詐欺の定義って何でしょうか?
他人を欺罔(ぎもう:人をあざむき、だますこと)して錯誤に陥れること。詐欺による意思表示は、その意思の形成過程に瑕疵があるため取り消し得るものとされる(民法第96条)。
ただし、詐欺による意思表示を取り消したとしても、その効果を善意の第三者に対抗することはできない(民法96条3項)。これは、注意をすれば錯誤を回避することは必ずしも不可能とはいえないことと、善意の第三者を保護することで取引の円滑性を確保する必要があることによるものである。同様に強迫により形成された意思表示が取り消しうるものとされているが、その効果が善意の第三者に対抗できることと対比される。
とあります。
※善意の第三者とは、事情を知らない者ということです。
人を騙すことが「詐欺」になります。
マネーセミナーが詐欺にあたるのか?
つまり、人を騙していると言えるのか?
っていうことですね。
投資をすすめるマネーセミナーの主催者は保険募集代理店
さて、昨今積立投資をすすめるマネーセミナーが盛んです。
そのようなセミナーに参加された方がすすめられる商品の多くは「変額保険」という商品です。
変額終身保険、変額有期保険は、保険会社が商品開発をして販売している「保険商品」です。
こういった保険商品を販売することができる人を「保険募集人」といいます。
そして「保険募集人」が保険会社以外に所属している場合、その所属先のことを「募集代理店」といいます。
すべての「募集代理店」は、保険を販売することで手数料を得ていきます。
それを否定するものでも、それが否定されるものでもありません。
セミナー主催者のほとんどが、「FPという資格を持った保険募集代理店」だということはご存知でしょうか。
当ブログをお読みいただいています皆様は、それら保険募集代理店が行うマネーセミナーのほとんどが、某生命保険会社(数社)が用意したセミナーコンテンツを使用し、保険会社がつくった台本を丸暗記して話しているものだということを既にご承知のことと思います。
セミナータイトルによくあるのが「初心者向」です。
「初心者向」とうたったマネーセミナー主催者(=保険代理店)もまた「投資関連については初心者に近い」のではないかと思います。
事実、それを裏付けることが山ほどあります。
論理破綻している金融リテラシー
マネーセミナー主催者は「多くの日本人は金融リテラシー不足だ」と言って、一般の方々に投資や金融の基礎知識を伝えるセミナーをしています。
正直「金融リテラシー」が不足しているのは、そのようなことを言っている本人たちではないかと思います。
なぜなら、そのセミナーコンテンツ内容のほとんどは”保険会社がつくった内容”でそれをそのまま正しいと思い込んで話しているからです。「金融リテラシー」だけでなく、それが本当に正しいかどうかを検証する能力も欠けているのではないかと思います。
たとえば、前回のブログ『論理的思考能力欠如のマネーセミナー』でも述べましたが、セミナーのメインテーマと言ってもいい「積立複利運用効果」(数学の話)が「資産分散」「地域分散」「ドル・コスト平均法(時間分散)」によってできると言っていることについて、この話が実は全く矛盾していることに気づいていないということです。
呆れてしまいます。
もう恥ずかしいぐらいです。
複利運用いうのは「利息」にも「利息」をつけて運用されていく仕組みです。
そうであれば、確実に「利息」が発生しないといけないことになります。
投資の世界で、確実に利息が発生すると言えるのでしょうか。(これは断定的判断になる)
そして、その「積立複利運用」が「ドル・コスト平均法」を使って実現させるための商品が「変額終身保険」「変額有期保険」だと言うのです。
ここで「カ~~~ン」(終了のゴング)ですね。
月払契約の変額保険で積立複利運用になるというデタラメ
マネーセミナーにおいて複利の説明は、
このように語られています。
これは某生命保険会社が教えてくれたセミナー台本そのままです。
変額保険で複利ってできているのでしょうか?
「変額終身保険」「変額有期保険」の設計書を見るとわかります。
1年目の解約返戻金っていくらでしょうか?
加入されている方はご自身の設計書や保険証券をご確認ください。
「ゼロ」か「あってもわずか」ではないでしょうか?
これでどうやって「複利」運用となるのでしょうか?
