マネー文化の違いに気づかない金融業界とメディア

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投信、乗り換え販売増

日経新聞(2014年7月5日)より

金融庁は4日、金融検査の年次報告書を正式発表した。重点検証した投資信託の販売体制では、手数料稼ぎを優先した乗り換え販売が多いことが分かった。投信は乗り換えるたびに手数料を支払うため、運用効率が悪化して顧客の資産は元本割れしやすくなる。金融庁は銀行に販売体制の見直しを促す。
金融庁によると、銀行の投信販売は伸びているものの、預かり資産は13年度末で22兆円と09年度から横ばいが続く。同じ顧客が何度も投信を乗り換えたためだ。投信の平均保有期間は短期化しており、13年度末で2年と09年度に比べて1年近く短くなった。


私はセミナーで投資信託について、次のようなことを言っています。
「日本の投信の保有者は金額ベースで7割を60歳以上の高齢者が保有しています。いま、高齢者で投信を保有している方々は間違いなくお金に困っておらず、その目的はある意味”道楽”と言ってもいいくらいです。日本の証券業界は、この層をターゲットに商品開発をしています。高齢者が”長期投資”を考えているわけではないでしょうから当然保有期間は”短期”になります。証券業界はお金を持っている、そして投信を実際に買ってくれる高齢者をターゲットにするので、どんどん新しい商品を開発していくことになります。
結果、保有期間は短期化しますし、商品も約5千本という粗製乱造されています。
良くも悪くも高齢者の取引の影響を受けるのが日本の投資信託の現状です。」

金融庁の試算では03年~13年度にかけて2年ごとに売れ筋投信に乗り換えた場合、投資した元本は3%減ったという。販売手数料として元本の11%を支払っており、運用で得た利益(13%)の大半を失った格好だ。


こういうのを見ていると、手前味噌ではありますが「私自身」や「私の大切なお客様」の投資信託(DCではない)の実績は素晴らしいのでないかと思ってしまいます。(^^)
巷のFPたちが専門家気取りで良く言っている”リバランス”という名の事実上の「乗り換え」なんてのも必要とせずに、大きく資産をふやしています
いつも言っていますが、最も良い方で投資額の2倍以上になっています。

この結果は、
日本人が資産形成するためにすべきものの”順番”を理解し、それを守って、自分の(我が家の)守るべき資産構築がしっかりとできているからではないかと思っています。
なにより、私や弊社を「担当者」として信頼していただいていることも結果につながっていると思っています。
「私」も「私の大切なお客様」も投資をすることを目的としていません。
資産形成・資産運用をして”我が家の資産を構築”することが目的です。

銀行で「投信」や「保険」を買っている皆さんは知らないといけません。
彼ら彼女ら銀行員は、「投信」「保険」を売りたいのではありません。
売らされているのです。
ハッキリ言ってノルマ営業です。
商品の知識も何もあったものではありません。
皆さんの顔や預金残高が「成績(手数料)」にしか見えていないことでしょう。

皆さんも自分が銀行員(サラリーマン)だったとして考えてみてください。
上から言われたら売るでしょう?
どうしようもない商品でも。

”定期預金から外貨建保険へ”
”定期預金から投資信託へ”
どれだけのお客様の汗水たらして働いて貯めた資産が減少したのでしょう。
仕事人生の集大成だった退職金が溶けてしまったのでしょう。

日本という国は”住宅関連資金”がリスク性資産!!

”貯蓄から投資へ”という標語がご尤もなように投資をすすめる側から叫ばれています。
そもそも彼らは何をすれば”投資”ということをしているというのでしょうか。
「株」ですか?「投資信託」ですか?「変額保険」ですか?

日本においては、「土地」「住宅」をリスク資産として考えないといけません。

日本は島国です。
国土が狭いです。
そして経済大国です。
日本は戦後、国策で”持ち家制度”が奨励されてきました。
その結果、現在は多くの土地や戸建住宅はいまの高齢者に押さえられてしまった感覚ではないでしょうか。
皆さんのお住まいの地域、周りを見渡せばわかりますよね。

現在はどうでしょうか。
いまでも分譲マンション購入希望者が後を堪えないですよね。
これからの都市の住宅と言えば、横ではなく上へ行くしか、つまりマンションしかないです。
それでも「家が欲しい」。
これが”文化”です。
日本人(だけではありませんが)は、夢のマイホームを欲しがります。欲しがらせます。

その実現のために住宅ローンという金融商品があります。
日本人は、”リコースローン”で住宅ローンを組んでいます。
つまり、住宅ローンで自己破産する可能性がある社会だということです。
日本人は、一般的に住宅ローンの返済順位が高くなり、様々なものをあきらめないといけなくなることがあります。
アメリカのように”ノンリコースローン”であれば、いくらでも投資性商品に投資できるでしょう。
これが、アメリカと日本とのマネー文化の違いです。

「住宅ローンのリスクの仕組みの変更」と国策で「良質な賃貸住宅が提供される」ようになれば、大きく変化していくことと思います。
そうでなければ、現在のままだと思います。

日本においては、住宅関連資金(賃貸であろうと)が人生を賭けて行っていく「投資」なのです。
こういうことがわかっていない金融業界とメディアにそそのかされ、騙されないようにしてほしいと思います。

投資をさせることが目的の売り手側

多くのFPや売り手側は、「投資先進国アメリカを見倣って投資をしていきましょう」と言って投資信託を推奨していますが、アメリカでは「投資信託」よりも「確定拠出年金」(保有比率は、投信の約4倍で株式と同程度)への投資がされています。
ちなみに「変額保険」なんてありません。

日本で投資をすすめる側の考えは矛盾しています。
アメリカを見倣えと言うのなら、「株」か「確定拠出年金」をすすめないといけないはずです。(アメリカでは株式と401Kの比率は同程度)
実際はどうでしょうか?
それら、特に「確定拠出年金」をすすめずに、「投資信託」「変額保険」をすすめています。
トンデモですね。矛盾ばかりです。
ただ、投資をすすめるFPたちはいつも「論理破綻」していますから驚きませんが。

彼らはこう言うのではないのでしょうか?
「文化が違います」W


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