10%で運用できたらこ~んなにも資産がふえますよ♪
このフレーズ、流行しましたね?
これは、毎年10%の複利運用でこうなりますというものです。
「油公」事件(?)は記憶に新しいところです。
世の中の投資詐欺って、こんな感覚で騙されていっているのではないでしょうか?
「10%のリターンがあるんです。元本は減りません。」
「10%のリターンがあるんです。ん?5%?5%なんて楽勝です。」
「10%のリターンがあるんです。複利のパワーはすごいんです。」
「10%のリターンがあるんです。過去を見てください!ねっ♪」
「10%のリターンがあるんです。預貯金では全然ふえませんよ!」
「10%のリターンがあるんです。インフレで貨幣価値は目減りします。」
記事中の言葉を分析・検証
堂々とメディアを使って「投資は自己責任です!判断はご自身で!」と前置きしながら、バラ色の未来を語る人々がいます。
しかも「毎年10%複利運用」とキーワードを使って。
その話を考えてみましょう。
東洋経済オンライン「50代は資産形成をする「ラストチャンス」だ」
「月10万円を年平均5%の運用利回りで20年間積み立てていけば、70歳になった時の保有資産額は4110万3000円です。同じ条件で運用利回りを10%に設定したら、7593万6000円ですから、ここまで来れば老後の生活は楽勝です。」
金融庁から誇大広告だと指摘された「毎年10%、長期積立投資」を平気で語る神経には驚きます。
下図は、記事の話を図にしたものです。
【毎月10万円の積立投資、20年間、毎年10%複利運用】
20年の積立投資累計額:2,400万円
20年後の資産残高:約7,600万円
累積リターン率:316%(3倍)
これは「夢物語と詐欺話と積立投資と」で示した図と同じです。
ここでも指摘したように、ある時点から「10%の金利生活」が可能だということです。
もっというと、いま資産をお持ちの方はこちらの方の話を信用するなら今から永久的に「10%の金利生活」ができるということにほかなりません。
「10%のリターンがあるんです。元本は減りません。」
ここで質問です。
20年後に「3倍」になっているということは、売却時の基準価額が平均買付単価の「3倍」になっていることを意味します。
どのようなシミュレーションであればそうなりますか?
やはり上の図のようなシミュレーションですか?
(かつ、どのような世の中になっていくと想定されていますか?)
そう(上の図のようなシミュレーション)であるなら、
積立投資をするのは機会損失のなにものでもありません。
一括投資をしているほうがはるかに報われるでしょう。
投資は投資家の自己責任と前置きをするなら、どのようなシミュレーションであれば「20年で売却時の基準価額が平均買付単価の3倍」とかになるのかを何パターンも示していくべきでしょう。
そのような分析や検証、矛盾を理解しているのでしょうか?
※株高になったこの4年半の振り返り
日銀がめちゃくちゃETFを買っている
日銀がめちゃくちゃ国債を買っている
不動産(グリンピアとか)を買っていたGPIFが株を買っている
共済マネーが株を買っている
郵政マネーが株を買っている
まさにネットワークビジネスと同じ構図
投信会社(運用会社)の社長さんという立場の人たちが、顧客に直接ではないにしても、メディア等で「10%」とか言うのはモラル的にも、金融商品取引法からみてもどうかと思います。
彼らこそ、ネットワークビジネスの頂点に立つ人たちです。