「恥ずかしいぐらいの無知」か、「騙している」かのどっちかだ

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マネーセミナーで積立投資商品が変額保険なのは手数料のため

マネーセミナー参加者(ほとんど独身女性の皆様)がすすめられる積立投資商品が変額保険(終身・有期)なのは販売業者がたくさん手数料を得るためです。
販売一年目の年間手数料がどのくらいになるかですが、たとえば、30年、毎月1万円の積み立ての場合、投資信託ではセミナー業者に入る販売手数料は約1,800円、変額保険では3万円以上と手数料収入に大きな違いがあります。(大雑把です)
皆さんもこの手数料の差を見ていただくと、変額をすすめる理由がそのためだと思われるでしょう。
まず間違いありません。
マネーセミナー業者がセミナー開催のためにどれだけの費用等をかけているのか想像すればわかるでしょう。

参加者無料のセミナーで「豪華なセミナー会場」「ケーキ付」「広告」、これらに費用をかけています。
どうなるかはわかるでしょう。


私は保険代理店が保険販売による手数料を得るのを全く否定していません。
ただし、明らかにお客様をある意味騙すようなことで手数料を得る行為は否定します。
(金融庁が同じ姿勢ですので、文句はないでしょう)
自分がされたら嫌だからです。
また、将来業界自体が信用されなくなったり、このような業者らのために規制の連続になってきているからです。

特上牛肉食べに行って特上牛肉料金で豚肉だったら?
まぐろの大トロを食べに行ってトロの料金でただの赤身だったら?
住宅購入して欠陥住宅だったら?
それと同じようなものだといえば、わかりますか?

マネーセミナー経由の変額保険加入は誤認のオンパレード

これはいけない!
変額保険での積立投資を正当化する保険代理店の特別勘定の”運用実績”についての説明がです。
変額保険は”一般勘定”ではなく”特別勘定”で運用されています。
その特別勘定の”運用実績”について、さらに契約者を”誤認”させてしまっているようです。
変額保険での積立投資運用がうまくいっているかどうかを確認するのは、特別勘定の”運用実績”ではなく「変動保険金」と「解約返戻金」です。
そしてその「解約返戻金」が「保険料累計」に対して何%の利回りになっているかです。

完全にごまかされています!
これはヒドイですね。

マネーセミナー経由の変額保険への勧誘時点で”誤認”させているというのは過去にも書いてきていますが、契約後の説明も”誤認”させている可能性がありそうです。

気にするべきは特別勘定の”運用実績”ではなく”解約返戻金”

変額終身保険、変額有期保険で積立投資をしている(と思っている)皆さんは、自分が何を見ていかないといけないのか理解されているでしょうか。
皆さんに積立投資として変額終身保険や変額有期保険をすすめた保険代理店は、保険会社の特別勘定の運用実績を見せて
「どうです?すごいでしょう?このポートフォリオは順調です」
とか言っていませんか?
実際、私もそのようなものを見聞したことがあります。
これはとんでもなく”誤認””困惑”を与えることだと思います。

なぜなら、
特別勘定の運用実績が10%であろうが、20%であろうが、皆さんの解約返戻金が保険料累計を上回っていないものは元本割れ、投資としてはマイナス運用
だからです。

なんと、この当たり前のことに気づいても目をそらされている方が結構いらっしゃることに正直驚いてしまいます。
保険や投資の世界は数字ではっきりしているのですが、担当者を信用したいという気持ちや自分の過ちを認めたくないという気持ちが働いているのでしょう。
残念ですが、これは投資の世界ではよくあるいつもの光景です。
このような投資家を業者側は『カモ』と言っています。
この世界、そんなに甘い世界ではありません。
あなたが長い時間かけて貯めてきたお金、日々懸命に働いて稼ぎそれを消費にまわさずに将来にまわしたお金、そのような大切なお金をいとも簡単に失いたいですか?
けっきょく投資家だけが泣きを見るという光景です。
こういう時にきちんとした行動を起こさないと、将来取り返しのつかない「詐欺」などに合いやすくなりますよ。

積立投資として、この変額保険(終身・有期)に契約をされている方で、運用実績により増加する「変動保険金」と「解約返戻金」は別だということを理解されていない方はとても多いです。
これは変額を積立投資だと思っている契約者は最低限知らないといけません。(売り手側がわかっていない可能性もあるから始末におえません)
”保障”のために契約しているのではなく、”積立投資”として契約しているのに、運用実績によって結果が決まってくる「変動保険金」「解約返戻金」についてきちんと理解していないのは問題です。

契約・・・2001年某月 変額終身保険 月払 約30年払込
2014年現在までの特別勘定運用実績:約6%

上記の内容、どう思われますか?
13年間、約6%です
積立投資として非常に好成績だと思われますか?

