先日の記事、
『日経平均を使った10年積立投資で検証「積立投資はいつはじめてもいい論」について』
で次のグラフを見ていただき
「積立投資はいつはじめてもいい」
「長期積立投資なら最初の数か月なんて、何百分の数回分にしかならない」
という話を信用してはいけないとお伝えしました。
今回はその続きです。
最もリターンが良かった期間の損益率推移
上記の検証結果において、最もリターンの良かった期間は、
投資対象:日経平均株価、月末終値を使ってドルコスト(10年間)
対象期間:2005年5月~2015年4月のパターン
でした。
その期間に起こった損益率の推移変化をみてみましょう。
・縦軸:損益率(100%未満=元本割れ)
・横軸:積立回数(12か月×10年=120回)
元本割れ回数:62回(120回中)
最大損失率:55%(マイナス45%)
いかがでしょうか。
ドルコストで好成績を享受するためには、その特性上「悲劇的なこと」を経験しないと難しいということがわかるのではないでしょうか。
上記の例だと、その期間の半分が元本割れ、かつ投資元本の半分ほどを失っていた経験をしたことになります。
個人投資家が積立投資を行っていくにあたっては、このような実際の例をたくさん使ってイメージしておきたいところですね。
その特性を。
スポーツでも勉強でも同じです。
誰もが日本のベスト8にはなれませんし、東大といった難関大学に合格はできません。
それでも日々たくさんのトレーニングや勉強を行います。
自己ベストをだすために!
後悔しないために!
だから、ある程度の結果を残せるのではないでしょうか。
大人になると、
それが自分の仕事でなければないほど、
トレーニングを欠かすようになります。
楽をしようとします。
そこにつけこまれます。
そこにつけこんで儲けようとする人たちがいます。
次に、最も悪かった期間の損益率の推移をみてみましょう
上記の検証結果から最もリターンの悪かった期間は、
投資対象:日経平均株価、月末終値を使ってドルコスト(10年間)
対象期間:1993年5月~2003年4月のパターン
でした。
その期間に起こった損益率の推移変化をみてみましょう。
・縦軸:損益率(100%未満=元本割れ)
・横軸:積立回数(12か月×10年=120回)
元本割れ回数:86回(120回中)
最大損失率:51%(マイナス49%)
<1993年5月~2003年4月 日経平均株価推移>
いかがでしょうか。
上記の例をみていくと、
1993年5月、日経平均が2万円(20,552.35円)からスタートし、1997年7月末までの約4年超はその水準をキープし、そこからチャートは崩れていきますが、2000年3月にはいったん2万円に回復、ただその翌月からはまた崩れていきます。
繰り返しになりますが、
個人投資家が積立投資を行っていくにあたり、このような実際の例をたくさん使って、その特性をイメージしておくことは必要なことだと思います。
大きくかがんでジャンプするか、しないか
上の損益率推移の図でもなんとなく感じないでしょうか?
ドルコストでそこそこのリターンを得るためには
かがんで
ジャンプ
この組み合わせが重要になってくるということです。
これは、
悲劇的な経験をするか、しないか
と言う意味にも解釈していただけるかと思います。
私たち個人投資家は、極力
かがんで(悲劇的な経験)
を少なく、逆に
ジャンプ(喜劇)
の回数が多ければ多いほどいいですよね。
そこは積立投資か一括投資の投資方法別は関係ありません。
さて、
そのためには・・・