米国、株の収益率は思いのほか低い?

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『人はお金だけでは動かない』(ノルベルト・ヘーリング/オラフ・シュトルベック著、NTT出版)
という書籍の金融市場をテーマにした章に、経済学のイリア・ディーチェフ大学教授が米国の金融市場について研究された部分があり、そこを引用しシェアします。

「株の収益率は思いのほか低い」

アメリカの投資家は、過去数十年にわたり、おもな株価指数の上昇が示す含み益の平均で半分しか利益をあげていない。

この結果は簡潔に説明できる。株をもっている人の利益を決めるのは、その銘柄の株価成績だけではないのだ。それ以外に、株を売買した時期と数量という重要な要素がある。

これを説明するには、数字を使った例がいちばんわかりやすい。2005年初めに、あなたがある銘柄を1株10ドルで100株購入したとしよう。1年後、株価は20ドルになっていた。ちょうどものごとが順調にいっていたので、あなたはもう100株買いたすことにする。さらに1年後、株価は10ドルにもどっていた。

その銘柄の2005年から2007年における仮説上の収益はゼロだ。ところが、あなたのポートフォリオでは、1000ドルの赤字ポジションになる。3000ドルで買った株が、いまでは2000ドルの価値しかないからだ。原因は、株価が下落しようとするときに、株価が上昇しようとするときの2倍の投資をしたことにある。

ある銘柄の株価成績は、投資家個人にとってその銘柄の実際の収益性と同義ではない。ディーチェフによると、「通常の長期保有(バイ・アンド・ホールド)の利益は銘柄の利益実績を反映するが、投資家の利益実績は、投資家が資金を移動するタイミングにも左右される」。

ここは、とても重要であり知っておくべきところです。
投資の成績というものは、

いつからいつまで

で決まるということです。
投資データというものは、永遠に続いていきます。何世代にもわたって。

普通にわかると思います。
受験や就職でも同じです。
青田買い、就職氷河期などというのは、間違いなく「運」がありますよね。
自分が「いつ」、その時期になったのか。

いま投資している人たちは、たとえば
・ヤフーが分割・分割していった時期を経験したこともない
・ソニー・ショックを経験したこともない
・小泉劇場で銀行株がすごいことになったことも知らない
・リーマン・ショックも経験したこともない
このような人たちも多いでしょう。

いい時期しか知らない人たち。
そう、自分がマーケットにいる時期が結果的に

いつからいつまで

なのか、それが重要です。

謙虚に取り組んでいきましょう。

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