毎月増加している自動移換者数
前回でも指摘しましたが、自動移換者数の増加は、加入者(特に企業型)に対してきちんとフォローができていない証拠です。
下表は、iDeCo加入者数と自動移換者数についてです。(平成30年8月)
(出所)国民年金基金連合会
5月の実績はこちら
つみたてNISAの口座数約50万口座(2018年3月末)に対して、iDeCo自動移換者数は76万人です。
つみたてNISAの口座を開設された人(60代以上の人もいる)が、iDeCoで自動移換者になっているとはあまり考えられないとした場合、76万人はそもそもこの制度に関心がなかった、関心がない人たちだといえます。
そして、今後そうなる予備軍が大勢いるのは想像がつきます。
だとすれば、新規加入者が100万人突破したと喜ぶのは「何がうれしいの?」「誰がうれしいの?」となります。
自動移換者がどんどん増加しているいま大切なのは、新規加入を促すよりも現加入者への徹底したフォーローではないでしょうか。
そうしていけば、自然と加入者も増加していくものです。
でないと、将来「iDeCoはやらないほうがいい」「わざと自動移換という手数料泥棒の制度を設けている」「自動移換は解約にして現金の払い出しにしろ」という声が大きくなっていくのではないでしょうか。
iDeCoの加入対象者数(2017年3月末)に占める加入者数(2018年8月末)の割合は、1.5%。
76万人とはどれほどの規模か
●福井県民全員
●徳島県民全員
●高知県民全員
●島根県民全員
●鳥取県民全員
これぐらいのレベルです。
自分で育てる自分の年金?
多くの国民にとって、消えた確定拠出年金(消えた退職金)になる可能性があります。
もっとフォローの整備をきちんとしていくことが重要です。
投資をさせたい業界の特徴として、ただ投資をさせたいだけで、投資家フォローという哲学や概念を持ち合わせていないのではないでしょうか。