必死に変額終身保険を積立投資だとすすめるセールストーク
これは、保険代理店主催のマネーセミナーに参加されその後の個別相談でお客様(20代独身女性)が実際に言われたそうです。
「投資信託と変額終身保険をセットでやるのが”効果的”」だということです。
効果的?
いったいどんな効果があるというのでしょうか?
その保険代理店はセミナーで次のようなことを言っており、お客様は困惑していたそうです。
私がいつも言っていることですね。
”死亡保障はいらない”
と言っている多くは独身女性の皆さんに積立投資だといって変額終身保険をすすめているケースです。
しかも「投資信託と変額終身保険をセットでやるのが効果的」だという意味不明なことを言っているようですね。
この効果とやらが今回のお客様のケースで論理的に説明できなければ、”消費者契約法違反”(①不実告知②不利益事実の故意の不告知)に問えるのではないでしょうか。
もうめちゃくちゃです。
変額終身保険、30年払込終了の設定は長いと言うと、15年払込終了にして、とにかく必死に変額終身保険をすすめるということをしているようです。
下図をご覧ください。
*30歳女性、15年払込終了の変額終身保険の3.5%運用実績の損益率イメージです。
これを見ると、
3.5%運用実績では、保険料払込終了時点の15年後までは大きく元本割れ(解約返戻金-保険料累計)。
そのまま放置でも23年後(この間ずっと3.5%運用実績)まで元本割れが継続されます。
契約者はいったい何歳になっていますか?
最後確認しておきましょう。
これって、「毎年3.5%」の運用ができた場合の話です。
「だいたい」とか「平均」ではありません!!
「毎年」です。
これが積立投資???
図をよ~くご覧ください。
普通に見ればわかりますよね。
運用する前から”負け決定”です。
マイナス100%(掛け捨て)からはじまる投資ってありますか?
こう喩えましょう。
相手がスタートした1時間後にスタートするマラソンってありえますか?
それと同じです。
これは”保障”の商品だと、保険会社が証明してくれています。
商品的には何も問題ありません。
これを”積立投資”だとして多くは独身女性に契約をすすめている保険募集人はどうかしているのではないでしょうか?
こう言いたくなります。
そこまでして、カネを稼ぎたいか?
変額終身、上記の例であれば「10年払込終了」をすすめめることも必要だと思います。
それをすすめずに「15年払込終了」をすすめるのはまず間違いなく「手数料のため」(10年払よりも15年払のほうが手数料率は良い)でしょう。
やっていいことと悪いことがある。
しかも”ほど”というものがあります。
そして保険商品は、保障のために”責任準備金”を積まなければなりません。
保険料の払込期間が短期(たとえば10年)と長期(たとえば15年)では、払込終了後からの運用によって増加される解約返戻金に差が生じます。
積立投資として変額保険をすすめ、「だいたい3.5%運用」などと言っている保険募集人は、3.5%の解約返戻金の動きが払込終了期間(終身払除く)に左右されず、同額になっていることも知らないのでしょう。
そう、死亡保障額に対して積まなければならない責任準備金が保険には必要であり、そのための割引率が予定利率だということをです。
※悪質商法、悪徳業者、悪人がやっていることは論破できます。
正直、語っている知識も薄っぺらいし、多くのことについて検証もしておらず、荒唐無稽すぎることばかりだからです。
事実を知ったお客様は泣いています
*必死で働いたお金なのに
泣いています。
当然でしょう。
契約したとたんに元本割れを通り越して「掛け捨て(解約返戻金ゼロ)」になっているのですから。
20代の女性がどれだけの思いでその保険料を捻出していたことか。
食品偽装問題、欠陥住宅問題、うまい投資話等々は常にこのような「悲しみ」「悔しさ」を背負わせてしまいます。
これがお客様の感想です。
私はこれを恐れています。
一部の悪徳業者による悪行で、将来私たちの仕事が信頼されなくなってしまうことを。
もうすでにそうなっていっているのではないでしょうか。
金融庁、保険会社は早く動いてほしいですね。
それには、まずはお客様が動かないといけません。
投資ルールと保険ルールは違うことがわかっていない保険募集人
あなたは野球ルールでサッカーの試合を観ていますか?
あなたは柔道ルールで空手の試合を観ていますか?
あなたはラーメン屋にカレーを食べに行きますか?
保険の知識と投資の知識の両方をきちんと持っている保険募集人はそんなにいないのではないでしょうか?
いないでしょう。
いれば、現状のようなマネーセミナー(主催のほとんどが保険代理店)による「惨状」は回避されているでしょうから。
集団で”契約の取り消し”を訴えたい!
少しずつではありますが、「契約の取り消し」や「苦情」の声を上げてきているお客様が増えているようです。
お客様がおっしゃいました。
確かに、一人の力は小さいので集団で苦情を訴えていくと効果的だと思います。
「契約の取り消し」の件で、お客様に伺った中では某保険会社の対応は低レベルだと感じました。(一方で、某保険会社の対応は早かったようです)
保険代理店に対してコンプラ研修を行っている保険会社の社員が素早く対応できないようでは・・・。
ただ、わかっていないということです。
”本質を”
そして
”事の重大性を”