机上の空論で成り立っている投資の世界
『リスク』
よく投資の世界では「ブレ」と説明されています。
このブレは、上(プラス)にも下(マイナス)にもあると説明されています。
上にも下にも。
何を基準に?
ブレ(リスク)というのは、期待リターンからの「±」のブレ幅のことになります。
私は常々感じていることがあります。実際のリスク説明において、下にブレる可能性を説明している業者はいるのでしょうか?
とうのも、投資をされているお客様にこのあたりの認識がかなり乏しいと感じるからです。
このような説明を私は見たことも聞いたこともありません。反対に
という説明はよく聞きますし、見かけます。
いつも言うように、投資をすればあたかもバラ色の未来がやってくるかのような話だけがされています。
結果的に、お客様はリスク許容度(額)について考えておられないことになります。
リスクがブレだというのなら、販売業者がお客様に対してそのブレをきちんとイメージさせなければ本当にただの「机上の空論」になってしまいます。
販売業者が机上の空論のお勉強の知識だけを声高に言っているにすぎません。(現実は机上の空論ばかりです)
まったく呆れます。
ただ、そもそも「リスク/標準偏差」についての知識を持っていない販売者側が多いのは否定できないところです。
積立投資で毎年複利のシミュレーションなんて・・・
下図をご覧ください。(クリックで拡大できます)
これは、ブレというのではなく、「毎月5万円、30年積立投資、毎年プラス5%と毎年マイナス5%の複利運用結果」をグラフ化したものです。(手数料考慮せず)
青のライン・・・毎年マイナス5%の複利運用結果
緑のライン・・・毎年プラス5%の複利運用結果
このような「青のライン」の説明”も”する業者がいるのでしょうか?
いたとして、日本に何人いるのでしょうか?
毎月5万円×12ヶ月×30年=1,800万円
毎年プラス5%複利運用・・・約4,200万円→日経新聞をはじめマネー雑誌や書籍、巷のマネーセミナーもこればっかり。
この説明は「利率が固定された預貯金」のイメージで、「価格が変動する商品」で使うのは明らかにミスリードです。
その影響で、実際に皆さんがイメージする積立投資は緑のラインでしょう。
これが洗脳というものです。
これが日本の投資に対する情報のレベルです。
毎年マイナス5%複利運用・・・約900万円→このようなシミュレーションは見たことないでしょう。
販売業者は説明したくもないでしょう。
お客様が簡単に積立投資をはじめてくれなくなるから。
しかし、本気で投資の必要性を認識し投資をすすめるのなら、また「毎年5%複利運用」などという荒唐無稽なシミュレーションを示すのなら、「毎年マイナス5%複利運用」という荒唐無稽なシミュレーションも提示するべきでしょう。
それが結果的に自己責任原則を認識し、将来を考える日本人投資家が育つことになると思います。
このような、投資をする側(お客様)にとって”ため”になる情報を発信する仕事をしている販売業者を私はいまだかつて見たことがありません。
(だから私がやっているんです。微力ながら。)
つまり、投資に関する説明のほとんどは机上論だということです。
リスクといっても、それがリターンからのブレ幅のことだといっても、そのブレを投資家側にイメージをさせない。
販売業者が行っているそれぞれの説明は法に違反していないのかもしれませんし、正しいのかもしれませんが(机上論なのでテキストトーク)、それらの説明をつなぎあわせると明らかに”矛盾”だらけになっています。(それに気づかない状態または気づかれないようにしている状態)
言っていることとやっていることが違う。
事実、そこを指摘されると誤魔化すようなことをします。(某証券会社のコンプラ部)
お客様が投資をするお金は、お客様が日々働いて得たもの
投資は不確実なものです。
それゆえ投資に関する説明は机上論なんです。
不確実なものの説明は、どこまでしても机上論にしかなりません。
だからこそ!
机上論であっても投資家の判断の参考になる情報や様々なシミュレーションは、投資家からフィーをもらっている販売業者は行わないといけないでしょう。
業者にとって都合の良いシミュレーションや説明ばかりでは、単なる洗脳だと言われても仕方ないでしょう。
┐( ̄ヘ ̄)┌
販売業者はお客様(主に初心者)に対して投資をさせようといろいろと心地よい話をしてきます。
心地よい話を一生懸命暗記をしているでしょうから、きっと良い大学の出身者ばかりなのではないでしょうか?
販売業者にとっては、リターンとリスクの話もけっきょくは試験勉強みたいなものなんでしょう。
彼らにとっては、ただただ必死に暗記することが重要であり、実際にシミュレーションすることや本質は関係ないのではないかと思います。
( ´艸`)
ただ、お客様側(投資家)にとっては試験勉強ではありません。
日々、一生懸命働いて得たお金を使います。
”本質”が大切です。
投資(お金をふやそうとする話)にうまい話なんてありません。
リスク、手数料を十分理解し、「運」と「偶然」と「市場」を味方につけていきましょう。