積立投資楽観論、ここ数年の実績で天狗になっているFPらに気をつけよう

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ここ数年の”たまたま”に泥酔している人たち

衝撃的な出来事だったリーマン・ショックから世界のマーケットが立ち直ってきた理由は、”金融緩和世界大会”が開催されたからです。
直近5年間の日米の株価とドル円を確認してみましょう。

< NYダウ:2011年10月末~2016年10月末>
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上記期間の月末終値にてドルコストをした場合の損益率は「約117%」(為替考慮せず)

< 日経平均:2011年10月末~2016年10月末>
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上記期間の月末終値にてドルコストをした場合の損益率は「約130%」

< ドル円:2011年10月末~2016年10月末>
78円から124円(2015年8月)までになりました。

いかがでしょうか。
これは

「この時期に投資をしていて、儲かっていない人がいるの?」


という相場環境だったといえるのではないでしょうか。
そう仮定した場合、この期間を経て投資がうまくいったと強調しているようでは、ただの「自信過剰」「自分に酔っているナルシスト」「天狗さま」だと言われても仕方ないでしょう。

恥ずかしいことに、また残念なことに、この期間の投資結果を例にあげて

「私の言うとおりにやればこうなりますよ♪アハハ」(`▽´)


などと言っているFPやセルサイドをわんさか見かけます。
同時に、ここ一年の円高と株式では高値からの下落で逆噴射させているのも見かけますが。。。
「そんな仕事レベルでいいの?」ってつくづく思います。
上記期間以前には、たくさんの個人投資家が市場から退場させられました。
大損している方もいらっしゃいます。
そのような人たちのことやあの時の苦しみ(長期間、巨額な含み損を抱えている時期)を忘れてしまっているようです。
いつも言っていますが、投資というのは「運」と「偶然」と「+α」の結果です。

直近5年がこれから起こった場合の株価や為替水準を想像したことがありますか?

直近5年の動きを確認:5年前からどうなった?
日経平均株価は、約2.5倍(この期間の最高上昇率にて)

NYダウは、約1.5倍(2016年10月末時点終値にて)

ドル円は、46円の円安(この期間の幅)


こういう状況を私は

「+2σ 出木杉君です」
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           ※ドラえもん


と言っています。

今後も直近5年のような投資結果を享受するためには、あなたが投資をはじめた水準から見て、上記と同じ「水準」「率」で投資対象が上昇しないといけませんね。
そうなると、日経平均株価はいくらになっていると思いますか?
ダウはいくら?
為替はいくら?
そうなれば物価(インフレ率)は?
そのような時代になっているときの銀行金利は?

そのようなことを想像してみてはいかがでしょうか。
同時に、そのような場合のマクロ的な経済・社会情勢も想像してみてはいかがでしょうか。
つまり、冷静に、普通に、常識的に考えることが必要です。

よく下落相場になると儲かるチャンスなどと言っていますが・・・

皆さんもお聞きになったことがあるでしょう。

下落相場は積立投資にとっては儲かるチャンス!!
喜びましょう!!


このようなことです。
書籍をはじめ、それらに影響を受けている個人投資家などがネットで必死に書いていますね。
これってどういうことかわかりますか?

積立投資は、下落した相場(悲劇)を経験しないと儲からない!
特に、今からはじめる人は。


と言っているも同じことです。
だったら

待つ


という戦略もあるということです。
ん?

下落しても口数がたくさん買えるから・・・云々、って言われましたけど・・・


それは、セールストークやネットワークビジネスでもよくある「下の者をつくりたい」人たちの”勧誘”言動です。
あなたのことよりも自分のことを考えたポジショントークです。
本来、投資なんて自分が自分のためにやればいいだけです。
がしかし、積立投資はなぜか「他人」に対して必死に投資をすすめているような気がしませんか?そう感じたことはありませんか?
これは、今の相場がそうしたともいえるのですが、「既得権益者」がたくさんいるということの裏返しです。

改めてお伝えいたしますので、腹の底に落としてください。^^

投資の世界において、上がろうが下がろうが、投資を継続している時点で、投資をした金額すべてがリスクに晒されているという事実に変わりはない。
量(口数)が増加するということは将来有利に働くことだけではありません。逆に、量(口数)が多いほどマイナスになった場合に「金額のマイナス幅」が大きくなります。

積立投資は「ねずみ講化」「ネットワークビジネス化」している

投資の世界は、皆で「お手手つないでゴール」なんてできません。
それをさも「お手手つないでゴール」ができるかのように間違った情報が平気で発信されていっています。
そしてそれを真に受けている投資初心者(カモになる可能性が大)がたくさんいます。
特に、今は”異次元の金融緩和”(こういうのを「運と偶然」といいます)によって急激に株価と為替の買値が変わってしまいました。
「既得権益者」とは、2012年後半~2015年末に向かって「日米欧の株価上昇」「ドル円・ユーロ円の為替変動」による恩恵をもろに受けた人たちです。
それによって、歪(いびつ)な構図ができてきていると思っています。
それが下図です。

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気づかないといけないのは、

同じ投資対象、同じ基準価額であっても
始めた時期によって
人によって買う”価値”が違う


ということです。
このような本質を語っているFPを見たことがありません。

確定拠出年金、楽観論で騙されてはいけない!騙してはいけない!

確定拠出年金が法改正により、2017年1月より多くの方が利用されていくことになると思います。
各メディアから発信される(されている)楽観論を信用して利用される方も多いことでしょう。

確定拠出年金は「老後資金」のために使っていく制度です。
私たちは一個人であり、一回きりの人生です。
事業会社や年金運用者らとは違います。
なんとしても失敗は許されません。
ですので、
当ブログをお読みの方は、”本質”を知ってください。
ただ、その本質を伝えることができるFPはほとんどいません。

あなたの大切なお金を投じることになる投資という世界。
”タダ”で情報を得ようとする”こすい”人間にはそれ相応のリターン(皮肉^^)があります。
それはセルサイドによってもたらされています。
世の常です。

投資の世界にうまい話はありません。



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