FP資格保有者やちょっと自分で投資をかじっている人たちが声をあげています。
保険は掛け捨てにし、自分で運用したほうがはるかにいい
といったものです。
私は20年以上、何千世帯という家計と接してきました。
その経験から言えます。
ということです。
一方で、
と言っている人たちに限って、さほどの貯蓄をしてきていない(できていない)と思っています。
自己奉仕バイアスが強く、発想的にナルシストな面がありますね。
保険はインフレに対応できない?
保険で貯蓄してはいけない論の代表的なものに
という声があります。
これは正しい面もありますが、正確ではありません。
このようなケースで語られるインフレの前提として、私はまもともなインフレ論というのは「賃金上昇を伴う」ものとしています。
需給のインフレは調整されます。
為替のインフレも一方向にはいきません。
まともなインフレは、「賃金上昇を伴う」ものです。
そのような仮説を前提とせずに、机上の空論ばかりが横行しています。
それでは、保険はインフレに対応できないということについてですが、
ではなく、
その後のフォローをしていないだけです。
皆さんが思っているインフレは、たとえば「年が明けたら急にインフレになってました」というものでしょうか?
それはないですよね。いくらなんでも。^^
じわじわとその変化を感じていくことになるでしょう。
その分、負担が軽くなった分、積み立て(保険料負担)をふやせばいいだけです。
それで帳尻は合います。
人それぞれ、生きている時代(や年齢)、その時代(や年齢)に捻出できる力は違います。
たとえば、
新入社員(22,23歳)の頃の1万円と40歳の頃の1万円とでは違うでしょう。
それと同じです。
住宅ローンが3%の頃の1万円と1%の頃の1万円はどうですか?
定期預金金利が2%の頃の1万円と0%の1万円はどうですか?
パソコンが20万円以上した頃の1万円と5万円で同レベルのPCがある頃の1万円はどうですか?
そのように、物事は縦横斜めから見ていきましょう。
自分で運用したほうがいい?
どれだけ自分に自信があるのでしょうか?
いったいいくらを積み立てできるのでしょうか?
保険を引き合いにだすレベルであれば、「月額1~3万円」程度ではないでしょうか。
一般的に公的年金の不安が煽られているのはなぜでしょうか?それは
「いつ」「いくら」が確定していない
という部分が不安だからではないでしょうか。
そこに信用・信頼がないから不安なんです。
つまりは、”契約”で守られているという保証がないから不安なんです。
では、自分でやらないといけないことは何でしょうか?
よく自分年金とか言われていますね。
簡単です。
を確定させたものをつくっておくことです。
まずはそこです。
そのようなことを言うFPは日本にはほとんどいません。(私は見たことがありません)
すぐ、やれ「投資信託で積立投資を」とか「確定拠出年金で資産形成を」と口を合わせます。
FPが投資の話をしていくのは、それを語る自分がかっこいい(ナルシスト)し、投資は自己責任論で責任も問われないから都合がいいんです。(前提のすべてが机上の空論です)
しかし、それは当然不確実なものです。
公的年金不安と同じ行為をしていくことになります。(いつ・いくらが確定していない)
あなた個人の運用(毎月1~3万円程度)成果が、公的年金よりも上になるなどとは思わないほうがいいでしょう。
なんといっても公的年金(基礎年金部分)には税金が半分入っており、一生受給できるのですから。
ただ、机上の空論レベルで投資を語っている人たちを見ていると、不安に不安を重ねているだけというのにも気づいてはいないのでしょうね。
保険で貯蓄は間違いなのでしょうか?
さて、
「保険で貯蓄は間違いだ!」
本当に言い切れるのでしょうか?
実生活に例えて考えてみますと(私の感覚ですが)、
保険は、「サラリーマン」「公務員」といった感じです。
投資は、「自営業」といった感じです。
サラリーマン(特に大企業・上場企業に勤めている人たち)や公務員が、声高に「投資!」「投資!」というのは、見方によっては滑稽です。
サラリーマン(特に大企業・上場企業に勤めている人たち)や公務員は、安定生活をしている、のぞんでいる人たちの代表です。
給料面も高い、それはイコール公的年金の受給額も多いことが想定されます。
誤解を恐れずに言いますと、通勤(勤務先に行き)さえすれば給料が入ってきます。まさに安定ですよね。
(その有難さをわかっているのかな?)
自営業を経験していないと、この意味の本質がわからないでしょう。
自営業者に「自営業はいいよ!やったらやった分稼げるから!」って言われたらどうでしょうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
まず、できないでしょう。やらないでしょう。やれないでしょう。
「投資!」「投資!」と言うのなら自営業者になって自分自身が投資対象になればいいと思います。
ベースでは安定生活を好み、一方で夢を追いたいのはわかります。
しかし、それは他人も同じです。
皆、今と将来を一生懸命考えています。
皆が皆、
一流大学や一流企業には行けません。
日本は、中小零細企業に勤めている人が大多数です。
皆が皆、
投資でうまくいくことももちろんありません。
投資をしている人たちは、それが一番かのような発想になります。
まるで趣味になってしまっていますね。
保険で貯蓄は間違いだ?
私から言わせれば、安定生活信仰者が安定した商品を否定するなんて、って感じです。
または
投資をさせたいポジションの人がポジション・トークを炸裂させているだけ、って感じです。
世の中、机上の空論が多すぎです。
そして、人それぞれの人生や生活があるのを知らない人たちが多すぎです。