インフレ不安を煽られて投資をはじめるとカモになる

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何かと言えば、インフレ!インフレ!という販売業者

FP資格保有者がこういうことをよく言っています。
「アベノミクスで2%のインフレになる!これが10年~30年続くと貨幣価値が・・・」
「2%のインフレが続くと、いまの100万円が35年後には半分の価値になりますよ」
何を言っているのでしょう?
本当にわかって言っているのか、いつも疑問に思うことがあります。
2%のインフレとは、つまり物価が前年対比2%上昇していくということになりますね。
2%の緩やかなインフレが10年~30年も継続されていくということは、”あきらかに景気が良くなる”ということを意味します。
そういうことを言うFP資格保有者に問いかけたいです。
皆さんも聞いてみてはいかがでしょうか。

あの~、賃金は上がらないのでしょうか?
あの~、預金金利は上がらないのでしょうか?
あの~、保険の予定利率は上がらないのでしょうか?

貨幣価値、貨幣価値って・・・
本当に「ひとつの方向からしか見ない」「都合の良いことしか言わない」ポジショントークばかりです。
このようなことを聞いて無理やり投資をはじめている方々がいます。
そのような方々は多くの場合、彼ら彼女らにとっての『いいカモ』です。
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インフレトークのやり方は、
”昔は「はがき代はいくらで」「封筒を送るのはいくらで」「コーヒーはいくらで」”
といった特定のモノの値段だけを指摘します。
その頃といまの大卒初任給がどれほど変化したのかは指摘しません。
残念ですが、まったく低レベルだといってもいいでしょう。

インフレのために長期投資が有効なのか

投資を誰彼関係なくすすめる販売業者は
「インフレのために投資をしていきましょう」
「そのためには長期投資です」
ということを言っています。

何%のインフレですか?
「アベノミクスで2%と言っているので、とりあえず2%」
ということでしたら、何十年も先までの長期投資とかって「将来すぎて、それを言っている人(多くはFPや販売業者)が責任をとる必要がない(仕事を辞めていたりします)」ようなことを言うのではなく、最低でも毎年2%の収益があがるようにプランし、毎年きちんと2%分の利益確定をさせていけばいいのではないでしょうか?
それにより、生活は困らなくなるという目的ですから。
インフレに負けないために、貨幣価値が目減りしないために、つまり”生活のために投資”をするのでしょう。
それとも”投資のための投資”ですか?

必死に投資をすすめる業者は毎月、毎週、毎日新しい方々に投資をさせようとしているので、以前から投資をされている方々にきちんとリカクをさせ、また新たに投資をしていってもうまく収益をあげさせていけるのではないでしょうか?

え!?
収益をあげさせることはできない?
なぜ?
よく言っていますよね。
「投資はいつはじめてもいい」(そんなわけない)
特に、
「積立投資はいつはじめてもいい」(そんなわけない)

ウソじゃなければ問題ないのではないでしょうか?
もしかして、ねずみ講みたいな考え方しています?
ひたすら”新しいマネーでの買い手”探しというビジネス。

インフレ不安を煽られて投資をはじめるとカモになる

「とりあえず2%インフレに備えましょう!リスクをとって運用していきましょう!」
って言うFPが多すぎです。
きっと、教科書大好きな人たちか、マネーセミナーで投資をすすめる、投資商品を売りつけることを目的にしている人たちでしょう。

運用商品、いまは王道商品としては投資信託が考えられます。
わかりやすく100万円を投資するとしましょう。
A投信「販売手数料3%+信託報酬1・5%」で投資をすると、単純に年間コスト4・5%です。
10年継続することにより、販売手数料のコスト負担が薄まりますので、「0.3%+15%=15・3%」となります。
A投信で10年間投資をすることにより、100万円が10年後に85万円になることが決定します。(運用結果がゼロとして)
2%インフレが10年間継続されると、100万円が83万円ほどになるということですね。
まずこの時点で、投資信託のコストはその手数料率によってはインフレと同じかそれ以上のインパクトがあるということです。

