さらに、この理論を使って老後の資産形成や教育資金の積み立てに対して「変額保険」をすすめているFPや保険募集人がいます。
これは”商品選択”に関わる重要な部分です。
私は間違った商品をすすめる行為はお客様の目的に対してやってはいけないこと、とても失礼なことだと思います。
”偽装”というよりは”詐欺行為”に近いのではないでしょうか。
なぜ”詐欺行為”というのか?
そこには”商品販売の手数料”というものがあるからです。
仮にその商品の手数料が今の1/3や1/2でもその商品をすすめますか?っていうことです。
また、その保険会社から”別に”インセンティブが発生しなかったらすすめますか?っていうことです。
一定数の人数がいる会社(保険代理店)は、会社を経営していくために”多くの手数料”が必要となります。
そのような会社は必ず”たくさん”マネーセミナーを開催しています。
自分たちが積立複利運用投資をすればいいのではないでしょうか。
仮にその資金がないというのなら銀行から借りてきて投資をすればいいと思いませんか?
借入金利よりも高い金利で運用できると公言しているのですから。
銀行マンにマネーセミナーすればいいですよね。投資の基礎知識は十分持っている人たちですから。
借りてまでできない?
お客様は自分が人生を賭けて働いて得た大切なお金を使って投資していくのです。
全く温度差が違いますね。
現実はどうでしょうか。自分たちは私が訴えている”日本人が資産形成をしていくためにすべきもの”の一番はじめにある『仕事』を一生懸命しています。
なんてことはありません。
自分たちは”投資”よりも”仕事”を優先しています。
自分たちが公言している投資の話がうまくいきっこないって思っているからでしょう。
「変額保険:終身型や有期型」は、大前提として”保障”に対する保険商品です。
”積立投資”に対する保険商品ではありません。
この商品を”老後資金のため””教育資金のため”として契約をすすめている保険募集人はヒドイと思います。
私が行うセミナーでは、これがいかに間違った商品選択かをお伝えしていっています。
その中で、変額保険の予定利率の高さと解約返戻金の関係をお伝えてしています。
先日の学資保険の返金問題は、20年以上前の「募集人の説明不足」という点が指摘されたということですが、この説明不足が返金理由というなら、老後資金や教育資金(学資保険として)の積み立てとしての変額保険はすごいことになると思います。
”誤認勧誘”
”説明不足”
”断定的判断”
私は常日頃から変額保険の知識、というよりも保険商品の知識が乏しすぎる保険募集人やFPが多いと思っています。
たとえば、定額の貯蓄性のある保険商品の予定利率の低さを理由に、また「インフレに対応しているから」と言って「変額保険」をすすめているという事実に、その”知識”のレベルが垣間見れます。
そもそも保険商品の予定利率とは何か?
インフレとは何か?
変額保険とは何か?
結局、資産形成をするために必要なのは何か?
このような根っこのところがわかっていないのではないかと思います。
本当に”経験”をしてほしいです。
*多くの相談者の考えを聞く
*様々な家庭や家計を見る、知る
*実際にいろいろなプランニングをしてみる
*保険、証券の実際の手続き等を知る
このような”経験”は地道にコツコツと積み重ねていくものです。
自分の知識をひけらかしたいのはわからないでもないですが、その知識は本来自分たちが勉強しないといけないことのはずです。
自分たちが得ないといけない知識を得ることができたから、それをそのままお客様側に得意気にその知識を得てねということでは、自分たちの”価値”はないと思います。
FP資格保有者が投資関連(教科書レベル)の知識を得る
一般の方にその知識(教科書レベル)を披露する
↓
その方々はFP資格を持っていないだけで、ある意味FPと同等の知識を得る
↓
それによって、その方々はFPに投資をすすめられる
私はFPが投資をすすめるなら本来次のようなことをアドバイスすることが必要なのではないかと思っています。
*ドル・コストで投信を購入していく場合、基準価額と平均買付単価との関係についてどう考えていけばいいのか
*積立投資は本当に毎月買付していくやり方が正しいのか
このことの重要性を理解しているか、また説明できるかが大切ではないでしょうか。
現実は意味不明なFPが多いのではないでしょうか。
ドル・コスト平均法は、売り手側の理論です。
”上昇相場でも買って欲しい”
”下落相場でも買って欲しい”
この教科書の考え方を信じている限り、上記の意味はわからないでしょう。
机上論者というのは、教科書(誰かが書いた本、テキスト)や人(上司や先生という立場)から教えられたことしか知りません。
残念ながら、実務では机上論とは全然違うことが行われています。
実務というのは、人の生活環境、家族構成、収入・支出、人生観、実際のマネーの世界などを知るということです。
それを知らない、そういうことを無視しているFPたちが多すぎです。
お金に関することは、机上論では通用しません。