても「解約返戻金はゼロ」のままですからすでに「マヒ」してしまっていますね。
”保険のコスト”を引いて運用される特別勘定の運用実績は投信と同じく大変なことになってしまっています。
そこを伝えないままで、このようなことを書くのはまたまたミスリードです。

>この商品の方がお客さんにとっては絶対にためになるという確信
このような言葉、本当に既契約者の方からの非難を避けたいがために言っているように聞こえますね。(必死)
既契約者から苦情(クレーム)や損害賠償をされないように布石を打っている感じがアリアリです。
きっとそこに重点を置いているので、「保険業法違反」「金商法違反」の文言や知識についてまったく確認もせずに書いているのではないでしょうか?
それでは逆に、著者の会社で投資信託で積立投資をしている人がいれば、「絶対にためにはならない」ということになりますがいかがでしょうか?
矛盾したことはしていないのでしょうか?

そして、
著者自身は変額で積立投資をし、間違っても投信で積立投資をしているということはないでしょうね?
著者自身の行動、興味ありますよね。
このことについて次回みていきましょう。
衝撃の事実がわかります。

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