「日経社説」農協の金融事業は農家のために

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その事業は何のためにありますか?

日経新聞の「社説」です。

農協は金融依存を改め本来の姿に戻れ (2017/5/26付)

政府は全国農業協同組合中央会の権限縮小、全国農協連合会の事業見直しといった農協改革を打ち出した。改革の主眼は、農協を農家の経営改善や農業生産の拡大を支援する本来の姿に戻すことにある。そのためには農家以外の組合員の拡大や、肥大化した金融事業の修正を棚上げしてはならない。

農林中央金庫は全国に600超ある地域農協に対し、2019年5月までに信用(銀行)事業についての方針を示すよう求めた。

政府・与党は14年6月にまとめた農業改革で、地域農協が手掛ける信用事業をJAバンク法の規定に基づいて都道府県の上部機関や農中に譲渡し、経営資源を農協本来の経済事業に振り向けることを促している。

ただ、農中が農協に示した選択肢は事業譲渡だけでなく、事業を残したまま周辺の農協と合併して財務基盤を強化する対応、さらには現状維持も含まれる。

これまで金融事業を切り離した農協は3つにすぎない。残る農協も多くは現状維持を模索している。信用、共済(保険)という金融事業抜きで経営は成り立たないと考えるからだ。

農協の組合員は15年度で1037万人と1985年度に比べ3割近く増えた。准組合員と呼ばれる非農家組合員が2.3倍に拡大し、全体の6割弱を占めるようになったからだ。農中に集まる貯金の残高は100兆円に迫り、規模でメガバンクと肩を並べる。

農協は農家の組合だからこそ生損保、銀行兼業などの特権が認められている。非農業者を顧客に金融事業に注力する姿は農協の設立目的とかけ離れている。少なくとも准組合員や組合員以外の利用が、正組合員(農家)を超えないようにすべきだ。

規制改革推進会議の農業部会がこれまで提言した、准組合員の利用規制や信用事業を手掛ける農協の削減案はどれも農協の抵抗で実現していない。

准組合員の拡大に歯止めをかけ、金融事業に依存しすぎる農協の実態を是正することこそ農協改革の本丸といえる。

農協による農業向けの融資残高は減少傾向にある。一方で、日本政策金融公庫や地銀などは農業向けの融資でシェアを伸ばす。農協は金融事業に固執しながら、農業の資金需要に応える努力を怠っているのではないか。農協の金融事業も農家のためにある。


農協の金融事業も農家のためにある

このようなことって、どの業種にも言える部分があるのではないでしょうか。
それが今の日本です。
たとえば、現在の日本銀行や銀行、証券会社、保険会社も「その事業は〇〇のためにある」ということがわからなくなっているのでは、と思うことが多々あります。

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