トウシ趣味村、トウシ無関心村に住むそれぞれの人を理解しよう

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貯蓄から投資へという標語自体がおかしい

日経新聞が7月4日に報じた「日本人の投資信託保有大幅増は嘘だった」という記事と同じ内容のものが毎日新聞にて報じられましたのでリンクを貼っておきます。

毎日新聞
家計保有額30兆円過大 日銀、統計ミス 「貯蓄から投資」実態は逆

最後の部分を引用します。

政府や証券業界は、現預金に偏る家計の資金が、経済成長に資する企業への投資資金として回るような政策を進めてきた。日銀の統計に基づく投信保有額の増加は政策効果の表れとみていただけに、金融庁幹部は「我々の認識以上に個人の投資への動きが進んでいないなら、改めてどうすべきか考えないといけない」と厳しい表情を見せた。

これによると、金融庁はとにかく個人に投資をさせたいのに個人が動いてくれないということです。

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日本経済の千日手均衡(三井住友信託銀行レポートより)

トウシ趣味村とトウシ無関心村

人それぞれの家庭環境、働き方環境がありますので、簡単に分けても下の図のようになるでしょう。

まずは、人それぞれに様々なものに関して違いがあることを理解することが最低限必要です。

次に、資産形成・資産運用についての人々の”考え方”の違いを、例えば「トウシ趣味」と「トウシ無関心」の2つの「村」に分けて理解してみたいと思います。
そうすると

ふたつの村は、↑このような比率で分かれてくるかと思います。

巷間、投資に関するブログを書いている人々が増えています。
ご丁寧にその資産額まで書いている人もいます。
投資に関するブログを書いている人々は、もちろん「トウシ趣味村」にいます。
しかし、投資に関するブログを書いている人なんてごくごく少数です。
金融庁をはじめ、業界関係者が、このごく少数の意見に引っ張られていることがおかしいです。

残念ながら、視点が間違っているのではないでしょうか。

働き方「サラリーマン・公務員から自営業へ」できるか!?

イメージしやすく別のものに、ここでは働き方に例えてみましょう。
「トウシ無関心村」・・・サラリーマン・公務員
「トウシ趣味村」・・・自営業

こうしてみた場合、多くのサラリーマン・公務員は自営業(起業)をしてみたいと思ってはみてもなかなかできない、踏み切れないというのが実情でしょう。
一方、自営業者(起業家)はもともとどこかに勤めた経験のある方が多いでしょうし、サラリーマンとしての将来に不安を感じたり、自分でやればやっただけ稼ぎたいと思って、それをスタートしたという方も多いでしょう。

「トウシ趣味村」
自営業者(投資をしている人)は、自営業(投資)の苦しみ、楽しみを知っています。

「トウシ無関心村」
サラリーマン・公務員(投資をしていない人)は、自営業(投資)の苦しみよりもサラリーマン・公務員(投資をしていない人)としての苦しみのほうがいいと思っています。

サラリーマンで投資をしている人に対して、自営業で成功をしている人が
「サラリーマンなんてやめて、自営業をやりなよ!時間も自由だし、収入もサラリーマン時代よりもアップするよ!もちろん、自己責任だけど。」
と言われたらどうですか?
「いや、サラリーマンがいいので」とか「大きなお世話です」
となりませんか?

※人それぞれの働き方について何かを言っているのではありません。

”ネット”ワークビジネスになっている投資話

「トウシ趣味村」には様々な投資に関する情報が広がっています。
個人的には、専門家から発せられる情報もトウシ趣味村にいる人たちに気に入ってもらえるようになっているものが増加しているのではないかと思えるものも多いと感じています。
(ハーディング効果、同調行動)

さて、冒頭の毎日新聞の引用部分にある
金融庁幹部「我々の認識以上に個人の投資への動きが進んでいないなら、改めてどうすべきか考えないといけない」
ということについてですが、「貯蓄から投資へ」(現在は「投資へ」ではなく「資産形成へ」)という標語の良し悪しは置いておくとして・・・

大切なことは、
「トウシ無関心村」の人たちのことを理解することと「トウシ無関心村」の人たちに対してきちんとフォローしていくことです。

それは「トウシ趣味村」向けに発信されているような情報では難しいでしょう。

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