”A投信のコストは100%決定です”
に対して、
”日本で2%インフレがずっと継続する”
は、かなり可能性が低い話だということが感じられませんか?
また、先日金融庁から投信販売現場について以下のような指摘がされました。

『金融モニタリングレポート』(金融庁:2014年7月4日)、銀行の投資信託販売について、2003年度から2013年度にかけて、仮に2年ごとに売れ筋投信に乗り換えた場合は、投資した資産が3%減ったという結果でした。

さらに、A投信は期待リターンを何%で設定するかにもよりますが、予想リスクとして5~20%ほどのマイナスになることも想定されます。(もちろんプラスもある)
つまり、投資をすれば100万円が運用結果で70万円などになるかもしれないということを理解していますか?
もちろん130万円になるかもしれません。

ただ、机上論者が言うような”インフレ”のためにそこまでのことをしないといけないのか考えてみましょう。
インフレリスクと投資下落リスクとを比較した場合、それが投資目的として合うとは思えませんし、それを投資目的と言うFPや販売業者に大切なお金の話をするのは考え直した方が良いのではないでしょうか。

積立投資も1年でリカクはできる

「2%インフレで貨幣価値が目減りする」
100万円が98万円の価値になるというのが言い分ですよね。

毎月10万円を1年間積立投資をされた場合、120万円の投資になります。
2%の複利は、122万4千円になります。
2万4千円増加したらそれでインフレには対応できたとことにならないのでしょうか?
リカクしたら良いのではないでしょうか?
ここで大切なのは、手数料や税金などのコストを差し引いた手取り額です。
きちんとそれができるかどうかです。

リカクなく、投資商品が投資元本よりも10%下落したらどうなるでしょうか?
そう、元本割れですよね。
元本割れって意味ないですよね。

そりゃリカクできません!

長期投資と言っている販売業者は、”リカク”を言いません。
なぜか?
簡単です。自分たちに手数料が入ってこなくなるからです。

もっとすごい理由もあります。
そもそもリカクどころの話ではなく、はじめから元本を大きく毀損する商品で投資をさせてしまっているからです。
「な・・・なんだこれ!?」
っていう話です。

そう、私がずっと言ってきています。
多くはマネーセミナー経由の保険契約である「変額終身保険」や「変額有期保険」は、もう大変です。
「変額終身保険」「変額有期保険」にインフレ対策になりますからこの商品で積立投資をしていきましょう、とすすめられて契約をしている皆さん、このコラムを読み終わったらあなたの契約の「保険料累計」と「解約返戻金」を確認してみましょう。
2%どころか平気で50%や80%などのマイナスになっているかもしれません。
「変額終身保険」「変額有期保険」で長期の払込期間を設定してしまうと、まず契約1年後の解約返戻金は「ゼロないし、あってもわずか」しかありません。
それって、はじめから”投資になっていません”。
戦う前から負け決定です。
したがって、リカクなんて到底できません。
元本割れどころか、1年目は完全掛け捨て(無解約返戻金商品とイコール)になっている場合もあるのです。(払込期間が長期なら完全です)

あなたの担当者は、ここから
「変額保険は設計書に書いているように、5%や7%で運用されていくんです」なんて言っているのでしょうか?
断定的判断の提供”で契約取り消し対象になります。

本当に思います。
投資をしたことがない方々に対して、マネーセミナーを通じてインフレのためだとかなんとか理由をつけて「変額終身保険」「変額有期保険」で積立投資をしようと言っている保険代理店(保険募集人)は将来、集団訴訟された瞬間に終わるでしょうね。(このことに気づいた契約者と弁護士さんが動けばです)
いまは、世間がそれに気づいていない、そこまでのお客様が現れていないだけです。

多くの偽装問題や詐欺事件が、発覚してなければ偽装でも詐欺でもないというのと同じ状況です。

それはつまり、被害者や被害額が増加していっていることを意味します。


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