投資信託、リバランスは必要か?

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IFAやFPの投資アドバイスを信用してはいけない

証券外務員のコンプラ研修に行ってきました。
そのときに

日本の投資信託のリバランス(※)って本当にお客様のためになることなのか。というより、正しくないのではないか

ということを思いました。
これは以前から感じていたことではありますが、この論理は圧倒的に売り手側のためではないかと思います。
「いまある投信を売って、また新たに買わせる」=「販売手数料かせぎ」
そうです、おかわり営業です。

(※)リバランス
 相場環境の変動で変化した投資配分比率を調整することです。

例えば、株50%、債券50%で運用してきたものが、株価上昇により株70%、債券30%となったため、一部の株を売却し、債券を買い足すなどのやり方。

人間にも長所・短所があり、長所伸展法ということが大切だと聞くこともあるでしょう。
スポーツの世界でもそうですよね。
良いところをどんどん伸ばしていくやり方です。
投資の世界もある面では同じではないでしょうか。
いつもお伝えしていますが、投資は机上論(教科書に書いていること)ではいけません。

投資について、お客様へのアドバイスをするにあたり、次のようなことは大切だと思います。
①利益確定のアドバイスをする。
②損切りのアドバイスをする。
③”次のチャンスを待つ”というアドバイスをする。
このような視点がないアドバイスが多すぎるのではないでしょうか。
いつも”買え””買え””買え”です。

そもそも、なぜ配分をもともとの比率に合わせないといけないのでしょうか。
伸びているところ(ファンド、地域、資産)はそのまま伸ばしておけばいいです。
それはそのタイミング(伸びる瞬間、伸びる時期)だからです。

伸びすぎてるから売る?
それじゃあ税金がかかります。
税金かかってもいいらしいですが、よくFPやIFAとかが口をそろえて言う「複利効果」が弱くなっていきますよね。
彼ら彼女らは、「利益確定」という考えではなく「新たに買わせる」ことしか頭にありません。
新たに販売手数料もかかるでしょう。

FPやIFAの言い分として、伸びていないところに資金をまわす?
伸びないところに資金を突っ込んでも伸びるわけがありません。
伸びないところの資金は引き上げないといけないのではないでしょうか?
例えば、伸びていないところ(地域、資産)の商品を別の同じ種類(地域、資産)の商品に変更したからといってうまくいく保証がどこにあるのでしょう。
いや、保証されているものがありますね。
そう。保証されているのは、”販売手数料”という売り手側にとっての成績だけです。

本当にそうしないといけないのなら、ニューマネーを比率が下がっているところに入れさせれば良いことになります。
そうしない、できないから「売って買わせる」(?)、ちょっとおかしいのではないでしょうか。
比率が問題なのでしょうか?
金額が問題なのでしょうか?
ただの”数字のゲーム”みたいな発想ですね。

普通に考えましょう。
下落しているような資産(伸びていないということは成績が悪い、下落しているが想定されます)に新たにニューマネーを突っ込んで、買えば含み損を推奨するようなやり方が良いのでしょうか?
損切りで撤退ならまだわかりますよね。

利益確定でも損切りでもない「この資産が上昇により増加したので売りましょう。その資金を使って、減少しているこの資産を買い足しましょう」

という行為は、リスク資産を取り扱っている担当者としては正しくないと言えるでしょう。
税金がかかる、担当者がいる投信はアクティブの可能性が大(販売手数料がかかる)。

特に、リーマン・ショックのときにリバランスをすすめたなんてのは、”愚”だったと思います。
100年に一度と言われた世界同時金融ショックです。
ある意味、ジタバタしてもどうにもなるわけありません。

リバランスをすすめてきた担当者に対して、一生懸命にやってくれていると思うお客様もいるとは思いますが、もともと投資信託をすすめられたときに、周期的にどんな資産配分をしてもマイナスになる年もあると教えられませんでしたか?
FPやIFAなどの売り手側は、たとえばセミナーとかで話した内容と全然違う行動をしているのではないでしょうか。
実際はジタバタしすぎているのではないでしょうか。(手数料を稼ぐためにです)
証券マンやFPやIFAがどんなに偉そうなことを言ったって、運用しているのは彼らではありません。
彼らは、「これにしたらうまくいくかも・・・」って感じで、商品を当てにいっているだけです。

世界の巨額マネーが行うリバランス(これが教科書)と日本人の投資信託が同じ動き(教科書的な動き)をさせることが必ずしも良いことではありません。
決定的なことがあります。
日本の投資信託の保有期間は2~3年です。
これはどうです?
明らかに教科書とは違います。^^;

そもそも”長期”と言いながら、リバランス効果ってどれほどのものを想定しているのでしょうか?
重要なのは、リバランスしたあとの株や為替の動きがどうなるかです。
どうなるのかわかっているのでしょうか?

これが証券業界に関わる人たちの現在までの仕事の成果です。
金融の仕事に携わる人たちは、多くの人の暮らし、家庭のことや家族構成、思い等々を知ることです。
基本は、生身の現場、日本人の暮らしを知ることです。
金融の基礎知識を勉強するだけではダメです。
なにより、手数料を稼ぐことに軸足を置いたアドバイスではまったくダメです。

最後に繰り返しますが、 証券マンやFP、IFAは実際に運用をしていません!!
彼ら彼女らのアドバイスは話半分、いえ、話1/4程度が望ましいでしょう。

確定拠出年金制度でのリバランスについて

確定拠出年金は「税金」「手数料」が原則かかりません。
その中でのリバランス作業は、リターンの低下を妨げる要因とはなりません。
ただし、一般論としてのリバランスよりも「利益確定~チャンスを待つ」という投資戦略として使うことをおすすめいたします。



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