ドル・コスト一辺倒の論者は矛盾に気づかない

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資産形成には順番が大切。
最近、なんでもかんでも投資!投資!という論調が目につきます。
「若いころから少しずつ積立投資をしていきましょう」
別に否定するものではありません。
ただし、やはり順番が大切です。

まとまった資金があってもドル・コストって・・・

積立投資をすすめる際に必ずでてくる説明があります。
「ドル・コスト平均法」です。
そのドル・コスト平均法を推奨する際、こういう意見も聞こえてきます。
「まとまった資金があっても毎月に分散して投資していきましょう。時間分散できてリスクが軽減されますから。」
私はいくつかの点でこの説明は矛盾があると思います。たとえばこういうことですよね。

1000万円あります。
それをいま全部投資せずに10回に分けて、つまり100万円ずつ投資していきましょう。
そのほうが1度に買うよりもリスクを抑えられます。

これって、100万円×10回投資をした後、マーケットには1000万円投資をしたことになりますが、その”1000万円”にはリスクがないということを意味しますがそうでしょうか?
リターンとリスクの関係から言っても投資をしていない状態の資金(たとえば100万円投資後の残り900万円)はリターン(リスク)がないからリスク(リターン)もありません。
であれば、その投資家に対してそもそも1000万円も投資をすすめること自体がナンセンスでしょう。
そもそも投資をすれば、投資資金が下がってしまう可能性があることは最低限知っておくべきリスクです。

もともと1000万円投資できる余力があるのに、残りの資金(待機資金×待機期間)は機会損失状態です。
何よりも、はじめから損失許容度の設定ミスか、アロケーション(資産配分プランニング:債券の割合を大きくしておくなど)のミスです。

販売者側が責められないようにするためか

つまり、このトークは間違っているとまでは言えませんが、矛盾していると言えます。
どちらかといえば、販売者側が投資家側から責められないようにするために伏線を引いているということが大いに考えられます。
そうです。「ドル・コスト平均法は下がるかもかもしれませんが口数たくさん買えますから大丈夫です」的な理論を正当化するための。
同じマイナスの結果が訪れた場合、一気に買ってマイナスになるよりも、分けて買って(口数のことを言い訳にして)マイナスのほうが販売者側は責められにくいですよね、投資家側も心理的に責めにくいでしょう。
しかし、ドル・コスト平均法はその投資行為を継続していくと、いずれ一時金投資と同じぐらいの大きな残高が積みあがっていきます。

このようなトークは、そもそもそうなることがわかっていない、または将来の残高が積みあがった状況についてリスク説明(想定)ができていない(リスクがないと思っている)販売者側にみられる傾向です。

積立投資は、その本質を理解していない者が販売者側と投資家側の両方にたくさん存在しています。
本質とその存在の両方を理解している金融機関は大いに笑っていることでしょう。
そうです。

上昇相場でも機械的に買ってくれる。  アハハハハ・・・

下落相場でも機械的に買ってくれる。  アハハハハ・・・

売り時を知らないからいつも買い続けてくれる。  アハハハハ・・・

毎日一生懸命働いて得た大切なお金です。

気をつけましょう!



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