マネーセミナー業者が積立投資で変額保険をすすめる理由

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このままでは保険業界、FP業界の信用が失墜のまま

私はとても多くの皆様の保険の見直しの現場を経験してきました。
見直し・・・つまり、現在加入されている商品の見直しです。
もちろん、未加入の方のまったく新規のご契約をお預かりさせていただくこともたくさんあります。

保険の見直しで一般的に行われてきたケース。
”定期付終身保険”を筆頭にした大手生保の『更新型保険』に加入されている皆様の保険の見直しです。
今回はこの更新型の商品の詳細は述べませんが、なぜ、この更新型が見直しされていくのか。
一言で表せば、
★保険会社のためにしかなっていない商品★
だからです。

そして、この契約過程でよく行われている”転換”というものについても
★保険会社、営業担当者のため★
になっているからです。

『更新型保険』『転換契約』の内容を知ったお客様から実際に私が聞いてきた言葉があります。

「騙された」
「ずっとやられてきたんですね」
「こんなこと聞いていなかった」
「信じてたのに・・・」


といった落胆の言葉ばかりです。
大変残念なことですが、生命保険の販売現場はこのようなことをお客様に言わせてしまうことが本当に多いです。
これと同じようなことが別のルートで行われていると思っています。

一般的に、生命保険の加入目的は「様々な保障のため」です。
生命保険販売側から見て、この保障というものに対して「死亡保障なんていらない」「独身だから」「女性だから」と言い、生命保険に加入されていない層があります。
そう、20~40代の独身女性の皆様です。

しかし、「生命保険はいらない」「死亡保障なんて必要ない」と言っている独身女性の皆様が生命保険に加入しているのを見かけます。
どのような商品かと言いますと、

”変額終身保険”
”変額有期保険”
”外貨建終身保険”


このような商品にです。
そうです。
きっかけは、巷で行われているマネーセミナーに参加されてです。
この女性の皆様をターゲットに生命保険を販売しているのがマネーセミナーです。

生命保険の販売が悪いのではありません。
明らかに誤認させるような販売方法ならびに不利益な商品販売で、お客様に上記のような言葉を言わせることになれば、業界に対する信用が失墜するということを言っているのです。

自分たちが得る”手数料”のために変額保険をすすめているといえる

私が面談をしてきたお客様は口を揃えておっしゃいます。
「死亡保障のためではありません。将来のために、積立投資です。」
と言っています。
これは私が
「あなたはなぜこの商品(変額保険)に入っているのですか?」
と尋ねたときのお客様の回答です。
完全に”誤認”させていると思います。

変額保険(終身・有期)と投資信託があったとして、”投資”で資産形成をするならどっちの商品を使っていったほうが良いのでしょうか?
もちろん投資信託です。これで変額だと言う人がいたら顔とプロフィールを見てみたいですね。

*毎月の積み立ては変額保険(終身・有期)でやりましょう。

*まとまったお金は投資信託でやりましょう。


これを常套句として使っている保険代理店があるようです。
マネーセミナーで多くの女性たちに変額保険を販売している保険代理店の非常に危険なセールストークです。
まるで、定期付終身保険を販売してきたセールスレディたちと同じです。
生命保険会社に入社し、セールスレディになると定期付終身の販売を指示されます。
徹底的に販売するための台本を覚え、ロープレをして。
そりゃそうです。
そのために入社したのですから。

マネーセミナーをしている保険代理店も同じですね。
変額を売れ!
です。
しかしこれは残念な光景です。保険代理店というのは、そのような”〇〇を売れ”という上から指示された販売が嫌な募集人、お客様の考えに合う商品をプランニングしていきたいという募集人が集まっていると思っていたからです。

なぜ、積み立てが変額保険で、まとまった資金が投信なのでしょう?
ここにデタラメぶりが表れています。
それは今から見ていただく次の【例】からわかります。

【 例 】30年、毎月1万円ずつ積立投資をしていくとしましょう。

①変額保険・・・1年後の資産(=解約返戻金)は、何%で運用しようが”ゼロ”です
②投資信託・・・1年後の資産(運用実績)は、1万円×12ヶ月-手数料=運用実績分です

