下がっても口数たくさん買える?大切なのは「平均買付単価」

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正しくない投資情報が蔓延する日本

下がってもたくさん買えるからいいと聞きました♪

これは積立投資をすすめるマネーセミナーに参加された投資初心者が口を揃えて言う言葉です。
もう大合唱です。
しかし、次のようなことは理解されていません。

「口数」というのは、言い換えれば物販業でいうところの「在庫」のことです。
いくらマークダウンで「在庫」を安く仕入れることができても、それにより利益を出すためには「売上」が上がらないと(売り先がないと)いけませんよね。
この場合、当然ですが「売上単価」は「仕入れ単価」よりも「上」でないといけません。

つまり、
積立投資においては「仕入れ値」である「平均買付単価」よりも「売るときの基準価額」が上回っているということが最低条件となります。
もしも
下回っていると、「在庫量」(口数)の多さが赤字を増幅させていきます。
そして
それ(「平均買付単価」よりも「売るときの基準価額」が上回っていること)は約束されていませんし、セルサイドはそれを約束することはできません。

物販業(買い取り)をされている方はわかると思います。
「在庫」は少なくても困りますが、多くの場合、多すぎることにより店の経営が悪くなっていきます。

投資もスポーツもイメージトレーニングを欠かしてはいけない

スポーツをしている方は、普段からイメージトレーニングをしていると思います。
いや、仕事でもしますよね、イメージトレーニング。
それは投資でも同じで、かつ大切です。
この場合、様々なシミュレーションが必要になります。

それでは、前回使った「ニッセイ 225日経インデックスファンド」の基準価額で架空のシミュレーションをしてみましょう。
(念押し!架空です)
毎月1万円を50か月ドルコストです。

『 前 提 』
期間・・・2012年12月~2017年1月
まったくの逆の動きをした基準価額だった場合

投資方法・・・ドル・コスト平均法(毎月月末)で50回の買付
グラフ青色・・・基準価額(21,860円⇒10679円)
グラフ赤色・・・月末終値をドルコストしていった損益率


次に、もともと口数をたくさん保有していたと仮定させるために、
1回目(=1ヶ月目)に100万円購入
2回目以降に毎月1万円ずつ購入

いかがでしょうか?
上の「50回ドルコスト」と比較して、下の「口数たくさんドルコスト」はマイナス度合いが大きいですよね。
それよりも、前回シミュレーションをした上昇のドルコスト損益率(約123%)と比較して、こわいほどの下落率(約64%)になっています
おさえておきたいポイントです!!

ドルコストで口数?ドルコストで複利?

積立投資で気にしないといけないのは「口数」(在庫)ではなく、「平均買付単価」(仕入れ値)です。

そもそもドルコストは「コスト」の話であって「口数」の話ではありません。
(ちなみに「複利」の話でもありません)
それなのに、「口数」の話に目をむけさせているのは

上がっても機械的に買ってほしい

下がっても機械的に買ってほしい

という
「販売手数料」「信託報酬」が得られる既得権益者と
ニューマネーによって「基準価額を下げたくない」既得権益者らの
ポジション・トークだと思っておきましょう。

”口数を増やす”ことが投資の目的になってはいけません。
うまくいかないことに対しての”言い訳”は説明(理解)されています。
”言い訳”とは、「基準価額が下がっても口数が増加するからいい」という部分です。
この”言い訳”を用意してくれているのは、もちろんセルサイドです。
セルサイドは、下がっても(元本割れしても)”喜べる”ような仕組みを作っているということです。

そのぐらいでちょうどいいです。

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