上がらない実質賃金 マイナス連続

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残念な速報です。
厚生労働省が7日発表した9月の毎月勤労統計調査(速報)、実質賃金は0.1%減と4カ月連続で減少。


(出所)厚生労働省「毎月勤労統計調査」より作成

いまの日銀(=リフレ派)は

安定的に2%のインフレ

と言っていますが、この大風呂敷公約は果たされる気配がありません。
根本的に間違っているということに気づかないといけないでしょう。
(というか、もうすでに気づいているでしょう、ホンネは。)

あなたの家計は将来の物価上昇が嫌だからといって消費を増やしましたか?永続的に増やしていっていますか?毎年毎年駆け込み消費をしていますか?
先月はどうでしたか?
今年はどうでしたか?
昨年は?一昨年は?
いえ、ここ5年ほどではどうでしたか?

人々のインフレ期待に働きかける?
その人々はインフレ期待をしているのでしょうか?
勤労者の生活を見ずに株価だけを見ている政府、日銀の思いの表れではないでしょうか。

リフレ政策では実質賃金は上昇しない

「経済学者はなぜ嘘をつくのか」(青木泰樹著、アスペクト)という書籍があり、そこから一部引用します。(枠内)

黒田日銀総裁は、完全失業率の動向だけを見ているようですが、アメリカのイエレンFRB議長は、それに加えて「広義の失業率」にも注意を払っています。広義の失業率は、正社員になりたいがパートタイムに甘んじている労働者や、職に就く意思はあるが現在職探しをしていない縁辺失業者を失業に含む概念です。

職を得ることは重要ですが、次に問題なのは職から得られる所得です。それが勤労者の暮らし向きを決めるからです。
アベノミクスの主役となったリフレ政策を最も望んでいるのは、証券業界を中心とする機関投資家、投機業者、そして株価の上昇を権力維持の目安と考えている政治家でしょう。彼らの共通項は、短期的な利益に執着していることです。民間業者はいざ知らず、長期的展望の必要な政治家が株価に一喜一憂している姿は、どう見てもいただけません。うがった見方をすれば、リフレ政策は高株価の維持とさらなる上昇のために利用されているとしか考えられません。

この書籍で筆者は、1980年代後半、バブルを生んだと評される第25代日銀総裁、その後、バブルをつぶした主犯格とされる第26代日銀総裁のことを思い起こし、

日銀がバブルを作り、そしてバブルをつぶすという愚を再び繰り返そうとしている

とも言っています。

政府や日銀は、いまの日銀の政策委員会のメンバーのように、自分たちと同じ方向しか見ていない学者やメディア等の御用聞きとばかり対話するのではなく、反対意見もきちんと聞き、それらと真面目に対話しながら、それをタイムリーに国民へフィードバックしながら舵取りしていってほしいものです。
自分たちの考えが最も正しいと思っているようですが、それは大間違いです。
それはこの5年ほどで痛いほど証明されているでしょう。

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