マネースクール業者の変額保険説明の間違い⑬

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さあ、このデタラメ本シリーズも今回で一応終了にしようと思います。

指摘項目⑬「過去実績掲載による誤認させるような行為」について

著書の最後に、

変額保険の魅力の説明のまとめとして、やはりその実際の成果をご紹介したいと思います。

これについて某保険会社の見解はと言いますと、

お客さまに将来の運用実績が確実であると誤認されるような説明は禁止されています。

当然の回答です。

著者がこのようなデータをその著書に掲載したことは、非常に残念なことです。
お客様に対してこの商品の”誤認””困惑”を与えてしまう可能性があるからです。
ここまで「ルール無視」というよりも「ルール無知」だったということです。
書籍でこのような行為をしているということは、実際の募集現場でもしている可能性が高いのではないでしょうか?

さて、その実際の成果とやらですが・・・

「契約日」「契約年齢」「性別」「経過年数」「月払保険料」「総積立額」「解約返戻金」「運用実績」

が記載されていました。

わかっていませんね。
本当に記載するのなら、「変額終身保険か変額有期保険の別」と「保険料払込期間」、「実際の利回り」を記載しないといけないでしょう。
ここからも著者のこの商品に対する認識がわかります。

この意味がわかりますか?

下記の「実際の利回り」と「特別勘定運用実績」の違いがわかりますか?

期間1年、総積立額「120.816円」に対して解約返戻金「3,952円」。
これって「マイナス96.7%」の利回りですが、特別勘定運用実績「28.29%」となっております。
この意味わかりますか?
期間5年、総積立額「616,200円」に対して解約返戻金「652,254円」。
これって「1.17%」の利回りですが、特別勘定運用実績「19.24%」となっております。
この意味わかりますか?
期間10年、総積立額「978,804円」に対して解約返戻金「1,061,100円」。
これって「0.84%」の利回りですが、特別勘定運用実績「10%」となっております。
この意味わかりますか?

この商品に積立投資として契約をされている方で、この意味を答えられる方はいないのではないでしょうか?
この著者、変額保険商品の「特別勘定の運用実績」「変動保険金」「解約返戻金」「予定利率」「責任準備金」の意味を理解していないということでしょう。
このような「10~30%の運用実績」というものを見せられてしまうと、”誤認””困惑”してしまうでしょうね。
著者もよくこのようなデータを著書に掲載したものです。

この意味わかりますか?

以前、「井の中の蛙、大海を知らず」で示しましたが、著者のデタラメぶりを再確認いただくために、あえて下記にデータを記します。

契約日:2001.11  返戻率:2.2倍
契約日:2002.1  返戻率:1.95倍
契約日:2002.7  返戻率:1.75倍
契約日:2002.9  返戻率:1.62倍
契約日:2003.1  返戻率:1.89倍
契約日:2003.6  返戻率:1.59倍
※2015年8月某日現在

これは、私が実際にお預かりしています、著者が否定しています「一時払」の変額終身保険の解約返戻率です。
上記の「2.2倍」というのは「解約返戻金が一時払保険料の2.2倍」になっているということです。(死亡保険金もどうなっているかわかるでしょう。)

著者は、「一時払はしてはいけない」ということを必死に訴えていますが、上記のような事実を知らないのでしょうか?
当シリーズでも指摘した通り、投資信託での一時払は良くてなぜ変額ではダメなのでしょう?
ただただ「手数料目的のため」のパフォーマンスなのでしょうか?

著者は、その著書(今回のもの以外でも)やその他でも世の保険営業マンに対して、とても許せない言動を繰り返してきています。もう異常な言動です。(会社の人もそれはいけないと注意ぐらいしないといけないでしょう)
しかし、私や私以外の保険のプロはこのような結果をお客様にだせています。
それは「保険商品の仕組み」をきちんと認識しているからです。
「死亡保険金」「解約返戻金」「予定利率」「責任準備金」これらの意味をきちんと認識しているからです。
変額保険であれば、上記に加え「特別勘定の意味」「変動保険金の意味」をきちんと認識しているからです。
この差はとても大きいです。

著者は、変額保険という死亡保障の商品を特別勘定で運用する仕組みのところから「投資信託」と混同し、間違った認識のもと、投資信託よりも高額な手数料を目当てに販売しています。
保険商品販売により手数料を得ることは全く問題ありません。
問題なのは、明らかにお客様にとって不利益な商品をすすめて手数料を得ることです。

当コラムをお読みいただいている皆様

毎日、多くの方がこのコラムをお読み下さっています。
この問題に気づかれた積立投資として変額を契約させられた方、
この問題を勉強されている保険募集人の方、
皆さんが声をあげない限り、被害者と被害額は大きくなるばかりです。

皆様が一生懸命働いて得た大切なお金です。
法律はそれを守っています。
保険会社、金融庁、メディア、弁護士に対して働きかけを起こし、契約者の皆様の損害額を請求していきましょう。
それが法律です。

最後に

販売者側がお金を儲けるために
お客様側にウソをつくのはいけません
販売者側がお金を儲けるために
お客様側を騙すのはいけません

今回、この著書を取り上げたのはふたつの大きな理由からです。それは、
『とんでもなく間違った情報発信』

『同業他社(者)への失礼極まりない誹謗中傷』
です。
このふたつで、このシリーズを書くことにしました。
多くのお客様や同業者が気づかない、知らない情報満載のはずです。
世の中の情報がいかにデタラメなものかわかった方も多いと思います。

著者は行政処分を受けた会社の代表です。
著書は行政処分を受けた後に発行されています。
そこには反省もモラルの欠片もありませんでした。

こういう見方もできます。
著者の今回の変額本出版は、契約者に解約されないようにするために、苦情を言われないようにするために、自己防衛を図ったのかもしれません。
残念ながら逆効果です。
今回の本は、契約者らに訴えられた場合に「証拠」を残すことになりました。
間違った知識による販売をしていることの。

これが保険代理店が行っているマネースクールの実態です。
もうこれ以上、各種法令違反「保険業法、金融商品取引法、金融商品販売法、消費者契約法」になるかもしれない販売行為はしないでほしいです。
お客様はもちろん、業界の信用のためにも。

当シリーズもひとまず今回で終了したいと思います。
当シリーズに長らくお付き合いいただきましてありがとうございます。^^

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