「FPマネーセミナー」=「変額保険販売セミナー」

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保険代理店のマネーセミナーはデタラメか!?変額保険は”保障”の商品

なんだこれ?

何が「72の法則」?
何が「複利運用」?
何が「ドル・コスト平均法」?
何が「インフレ」?
何が「年金不安」?
何が「貯蓄性の保険はだめ」?


【変額保険販売セミナー】
これが巷のFPとして保険代理店が行っているマネーセミナーの実態です。
セミナー主催者は、変額保険(終身・有期)を販売したいのなら、きちんと”保障”として販売したほうがいいですよ。
変額保険は、特定保険契約商品(特別勘定商品)です。
将来、保険業法・金融商品取引法・消費者契約法の問題が発生する可能性がありますから。
こういう保険代理店と委託契約を結んでいる生命保険会社は、その販売手法をチェックしておかないと将来危ないと思います。

保険会社(契約課)はわかっているはずです。
特定の保険代理店が、特定の商品のみ【変額保険(金融商品取引法で特定保険契約に該当する商品)ばかり】、特定の顧客層のみ【契約者は女性ばかり】、これが契約者のニーズと合っている販売をしているのかどうか、きちんと確認するべきでしょう。
誰かに言われてからしかできないのでしょうか。
サラリーマンの限界か?
人生を賭けて仕事をしているフルコミ営業マンには仕事に対する情熱性も危機感も勝てないか?

また、保険会社所属の営業マンは、マネーセミナーをしている保険代理店が変額保険をどのように販売しているのかを気にしていた方がいいと思います。
とんだトバッチリを食うことになるかもしれません。

消費者契約法・金融商品取引法違反にあたらないか!?

私たち保険募集人はいつも研修しています。
その研修の内容の中には、事業者の不適切な行為により誤認や困惑をして結んだ契約を取り消すことができるという消費者契約法(契約を取り消すことができる法律)の勉強もあります。
不適切な行為としては下記の5つ。

・契約上重要な不実告知(嘘の説明)
・断定的判断(将来どうなるか分からないことについて、断定した説明をする)
・故意の不告知(不利な内容をわざと説明しない)
・不退去(帰ってほしいといっても帰ってくれない)
・監禁(帰りたいといっても帰らせてくれない)


同時に、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)ではこのようなものがあります。

・優良誤認
「実際のものよりもこの商品は素晴らしいと一般消費者に示す表示や内容について他よりも事実に相違して示す表示」
・有利誤認
「こっちよりもこっちが有利ですよ」


このような部分に抵触する可能性があるのではないでしょうか。
保険業法はもちろんです。
恐ろしすぎます。
将来、私たちの仕事への信頼がなくなってしまうかもしれません。
本当に心配しています。

牛肉だと思っていたら豚肉だった!許せますか?

耐震偽装問題
食品偽装問題
ゴーストライター問題
等々・・・
これって、もともとはなぜ信用されていて、どういうきっかけで問題が発覚したのでしょう?
「積立複利」「ドル・コスト平均法」でリスク性商品を使っての資産形成の話をし、そのリスク性商品は”はじめからその説明通りにならないことがわかっている”変額保険(終身・有期)を販売している保険代理店
これは〇〇と同じレベルです。

こういうことと同じではないでしょうか。
上等の牛すき焼きを食べさせてくれる有名店があるということでそのお店に行きました。
そこは、食べる前に牛肉についてのウンチクを語ってくれました。
いざ食べました。
お客様の中には「何かおかしいな?」と思う人もいました。
専門家がその店に行き食べたところ、牛すき焼きだと思っていたそれは「豚すき焼き」でした。
すき焼きのたれと野菜や卵は同じでしたが、ベースの肉が全く違っていたのです。
もちろん、料金は牛の料金です。

あなたは、もしもこのようなお店があったら、このような行為をされたら怒りませんか?

「お金に働いてもらおう」が変額保険になるなんて

私は、マネーセミナー参加者がそのセミナー主催者からセミナーで説明した結果を目指すためにはと変額保険をすすめられて契約というのは、上記の「肉」のお店の例と同じではないかと思います。
私が実際に聞くお客様(ほぼ独身女性)の声は、「私は死亡保障のために契約をしたのではない」「お金をふやすためということで契約をした」と言っています。
もちろん、私がすべてのお客様と面談できるわけではありません。全体からいえば、少人数の方のヒアリングです。
だから、保険会社が調査をしないといけません。
以前、損保会社も火災保険契約の「構造」や「補償金額」の確認を全件行いました。

マネーセミナー主催者は、”皆さん、お金に働いてもらいましょう!”と言って、「預貯金や定額の貯蓄性保険の否定」「複利投資の効果」「ドル・コスト平均法」「将来の公的年金への不安を煽る」等々の説明をし、それらを実現するための商品として変額保険(終身・有期)をすすめて契約を”させている”のです。
この商品を契約させた時点で「積立複利」「ドル・コスト」等で説明された投資結果には、はじめからならないことになります。
そう「20年、30年、5%で複利運用すればお金はこんなにふえます!」といった説明にはならないということです。

なぜなら、その説明通りの結果を目指すためには、実際にかかっていく様々な手数料や税金のことを考慮する必要があり、 そうなると「確定拠出年金」が最も近い商品(業者は複利と実際の商品のシミュレーションの差を見せるべき)であり、「変額保険(終身・有期)」は最も遠い商品(業者は複利と実際の商品のシミュレーションの差を見せるべき)となってしまうからです。
これがわかっていない業者なら論外ですし、業者がそれ(変額は確定拠出年金や投資信託よりもお金をふやしたいという投資家にとって不利になるということ)をわかっていたならその時点でアウトでしょう。

それとも生命保険会社は、変額保険(終身・有期)は保障の商品ではなく、「複利運用」「分散投資」「ドル・コスト平均法」によりリスクをとって老後資金をつくっていく”積立の投資商品”だと言うのでしょうか?
いいえ、保険会社は「保障の商品」だとハッキリ言っています。(言いなおしているところもあり?)

