変額有期保険をコンプラ違反で販売する泥棒たち

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周知の通り、現代はネットで様々なことが相談できます。
もちろん、保険や投資商品に関することもです。
今回、そのような相談サイトで見かけたとんでもない内容を見ていきたいと思います。

1年半前に書いた『変額有期保険の販売パターンはひどい』という記事と近いですが、他の人から次々と同じ内容の相談がされているということです。
もちろん私自身、今回の相談者と同じような相談を何十回と受けています。

専門家プロファイルより、冒頭部分を抜粋

先日ある保険代理店のFPにもともと定期預金に預け入れている貯蓄を増やせる方法はないかと思い相談したところアクサ生命のユニットリンクという商品を勧められました。

外国株式100%で月々1万を保険料として支払い、10年後に払い済みにすれば120万より多く手元にお金が返ってくるという説明でした。

私の希望として、元本割れだけは絶対に嫌だとFPに伝えたんですが、「10年後なら絶対に元本割れしない」と断言されました。

これだけの内容ですが、問題点が6つあります。
まるで、コンプラ研修のテキストみたいです。

問題点①定期預金に預け入れている貯蓄を増やせる方法はないか

「もともと定期預金に預け入れている貯蓄を増やせる方法はないかと思い相談した」
この問いかけに対して、すすめられたとされている上記商品は論外です。
はじめから商品ありきの展開だとわかります。
この商品を積極的にすすめる募集人は大概”商品ありき”です。
いまある200万円の定期預金をわざわざ10年かけて、この商品にかけさせていくとのことです。
(1万円×12か月×10年=120万円)
相談者の話を聞くという読解力にも問題がありそうですが、そもそも保険の比較推奨販売自体をしていない可能性もありますね。(保険業法違反)
大丈夫か?この保険募集人。

問題点②外国株式100%

この保険募集人には資産分散とリスク(ブレ)という概念がなく、適合性の原則に大いに問題ありです。
投資初心者かと思われるこの相談者に「外国株式100%」と言っているということで、まさに投資顧問業的なことをしているのではないでしょうか?
非常に危ない行為です。

問題点③10年後に払い済みすれば

「10年後に払い済み」と言った時点で、提案商品が違うということが決定です。
そもそも10年で払い済みというのなら、いま一括投資をすすめないのは手数料詐欺と言われても否定できないでしょう。
なぜなら、この商品で「10年後払い済み」とは、
10年後の解約返戻金等をベースに保障額を変更、その後は保険料を払わずに解約返戻金を特別勘定で運用していこうというものだからです。
であれば、10年後の解約返戻金にあたる原資を相談者は今現在持っていることになりますね。

問題点④10年後に払い済みにすれば120万より多く手元にお金が返ってくるという説明

この商品はそのような商品ではありません。
説明不足、重要事項の説明違反となるでしょう。
この保険募集人は、変額保険の試験を受け直させないといけないでしょう。
このような保険業界にある試験は「100点」(悪くても90点以上)でないと商品を売る資格はないと言えますが、低レベルな保険募集人はただ合格(主に70点以上)すればいいという姿勢で、この保険募集人もそうでしょうね。

問題点⑤元本割れだけは絶対に嫌だとFPに伝えた

”絶対に”という言葉から、相談者の強い意思が伝わりますね。
意向と商品が合っていませんので、顧客の意向を無視した保険業法違反は明らかです。

問題点⑥絶対に元本割れしないと断言

”絶対に嫌”に対して”絶対に”と返すところは詐欺師みたいですね。
当然、断定的な判断ですので論外です。
この保険募集人は、違法行為を平気でする人間だということがわかります。
現在の保険業界は、この手の人間を使って主に投資初心者たちにリスク性商品を売りつけています。
恥ずかしいことです。

コンプラ違反者が大勢いる業界か!?

いかがですか?
これが巷の保険代理店の「変額保険」の販売手法であり、能力です。
それにしても今回の保険募集人の質は悪いです。
まさにコンプラ研修で例にあげられるかのようなデタラメな内容です。
この保険募集人は、保険販売に携わってはいけない人間です。
適正なしです。
この人間を所属させている保険代理店と保険会社の管理監督責任は大きいです。
上記のようなセールス手法を黙認しているのは明らかだからです。
数字が人格の保険会社や規模が大きい保険代理店は、率先して襟を正してほしいですね。

この保険募集人やこの保険募集人と同じことをしている者に関わってしまった人も多いでしょうから、被害者は多いでしょうね。
まったく泥棒と同じ行為です。
・・・・・・・・・・
泥棒だらけか!?

人生における最大のリスクは、
悪人に関わってしまうこと
悪質商法に関わってしまうこと
悪徳業者に関わってしまうこと

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