投資は、感覚マヒを起こさせる世界
ドル・コスト平均法は、それを継続していくことで、様々な変化を感じだしていく投資方法です。
ドル・コスト平均法により投資されていく毎月の金額は(一般的に)小さいです。
「投資額10万円が、20%下落すると8万円になります」
毎月1回の積み立て、100回の積み立てを完了するには8年かかります。
2万円/月で100回積み立てると「200万円」です。
「投資額200万円が、20%下落すると160万円になります」
毎月1回の積み立て、300回の積み立てを完了するには25年かかります。
2万円/月で300回積み立てすると「600万円」です。
「投資額600万円が、20%下落すると480万円になります」
同じ20%の下落でも投資されている金額の大きさにより、当然動く金額に違いがあるのはご承知の通りかと思います。
投資している金額の違い・・・
あなたが投資されているお金は、将来の”消費のため”のものではないでしょうか?
そうであれば、その大きさ(金額の価値)を理解しておかないといけません。
投資をしているとありがちなのが、”数字のゲーム”をしている感覚になってしまうことです。
所謂”感覚マヒ”というものです。
感覚マヒの症状は、投資で負けている人(=含み損を抱えている人)に顕著に表れます。
あと、投資中毒者(とにかくリスクマネーにしておかないと落ち着かないという人)もそうでしょう。
考えてみましょう。
仮に、含み損になっている状態のお金が50万円あるとします。
その50万円。
”今のあなた”が一生懸命働いて得ようとすると、何日かかりますか?(可処分所得として)
今あなたが投資されているお金が数百万円~数千万円あるとします。
それを得るために何年働きましたか?(人生何年分の貯蓄額ですか?)
投資資金にまわすために、消費できたであろう多くのものを我慢しなかったですか?
投資の世界は、
そのような普通の、
それでいて常識的な感覚をなくしてしまう人たちがいます。
(誕生させてしまうといったほうがいいかもしれませんね)
次、
また20%の上昇をすればもとにもどるから平気です!
なんて思っている人も多いようですが、それは違いますから。
誰も教えないドル・コスト平均法はリスク逓増型投資方法だという事実
テレビ番組の『VS嵐』はご存知でしょうか?
その中にでてくる「ローリング・コインタワー」というゲームはご存知でしょうか?
そのゲームをイメージしてみましょう。
仮にコインを2万円とします。
そのコインをどんどん上に積み上げていく(タワーマンションみたいな感じ?)と、やがてグラグラしてくると思います。
そのグラグラの”揺れ”や”揺れから崩れてしまった状態”、
それが「ブレ」です。
リスクを「金額のブレ」だと仮定すると、
積立回数が増えていくことにより、投資総額は毎月MAXとなり、毎月リスクが増大していくことになるということがわかると思います。
つまり
(逓増というのは、だんだんとリスクが大きくなっていくという意味です)
理論的に、若いころはリスクは低く、年を重ねていけばいくほどリスクが高くなっていくということです。
次のようなことがよく言われています。
年いったら債券比率を高めに
とかなんとか。
投資金額がしょぼいうちは株式比率を高めに
投資金額がしょぼくなくなってきたら債券比率を高めに
となります。
なぜ若いうちは株式比率を高めにするのでしょうか?
投資残高が少なく、マイナスになった場合の金額のブレが小さいからです。
なぜ年いったら債券比率を高めにするのでしょうか?
投資残高が多くなり、マイナスになった場合の金額のブレが大きくなるからです。
これって、そもそも毎月リスク性商品を買い続けていく積立投資の仕組みは、若いうちはリスクなんてそれほどなく、年をとればとるほどリスクが増していくという投資方法だということにほかなりません。
ただし、若いうちはそれほどリスクはないといっても、若いうちに失敗してしまうと、大きな損や挽回するためにたくさんのリスクを抱えてしまうことも想定されます。
そのようなことを考えていくと、ドル・コスト平均法は
だと理解できるのではないでしょうか。
と同時に
ドル・コスト平均法は
だとも理解できるのではないでしょうか。
当記事の最後として、もう一度
投資初心者向けに良いことばかりが伝えられているドル・コスト平均法は、単なる投資方法のひとつであり、その本質はリスク逓増型投資法です。
このようなことは誰も教えてはくれません。
確定拠出年金ではじめて投資の世界に入って来た方は、全体像を知ってはじめてください。
マヒする前に♪