悪質なマネーセミナー経由の変額販売、契約の取り消しへ
以前、ご相談をお受けしたお客様より
外貨建変額終身保険(一時払)の契約取り消しができました!
というご連絡をいただきました。
半年ほどかかりましたが、金融ADRを使わずに解決できました。
良かったです。
今回、お客様の承諾を得て、簡単に概要ならびに経緯をお伝えいたします。
お客様も「被害者」が増えないことを、「被害者」が救済されることを願っておられます。
はじまりは「女性のための」という謳い文句のマネーセミナーから
事件の発端はマネーセミナーです。
お客様は、
将来の資産形成の勉強のためにセミナーへ参加
巷間、「女性のための」「初心者向け」といったタイトルでマネーセミナー・マネースクールが開催されています。
主催者の多くは、保険代理店か通販会社(通販会社が集客して、実際にセミナーをするのは保険代理店)です。
そして誘い文句は「無料」「ケーキ」「ホテル」「ターミナル直結のセミナー会場」。
保険代理店が行うセミナーは全国どこも同じようなものです。
セミナー内容は、とにかくワンパターンです。
お金に働いてもらいましょう!
ドル・コスト平均法で、そして長期投資で、これで資産はふえます!
という積立投資をすれば誰もがバラ色の未来を得られるという内容です。
セミナーの目的は、”夢”を見させることです。
ある意味、宗教チックです。
マネーセミナーは「集団催眠」の場で、個別相談は「囲い込み」の場です。(催眠商法)
セミナー参加者の悲劇は、セミナー後にある個別相談(囲い込み)に参加するところからはじまります。
セミナーの終着駅(主催者の最終目的)の8割方は「変額有期保険」(変額終身保険)の販売です。
今回も違わず、「変額有期保険」(A社)の販売でした。
しかし、それだけではなく「変額年金保険」(B社)も販売していました。
極めつけは、お客様が一生懸命に貯めてこられた預金のほぼ全額を「一時払の外貨建変額終身保険」(A社)に思いっきり入れ(入金)させていました。
つまり、すべて「変額保険」だったことになります。
定額の保険や他の商品(DCや投信)の提案など一切なかったとのこと。
これは、よく聞く話ですので、同じような経験をされた方も多いのではないでしょうか?
「何かおかしい???」と思われ、私に連絡
契約後に違和感を感じ、「おかしい???」と思いだしたそうです。
その違和感について担当者(保険募集人)に相談しに行っても、契約前と契約後ではまさに人が変わったような対応だったとのことです。(豹変)
担当の保険募集人は、一度もお客様の元に自分から出向くということはせず、常にお客様がその保険募集人のオフィスへ出向いていたとのことです。
「相談あるなら来い」というスタンス。
その担当者の対応のひどさは今回割愛しますが、契約者の契約後の違和感の相談に対しての対応としては、保険募集人としてはもちろん社会人としても「0点」どころか「マイナス」評価だと言えます。
一時が万事。
お客様は拭えぬ違和感を解消するために、ネット検索をし弊社HPの「当コラム」や「ブログ」に辿り着いたとのことでした。
お客様の行動力の良さは、弊社に「電話」をされたことだと思います。
日々メールでのお問い合わせも多いんですが、やはり電話のほうが状況もお気持ちもわかります。
その電話で、すぐに「ひどい」ケースだということがわかりました。
私へのご相談
お客様がセミナーで聞かれた内容は、当ブログで指摘している内容そのものだったとのことでした。
結論から言いますと、お客様が参加されたマネーセミナーは、全国各地で行われているそれと全く同じものでした。
セミナーの内容は某保険会社提供のセミナーコンテンツがベースです。
諸悪の根源は、これです。
②面談時にきちんと資料を用意されていました
③面談時、これまでに起こった出来事を何度も繰り返し伝えてくれました
④十分に時間をとって面談に臨んでくれました
⑤セミナーに参加した目的、そもそものご自分の考えをしっかりと私に伝えてくれました
⑥私を信用してくれました
悪質な保険募集人、セミナー資料を回収
お客様と契約をした保険募集人がとった行動が確信犯を決定づけるものでした。
ご面談時に、私が「セミナーの資料をお持ちですか?」と尋ねたところ驚くべき回答が返ってきました。
いかがでしょうか。
セミナーの資料をわざわざ取り上げたとのことです。
これは、(セミナー経由で変額を)契約をした方に後々「苦情」「賠償」等で訴えられたとしても大丈夫なように、事前に”誤認勧誘”の証拠を握りつぶすという行為をしたのでしょう。
なかなかの確信犯です。
しかし、そこのセミナー資料、偶然にも私は別ルートで入手していたのでした。(資料に特定のマークあり)
その資料は、やはり某保険会社が作成したセミナーコンテンツがベースで、他にもマネーセミナーを推奨している保険会社の最新コンテンツも混ぜ合わせていました。
つまり、オリジナル性が全くないものでした。
(この手のレベルは、容易に論破できます)