投資市場でカモにされないために

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個人投資家の8~9割は損をしていると言われています。

じゃあ、そんなに個人に損をさせているのに、なぜ証券会社は存続できているのか?
投資家には、「個人投資家」以外に「外国人投資家」「機関投資家」という大口がいます。
その大口が儲けさせてくれるからです。
もちろん、タダでは儲けさせてくれません。
大口が儲けさせてくれるのは、大口自身が儲けさせてもらっているからです。
どういうことか?

結果的に負けている個人投資家のマネーが吸い上げられいるということです。

現在、日本で販売されている投資信託の本数は「5千本」という数になっているということです。
「5千本」です。
まさに、粗製乱造の投信マーケット。

こういうことを想像したことがあるでしょうか?

”投信が新規設定されるときには、新規投信が巨額な資金を集めてイザ買い付けにいったときには当然その投信がテーマとしている(関連する)銘柄は上昇することになりますから、大口の機関投資家や外国人投資家はその買われるであろう銘柄をあらかじめ仕込んでおり(インサイダーとかではない)、売り抜けて儲けることができる。結果的に、新規投信に投資をする個人投資家は嵌め込まれる(初値天井とまでは言いませんが)ことになる。”

もちろん、これが事実だと言うつもりはありません。証拠としてデータを持っているわけではありませんので。
あくまでも私の想像によるものです。
と同時に、

”マネーセミナーで必死に毎月積立投資をすすめる販売業者(金融商品仲介業者兼保険代理店)のセミナーをする目的は、既存のお客様や自分自身が以前から投資してきている投信の基準価額が下がらないように多くのニューマネーを求めていると言える。”

これも事実だと言うつもりはありません。証拠はありませんので。
あくまで本来の目的は手数料だということは置いといてです。
ただ、普通に考えればわかることだと思います。私はいつも言っていますが、
「ドル・コスト平均法ならいつはじめてもいい」
などとデタラメなことを言っているところを見聞すると、そう言われても反論できないのでないでしょうか。
積立投資は「ドル・コスト平均法だからいつはじめてもいい」なんてことはありません。
プロであるなら言えません。
恥ずかしいです。まさにお里が知れます。
とにかく自分たちがすすめている投信の基準価額を下落させないためにも、既存のお客様の運用結果をださせるためにも、維持させていくためにもニューマネーが必要だということです。
(運用結果は運用業者がしていきますが、投信はニューマネーが入ってこないと運用が細っていきます)

長期の、しかも老後のことを考えてリスク性商品へ積立投資をしていくなら、株価が歴史上見て下がっているときからはじめるのがいいに決まっています。みすみすリスクにリスクをとった投資をしていくことなんて馬鹿げています。
これがわかっていない、わかろうと自ら検証、勉強をしないFPが多いのは残念すぎです。
どちらを向いて、誰のために、何のために仕事をしているのかがわかります。

現在、日本株はアベノミクスの影響で一昨年末から急騰していますし、欧米株も人類史上最高値水準を推移しています。
昨年のような日本株も欧米株も上昇し含み益がでてきた時期、さらには売却益の税制が最後の10%の年という時期にも関わらず、既存のお客様に利益確定をすすめるアドバイスすらせず、ただひたすら積立投資を継続させた(これはリーマン後にも積立投資を頑張って継続した人たちの平均買付単価を上げることになる愚かな行為)業者なんて信用できたものではありません。

マネーセミナーでよく見かける光景のひとつの「定額の貯蓄性保険商品」等を否定して、必死に投信や変額をすすめる金融商品仲介業者兼保険代理店の担当者の出身母体はほとんど証券会社のようです。つまり、手口や思考が同じです。
私は、ブログ等で「FPは宗教家でもなければ、マネーセミナーはネットワークビジネスではない」ということを言ってきています。
私が言うこのイメージがどういうことか、上記のことで想像できるのではないでしょうか。

今年からはじまった『NISA(少額投資非課税制度)』についても同様です。
NISAを「ひとつの投資信託」という商品としてイメージしてみてください。
株式と株式投信を対象にした「NISAという投資信託」が国策で”販売”されたということです。
NISAがはじまる昨年、株式や株式投信が買われるということがあらかじめ想像できることになります。
だから、平均株価は年末の証券税制終了で個人投資家が大きく売っていたにも関わらず、年末に向かって大幅上昇しました。
そして、年明けから暴落しましたよね。
売っている多くは「外国人投資家」です。
彼らの日本株の売買動向は、2014年3月までに2兆円の売り越しです。

NISAについて4月現在で言えることは、”個人投資家はやはり嵌め込まれた”です。
私はブログで何度も「NISAでカモになるな」と啓蒙してきていましたが、案の定でした。
こういう世界なのです。
これが投資の世界なのです。

いま、私たちの公的年金(GPIF)も株での運用を増やそうという動きになってきています。
これも同じでしょう。
”誰”が喜ぶかです。
とても危険です。
株で運用する前に、社会保障制度改革をするべきです。
この公的年金という世界一の機関投資家の資産を株に振り向けさせたいのは、いったい”誰か”ということです。

リーマンショックを経て、株の高速取引が採用されて、この世界はもう”机上論”ではまったく通用しない世界になっているということに気づかないといけません。


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