変額ははじめから”負け”決定です。
積立投資でゼロになってしまうって、ありえないですね。

10年後はどうでしょうか。

①変額保険・・・運用実績3.5%で解約返戻金は元本割れ。3.5%の意味はなに?
②投資信託・・・10年後の資産は、1万円×12ヶ月×10年-手数料=3.5%の運用実績分です

10年して3.5%の運用実績で元本割れって、ありえないですよね。
一口に10年と言っても、10年って本当に長いですよ。
あなたの生活状況や仕事環境も変わっていることが予想されますし、あなたに変額をすすめた業者もいなくなっているかもしれません。

なぜ、業者は変額保険をすすめるのか?答えは簡単です。
間違いなく”手数料のためにやっている”からです。
*毎月の積み立ては変額保険(終身・有期)でやりましょう。
*まとまったお金は投資信託でやりましょう。
このようなことを言っている業者は間違いありません!!

手数料目的です。

お客様の資産をふやそうと思っていないことになります。
お客様の資産をふやそうと思っていたら、このような商品をマネーセミナーに参加された女性の方に販売することはまず考えられません。

保険屋でもなく株屋でもない。
ただのデタラメ屋です。

自分たちの手数料のために他人にリスクをとらせる業者

私は、この業界18年目です。
販売する側の立場に十分立てるだけの知識と経験があります。
その上で、手数料について話をします。
一般的に、投資信託の販売手数料は高い商品で、約3%(所属証券会社と折半になり、実質約1.5%)です。
変額保険はわかりません(期間等によって違いますので)が、約30~40%(もっともっとある場合もあり)とあると仮定しましょう。

毎月の積み立て「1万円」の契約で手数料がどう違ってくるか(大雑把でシミュレーション)

①変額保険の場合・・・1年目に入る手数料=1万円×12か月×30%=36,000円
②投資信託の場合・・・1年目に入る手数料=1万円×12か月×1.5%=1,800円

まとまった資金「500万円」の契約(同)

投資信託の場合・・・500万円×1.5%=75,000円

500万円を10回(50万円ずつ)や20回(25万円ずつ)に分けて投資をしましょうと言われるかもしれませんが、上記結果は同じ。
どう思われますか?
毎月の積み立てだと、変額保険をすすめる理由がわかりましたか?

一般的にリスク性商品の手数料は高いです。
この手の販売業者が、たとえば「定額の個人年金保険」を否定して「変額保険」をすすめるのは、「個人年金保険」の手数料が全然少ないからです。

変額を積極的にすすめる業者、特に、

毎月の積み立ては変額保険(終身・有期)でやりましょう。

まとまったお金は投資信託でやりましょう。


と言うような業者は、本当に論外です。

変額保険に投資として契約されている皆さんがしないといけないことは、
≪ 投資の見直しではなく、”保険”の見直し ≫
です。
知らぬ間に、生命保険に加入していたのです。

同時に、このような業者にはある程度の説明責任を要求したほうがいいです。
なぜ変額だったのか?
何のための積立投資の説明だったのか。

・複利効果
・分散投資
・ドル・コスト平均法


*この説明はいったいなんだったのか?
*解約返戻金が保険料累計を上回らない変額保険が複利運用なのか?
*なぜ長期的に元本割れするのか?そのような商品をすすめるのか?
*なぜ3.5%の運用実績と言いながら3.5%の結果になっていないのか?
*(その代理店の)マネーセミナーは死亡保険を販売するためのセミナーだったのか?

他人に投資をすすめる側の使命

リスク性商品に投資をしていくお金というのは、それが一時金であれ、積み立てであれ、その人が一生懸命働いて得た大切なお金です。
食費にも洋服にもかけていないお金です。
他人にリスクをとらせることを仕事とするならば、まず投資家に実績をださせることが使命でしょう。
そうすることにより、投資家の投資額は「100万円」が「200万円」になり「500万円」になり「1千万円」になっていくのです。
それが仕事です。
それができないのなら、やめなはれ!

はじめから”負け決定”の商品に投資をさせるなんて、モラルがないにもほどがあります。
騙すな!!

投資をする側は何のためのリスク投資か確認しよう

「騙された」
「ずっとやられてきたんですね」
「こんなこと聞いていなかった」
「信じてたのに・・・」


将来、こう言いたくないですよね。
気づいたら”即行動”です。
そう、見直しです。

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