ここ4年で基準価額が2倍の投信、ドルコストでは何倍に?

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私は、いまの積立投資をすすめる各方面からの声について「一種のネットワークビジネス」になっていると感じています。
その要因は、異常な株価上昇と為替変動(きっかけはもちろん民主党(当時)から自民党への政権交代)による急激な立ち位置の変化です。
急激な立ち位置の変化が起こって現在までで「4年」です。

ここ4年でどのように立ち位置が変わったか
そこから見えるものを見ていきたいと思います。
ここ4年でいくつかの投資信託(無分配)の基準価額は1.5倍~2倍の水準になっています。
では、4年前からそれらの投信に対してドルコスト(積立投資)をしていた場合、どうなっているのか、何倍になっているのか気になりませんか?
それを検証していきましょう。

『 前 提 』
投資信託・・・下記6つの投資信託
期間・・・2012年12月~2017年1月
投資方法・・・ドル・コスト平均法(毎月月末)で50回の買付
グラフ青色・・・基準価額
グラフ赤色・・・月末終値をドルコストしていった損益率

ニッセイ日経225インデックス



これを見て気づく点は?
①基準価額は【10,679円から20,691円】と「約2倍」になっています。
②10,679円からはじまったドルコストでの結果は20,691円の段階で、投資額の「約1.2倍」にしかなっていません。
なぜか?
平均買付単価が高くなっているからです。
通常、ドル・コスト平均法は平均買値を低く抑えるためと言われていますが、高値を追いかけていっていますので、高いものを買っていった結果が表れています。

参考までに(結果論であり、かつ机上の空論ですが)、

2012年12月からドルコストをはじめていなくても、2016年6月末にそれまで貯めた資金を一括投資をした場合、2017年1月末の結果(損益率)は上記のそれと同じです。


他に、以下5つの投資信託で検証しています。
同じように、基準価額の上昇水準とドルコスト損益率を比較してみましょう。

セゾン・バンガード

eMAXISバランス(8資産均等型)

世界経済インデックス

ひふみ投信

さわかみ投信

50回の買付を50年と仮定してみましょう

いかがでしょうか。
今回のケース、基準価額の上昇と同じように、また相場と同じように恩恵を受けていると言えるでしょうか?
「はじめた時期」が違う投資成果の良い人たちの声に影響を受けすぎると、大事なことに気づかずに、気づいたときには泣いているということにもなりかねません。
毎月買う投資対象そのものが同じでも、そして同じ基準価額を買うという行為でも、人によってその「価値」が違います。

その買った基準価額が、
利益を得ながら買っている人もいます。
買っても含み損になってしまう人もいます。
買ったものが±ゼロの人もいます。
人それぞれです。
それは立ち位置が違うからです。

今回の例は、「50回の月」ですが、これを「50回の年」で考えてみてもいいでしょう。
イメージ的には、日経平均株価がこれから50年かけて「2万円」から「4万円」になっていくイメージですね。

ドル・コスト平均法の資産形成では、「はじめ時」と「やめ時」のセットが成功のポイントになります。
そして

ドルコストでは、悲劇的なことを経験しないといけないということです。
大きくしゃがんでジャンプしないといけないということです。
なにより、楽観論ではいけないということです。

ドルコストによる積立投資で、平気で投資額の2倍や3倍に資産がなると言っている人たちがいますが、
毎月買っていくことによりできあがる「平均買付単価」と「売却時の基準価額」の差が2倍や3倍になるシミュレーションを見せてほしいところです。


まるで「ダウン」をたくさんつくっていく「アップ」のような人たちがいます。
そう、ネットワークビジネスのやり方と同じような匂いがプンプンします。
まさに
”ネット”ワークビジネスです。

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