毎月分配型投信の分配金を再投資をして口数複利に
毎月分配型投信は、日本で販売されている投資信託の中でインデックスと並んで純資産残高が多いものがたくさんあります。
多くは高齢者の方々が年金的な感覚でされていると思います。販売者側もそのようなトークで販売していますから。
分配型投信の特徴は、当コラムをお読みいただいている皆様にはいまさら書く必要もないと思いますので割愛しますが、その分配型投信について、若い世代の方々に向けても分配型をすすめているという話です。
先日、お客様に下記のご相談をうけました。
その投信の販売手数料は3.24%、信託報酬は1.3%ほどでした。
この件、以前にも同じ相談を受けたことがありました。
ある金融商品仲介業者兼保険代理店がよく言っているのは知っていましたので、「そこかな?」と思いましたが、案の定でした。
なんとマネーセミナーで不特定多数に堂々と説明しているとのことで、お客様がそこで受けたセミナー資料を持って来られていましたので、その口数複利のシミュレーションを記載しているページを見ました。
驚愕のシミュレーションでした。
私の記憶ではこうです。
何パターンかエクセルでシミュレーションをしており、『100万円投資が10年後にどうなるか』というものでした。
最も良いパターン・・・基準価額と分配金も増加 → 10年後に約500万円
最も悪いパターン・・・基準価額と分配金も減少 → 10年後に約200万円
私の率直な感想。
これが不特定多数を対象としたセミナー資料としてお客様に配布されているのなら、
「投資詐欺と同じではないか!?」
また、
「証券会社にコンプラチェックをうけているのか!?」
です。
皆さん、最も悪いパターンで100万円が10年後に200万円になるということは「72の法則」で7.2%でまわるということです。
それなら、
「自分でカネ借りてやれ!」
「公的年金に教えてやれ!」
「生保会社に教えてやれ!」
「お付き合いしている証券会社に教えてやれ!」
「広告出して個人を集客して話すのではなく、大手事業会社に自ら売り込めばいい!」
です。
そう思われませんか?
莫大な広告費用を出して個人客(初心者向)を集客して、悪くても7.2%でまわるという説明なら、お金のある企業(特に金融機関)に投資話を持ち込んだ方が早いでしょう。
企業なら、お金を借りてでも投資してくれますよ。
それが「おかしくない話」なら。
7%ってすごい話です。
誰もが耳を傾けますよ。
特に「金融機関」が。
ウソでないのならそうするべきでしょう。
そうしていないというのは「荒唐無稽」だということであり、セミナーに参加する投資初心者をカモにしようとしているのではないでしょうか。
「詐欺話」と投資をすすめるマネーセミナーの違いはどこか
この時代に平気で7%で運用できるとか言うファイナンシャルプランナーって何なのでしょうか?
宗教家でしょうか?
あやしすぎます。
同時に、100万円が50万円にも70万円にもなってしまうシミュレーションをしておくべきなのに全くしていない。
このような業者はコンプラ違反ではないでしょうか。
というよりも、典型的な詐欺話ではないでしょうか。
明らかに誤認勧誘といえるでしょう。
人は、よく詐欺にあるような「上手い話」に飛びついてしまい、本質を語ってくれる話に耳を傾けないことがあります。(洗脳ビジネスはおそろしい)
このマインドコントロールを解くのはきちんとしたシミュレーションしかないのかもしれません。
私も「この口数複利のドルコスト話」はおかしいと思っていましたが、きちんとシミュレーションしていませんでしたので、これからシミュレーション作成をして論破していきたいと思います。
普通に言っても初心者のお客様には通じないことがあります。
②分配分の口数が増えても基準価額が下がると、資産がふえるとはいえない
③分配金は出続けると限らない
④そもそも分配金利回りを高く設定していることに無理がある
⑤基準価額が下がり続ける投信が償還される可能性を考えていない
⑥何より投資話でうまい話しかしない業者は詐欺師の可能性がある
これらを言っても「バラ色の未来」を連想された方はマインドコントロール状態に入ってしまっています。
これだけでも巷の投資をすすめるマネーセミナーは危険ですね。
同時に、これを検証した後に明らかにおかしいとなれば、そこが提案に使っている某証券会社の担当者(私もお付き合いしている証券会社)に確認してみようと思います。
”このやり方は誤認勧誘にならないのか”
を。
この業者の説明は完全に誤認勧誘だと、業者が所属している某証券会社の担当者が指摘し、指導するとのことでした。
マネーセミナー業者に金融庁検査をするべき
私の実感ですが、マネーセミナー業者は本当に危なすぎます。
*変額終身保険、変額有期保険のデタラメな販売
*口数複利と言って分配金投信の販売
これは社会問題化する話です。
メディアは取材を!
金融庁は早く動くべきです。
おそろしい・・・
ちなみに、ご相談者が提案をされていた某分配型投信ですが、昨年8月時点で分配金余力月数は18か月になっており、今年になって分配金は減らされていました。
このような業者との会話は必ず録音しておきましょう。