住宅展示場にいるFPとは保険募集人
住宅購入を検討されているお客様は、大げさでもなんでもなく、まさに人生を賭けた買い物を検討していることになります。
ライフプラン表・キャッシュフロー表作成は、住宅購入の際には是非行ってほしいシミュレーションです。
このシミュレーションは、私たちFPが行う業務のひとつであります。
しかし、きちんとできるFPもいれば見よう見まねでしかできないFPもいます。
(どこの世界でも同じではないでしょうか)
さて、住宅展示場で行われているこのサービスをご存知でしょうか?
住宅展示場でこのシミュレーションサービスを行っているのは、ファイナンシャル・プランナーという資格を持っている人たちが行っていますが、彼らは生命保険の募集人たちであるケースが結構多いです。
そうだとすれば、所属しているのはどこかの保険会社もしくは保険代理店であり、メイン業務は生命保険募集です。
通常、そのシミュレーションをすることで収益は発生しません。
(住宅展示場メーカーからもらっている場合もある”かも”しれません)
彼らが住宅展示場で、収益が発生しないシミュレーションサービスを行っている目的は次のようなことが考えられます。
(こういうこともあるのではないでしょうか?)住宅販売業者側のために、住宅購入ができるシミュレーション結果をだし、そのように説明する。
自分の仕事(メイン業務)のために、生命保険を販売する見込み客にする。
です。
何度も言っていますが、それ自体は悪いことではありませんし、まったく否定するものではありません。
しかし・・・
住宅展示場にいるFP資格保有の保険募集人たちの目的は
否定しなければならないケースも多々見てきています。
それは、人生の三大資金となる「住宅資金」をシミュレーションするにあたり、購入検討者が人生を賭けた買い物を平気で購入できるかのようなイメージを持たせてしまうことと、それにつけこんで高額でかつ目的に合っていない生命保険を販売している行為です。(もちろんシミュレーションサービスを行っている保険募集人全員がそうではありません・・・多分)
今回は、後者についてです。
実はここのところ、関東・関西その他の地域のお客様から同じようなご相談をお受けしています。それは、
変額保険(けっこうな高額保険料)を提案されたんですが、大丈夫でしょうか?
変額保険(けっこうな高額保険料)を販売されたんですが、大丈夫でしょうか?
その人たちに変額保険は「教育資金」や「老後資金」のためになると言われたんですが、大丈夫でしょうか?
というものです。
「開いた口がふさがらない」とは、よくいったものです。
全国的にこのようなことが行われている現実には驚愕します。
共通するのは、
驚愕するべきところは、この話にでてくる商品が定期保険や収入保障保険ではなく、変額保険だというところです。
(弊社が積立投資としての変額販売に注意喚起しているということもあると思いますが)
何度かお伝えしてきておりますが、変額保険は定額保険よりも手数料が良いです。
保険会社としては、解約返戻金に責任を持たなくても良い保険商品ですので、手数料率を高く設定できます。
それにしてもマネーセミナーだけではなく、こういうところでも「変額保険」(何度も言いますが、高額な保険料設定)を「積立投資として」すすめているということです。
私が見てきたプランニングのケースは、
①60歳や65歳払込で月払契約
②10年や15年払込で月払契約や前納契約
で、保険金がかなり高額、結果、保険料もかなり高額です。
この手のセールストークは決まって
7%運用で返戻金が増加していきます!
というものです。
生命保険について「インフレ」ということを強調している保険募集人には、以下のような逆質問をしてみましょう。
*そこまで考えるだけの保障額の設定ですか?
*インフレ分を定期保険で設計してみるとどうなりますか?
*毎月の給料、毎月の保険料はインフレに対応しないのでしょうか?
*そもそもの住宅ローンはインフレでどうなるんですか?
*他の生命保険契約はどうなるんですか?
*インフレにならない想定ってされないんですか?
*投資で失敗する想定ってないんですか?
納得いく回答が得られない場合は、信用しないほうがいいでしょう。
慎重になってかまいません。むしろ慎重になるべきです
繰り返します。
住宅展示場にいるFP資格保有者だという保険募集人たちの目的は、
①人生を賭けて購入する住宅を「買える」と思わせる
②同時に、高額な生命保険も「買える」と思わせる
です。
お金を貸す金融機関も
住宅販売会社も
ライフプラン・シミュレーションサービスをするFP資格保有者も
あなたに住宅を
「ローンを組んで買ってもらう」
ことが目的になっています。
そういうスタンスでシミュレーションをしてもらいましょう。
同時にお伝えします。
多くの保険募集人の「質」は落ちていると言わざるをえません。
「質」というのは次の2つです。
①保険商品、設計に対する知識
②保険募集人、FP資格保有者としてのモラル
住宅は「人生の三大資金のひとつ」であり、多くの人にとって「もっとも高額な買い物」となります。
もっともっと慎重になっていいと思います。