複利運用の説明をして「複利はお金がふえる」と思わせ、ドル・コスト平均法を使えば「複利運用ができる」と思わせ、変額終身保険や変額有期保険が「それを実現させる商品」だと思わせて勧誘する行為は正しいと言えるのでしょうか。
変額保険は「特定保険契約商品」の分野となり、金融商品取引法の規制が適用されます。
いつも言っていますが、変額終身保険も変額有期保険も”保障の商品”です。
解約返戻金はゼロないしは保険料累計額を大きく割ってからのスタートになり、長期間元本割れ(保険料累計>解約返戻金)状態となります。(保険設計書上あるかなり高い%でも)
元本が割れた状態で複利になるのでしょうか?複利と言っていいのでしょうか?
教えてほしいですね。
┐( ̄ヘ ̄)┌
無知ならまだましです。
でも、もしそうでなければ・・・
これって、一歩も二歩も間違えば【詐欺に近い話】になるのではないかと思います!!
私は、マネーセミナー経由で行われている変額保険の販売方法は、金融商品取引法・金融商品販売法・消費者契約法違反になる可能性が極めて高いと思っています。
本当にデタラメだからです。
もうひどいものです。
何度も繰り返しますが、変額保険は”保障のための商品”です。
複利運用を説明するFPやマネーセミナーの保険代理店は、本当に複利のことをわかっているのでしょうか?
はっきり言って疑わしいです。
複利は「利益を再投資する」ということです。そして、複利はマイナス複利もあるということです。
長期間元本割れ(保険料累計>解約返戻金)で複利効果というのはありえません。
複利うんぬんよりも、そもそもの保険商品の予定利率や責任準備金の意味を理解していない可能性があります。
まさに「金融リテラシー不足」です。
無知ならまだましです。
しかし、そうでないなら・・・・・・・
ただただ自分たちの手数料のためにやっているのなら(やっているんですけどね)、大変なことになるでしょう。
個人年金や終身保険を否定して変額をすすめる理由
マネーセミナー主催者である保険募集代理店が、
「利率が低いから」
「インフレに対応しているから」
「リスクをとってリターンを得ていきましょう」
などと言って、定額の貯蓄性保険を否定し、上記のようなリスク性商品である変額保険をすすめているのはなぜでしょうか?
主催者は、本当にお客様の資産を増やしたいと思っているのでしょうか?
残念ながら違います。
リスク性商品の積立で資産を増やそうと思っているのなら、まずは「確定拠出年金」をすすめるのが普通だからです。
と同時に、なんでもかんでも「投資」というのが一番だということにはならないからです。
なにより、変額保険ではその目的に合わないからです。
ではなぜ他人に対して投資をすすめるのでしょうか。
それは、販売手数料が高いからです。
一般的に、リスク性商品は手数料が高いです。
こういうことです。
募集代理店や保険募集人は、保険を販売することで「手数料」を得ていきます。
冒頭申し上げていますが、それを否定するつもりはまったくありません。
明らかに間違った商品でリスクをとらせ、その目的が、自分たちがたくさん手数料を得るためだとすると話は別です。
他人に対して、”リスクをとれ”というのは、その言葉の裏には必ず意図があります。
騙していると言ってもいいのではないか
変額終身保険、変額有期保険で月払(年払)契約をされている方は設計書をご覧ください。
3年後、5年後、10年後、15年後の解約返戻金は、本当に保険料累計額に対して記載されている「%」で複利運用されていますか?
高い%の解約返戻金は「元本割れ」(保険料累計>解約返戻金)していませんか?
「おかしい」と思ったら、担当者に確認したほうがいいですよ。
あなたが働いて得た大切なお金です。
それを得るために、毎朝早くから毎夜遅くまで頑張って働いていませんか?
そのお金がデタラメなものに使われていたらどうですか?
私なら許せません。取り戻します。
質問例をあげますね。
「高い%なのに元本割れはなぜ?」
「変額保険は本当に複利運用なの?」
「セミナーで説明された複利シミュレーションになる商品がこれなの?」
「変額有期保険で満期近くで元本割れしたらどうするの?」
「あなたやあなたの会社は積立投資としてこれをやっているの?」
ICレコーダーを持参するなり、紙ベースで記録しておくなりして、担当者の言い分を残しておいてください。
そして、保険会社のカスタマーに内容を確認されてみてください。
【この話のキーワードになってくるのは】
誤認
断定的判断
机上論者が机上論で保険や投資のことを語ると火傷します。
机上論者を信用したプランニングをしていくと後悔する確率が高くなるでしょう。
人を騙すことが「詐欺」になります。
マネーセミナーが詐欺にあたるのか?
つまり、人を騙していると言えるのか?
あなたはどう思いますか?