答えは「NO!!」です。
上記の内容、現在の解約返戻金(いま現金化した場合のお金)は保険料累計(積立投資した額)を下回っています。
つまり元本割れです。運用実績6%でです。
なぜだかわかります?
理解できます?

ただ、変動保険金はプラスになっています。
変動保険金と解約返戻金は違うということです。
この商品、商品自体としては何も問題ありません。もともと”保障”の商品ですから、変動保険金がプラスは正解です。
問題なのは、あなたの”目的”が保障のためか?資産形成のためか?なのです
上記の内容、13年間積立投資”なら”運用実績6%で現在の資産は投資額の1.5倍になっていないといけません。それが”元本割れ”です。信じられますか?
この元本割れしている状況をみて、積立投資の商品と言えるでしょうか?
普通は「言えません」と言うでしょう。(真剣に「言える」って方いますか?)

それを言わずに、この特別勘定の運用実績を「すごいでしょう!」って自慢げに言っている保険代理店がいるみたいです。
同じく特別勘定のポートフォリオについてもです。
あの~、こういうことを当該保険会社の社員が言うのはわかりますが、代理店が言うのは何か恥ずかしいですよ。
この「すごいでしょう!」に対して、私が彼らに言いたい言葉があります。

「恥ずかしいぐらい無知ですか!?」
それとも
「騙しているのですか?」

おそらく前者のほうではないかと思います。(後者だったら最悪です)
皆さんはこのような説明を受けましたか?
変額保険は、月払で契約するほうが一時払よりもドル・コスト平均法になるから投資としてはいいという話をです。(いいわけないです)
これは、”投資信託”と”投資信託等を使って運用していく変額保険(終身・有期)”との商品の違いを分かっていない典型的な無知レベルな考えです。
それも相当に低い。

あなたも教えてもらったのではないでしょうか?
「特別勘定の運用実績は〇%です!すごいでしょう!」

実際に解約返戻金を確認しましたか?
あなたの解約返戻金はふえていますか?
保険料累計を上回っていますか?

これがふえていなければ意味がありません。

重要なのは、
”あなたの解約返戻金が保険料累計を上回っているのか”
”それが年平均何%の利回りになっているのか”
です。

あなたがとるべき行動

積立投資として変額保険を契約されているあなたがとるべき行動は、『”保険”の見直し』になります。
当ブログを読まれて不安に思われている方も多いでしょう。
積立投資としての変額保険問題についての記事、当ブログほど書いているものはないかもしれません。
変額保険や外貨建保険商品は、”特定保険契約商品”です。
これは「金融商品取引法」「金融商品販売法」「消費者契約法」に大きく関わってくる問題です。

マネーセミナーに参加して、
*複利運用
*分散投資
*ドル・コスト平均法
を教えられ、そのための商品が変額終身保険や変額有期保険だとして契約させられた方は、「いまの解約返戻金をチェックすること」です。
あなたがすすめられ契約された変額終身や変額有期について、特別勘定の運用実績を「すごいでしょう」と示されたにも関わらず、解約返戻金が保険料累計を下回るという元本割れをしていたらすぐに行動を起こしましょう。
いや、起こすべきです。
それがリスク投資をする人の普通の行動です。
自己責任とはそういうことです。

まずは、保険会社のカスタマーセンターへの電話です。
商品の詳細を聞くのです。
私の言っていることとあなたの担当者の言っていること、どちらが正しいかを確認するのです。
あなたの担当者に聞いても無駄です。
「恥ずかしいぐらい無知」か「騙している」からです。

繰り返します。
変額保険での積立投資運用がうまくいっているかどうかを確認するのは、特別勘定の”運用実績”ではなく「変動保険金」と「解約返戻金」です。
そしてその「解約返戻金」が「保険料累計」に対して何%の利回りになっているかです。

完全にごまかされています!
ヒドイですね。

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