マネーセミナーがきっかけで変額保険(終身・有期)に契約している女性の皆様

マネーセミナーの主なターゲットは”独身女性”です。
老後の資金作りのために変額保険に契約をしたのなら、第三者に依頼して見直しをする必要があると思います。

加入している保険会社(保険代理店ではなく)に連絡をして、商品の仕組みと変額の利率の意味をきちんと説明してもらってください。
間違いなく”衝撃”を受けると思います。

契約の取り消しは可能か?元本欠損の損失は?

販売業者にとっては厳しい対応の場合、

金融商品販売法の「断定的判断の提供」の禁止行為により元本欠損額(解約返戻金と保険料累計の差額)の賠償責任を負う可能性があります

消費者契約法は、契約自体を取り消せるとあります。


これはとてつもなく大きな問題になる話です。
「リスクがあるのは当然わかっていたが、正式に説明された予定利率の数字の意味が教えられていた意味と全然違っていた」
「死亡保障のために保険料の一部が使われていて、もともとの資金運用の目的と違っていた」
「この商品では、3%、5%の積立複利運用の説明結果には到底ならないものだとわかった」
等々・・・

誤認や適合性の原則に関わる重要な問題になります。
まずは、保険会社のカスタマーに経緯の電話を入れることを検討するのも必要でしょう。
マネーセミナーに参加した経緯と参加から契約にまで至った経緯、その商品を契約しようと思ったあなたのもともとの目的、業者があなたに言ったその商品の仕組み等々です。
保険会社が動かなかったり、納得がいかなければ、消費者ホットライン(消費者庁)です。

消費者庁によると、高齢者の消費者トラブルとしては「ファンド型投資商品」についての相談が多くなっているということです。
これは高齢者の持っているまとまった「一時金」によるものが考えられます。
損失が大きくはっきりとわかるからです。
独身女性がされます「積立投資」は少額からになりますので、気づくのが遅れるというのもあるでしょうし、わかりにくい、少額だからまあいいかと諦め(?)ているのではないでしょうか。

お金を”ふやす”ための目的が、”へらす”ためになってはいないか、今一度確認しましょう。

変額保険の仕組みをわかっていない保険募集人はたくさんいます。
”初心者向け”を強調してマネーセミナーをする主催者もまた初心者レベルの可能性があります
皆さんの業界でもそのようなことってありませんか?
保険商品は、保険のプロフェッショナルに相談をしましょう。

運用実績は金額で見ましょう

変額保険には運用実績の表示があります。(日々、webで確認できます)
「+2%」「+5%」「+10%」
この運用実績をもって、うまくいっていると思うのは間違いです。
変額保険には、予定利率と責任準備金の関係があります。
まずは変額保険の”予定利率の意味”を確認してください。

重要なのは、あなたが支払ってきた「保険料累計」と「解約返戻金」の現在の状況です。

これがプラスかマイナスかです?


そこから現在の”利回り”を計算するのです。
計算方法がわからない場合は、それを担当者に確認してください。
(どうしようもないレベルの担当者は利回りの計算の仕方も知りません)

マネーセミナーでの変額保険は生保レディの定期付終身の販売手法と似ている

”マネーセミナーに参加したら、変額保険の契約者に”
将来の老後資金を心配してFPのマネーセミナーに参加された一般女性に対して、これはないでしょう。

私は思い出します。
この業界に入った18年前です。
生命保険業界の保険商品の販売では、大手生保レディによる「定期付終身、10年更新型」が主流でした。
私たちは、それが保障の考え方として、お客様にとって合理的ではないと、右肩下がりの保障(逓減型)への啓蒙をしていきました。
当時、大手生保側からすごい反発が起こりました。
いまでは大手生保も「右肩下がり」が合理的だとTVCMでも言っている始末です。

マネーセミナーに参加した多くの独身女性に変額保険(終身・有期)を販売する手法は、この定期付終身の販売とある意味同じではないかと思います。
よくあるトークはこれです。
「インフレに対応している、だから」
「医療保険なんていらない、そのかわりに」
「定額の貯蓄性の保険なんてダメ、そのかわりに」
そう、”商品ありき”なんですね。お客様の考え方や家族構成などお構いなしです。

お客様「変額保険は何のためにあるのですか?」

変額保険(終身・有期)商品を取り扱っている保険会社は、独身女性に”積立投資として契約してもらうため”に、この商品を販売しているのでしょうか。
変額保険の予定利率が定額商品の予定利率と同じであれば、”積立投資として”の意味も伝わってきます
(この言葉の意味を理解できない保険募集人は話になりません)
なぜ、予定利率が大きく違うのでしょうか。
そこに答えがあります。

お客様にも尋ねられます。
「じゃあ、この変額終身(有期)保険はどういうために存在している商品なのですか?」

「保障のためです。この商品のあなたの目的が”死亡保障”なら何の問題もありません。変額保険の予定利率が他の商品よりも高い理由は・・・・・・・・・・・・」

保険商品の予定利率の意味をわかっていない保険募集人もたくさんいるでしょう。
マネーセミナーにつきものの複利運用話で「毎年複利」と「平均複利」の違いを全然知らない、わかっていないFPが大勢いるのと同じです。

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