溢れるマルチ商法勧誘のようなドルコスト説明

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コロナショックで相場が崩れ、積立投資の損益が悪くなり、自分のために(自分の仕事のために)ポジショントークとして必死にドルコスト平均法を説明する(すすめる)人々がいます。
なかでも大手メディアを使って、ひどい説明をしているFPにはウンザリします。
こちらの記事に違和感です。

異常なシミュレーションによる説明


いかがですか?
上の表を見せられ、うまいことを聞くと「おお~、すごく良さそう」と思うのではないでしょうか?
うまいことというのは、

いま、ある投資信託の基準価額が2千円(異常な設定)まで下落しているとしましょう。
そこから積立投資を開始していきます。
2か月目の基準価額は、500%(5倍)も上昇して1万円になります。
3か月目の基準価額は50%下落したとします。
あ~ら不思議、3か月で3万円の投資累計になっていますが、評価額は4万円になっています。

というような感じで普段から説明しているのでしょう。
こういうのって、何かマルチ商法で使われている説明ではないでしょうか。
投資初心者をはじめ、この手の話に詳しくない方は騙されるでしょう。
結果、洗脳された人々が増殖していっています。

基準価額2千円の投資信託に投資をすすめる異常

投資信託の基準価額は1万円からはじまります。
その設定時期から相場環境によっては無分配のものでも1万円が2千円になることも否定しませんが、「今」シミュレーションをするにあたって、その水準(2千円)になっているということは、その投信は長期的に下落しているという前提になります。
そのような投信(長期的に下落している投信をすすめるのは否定します)にあえて積立投資をすすめるFPや販売人がいるのでしょうか?
需給の株価と勘違いしているのではないかと思ってしまいますね。

平均買付単価と投資対象の基準価額の差

上記シミュレーションにおいて、
2か月目では平均買付単価と投資対象の基準価額の差は3倍になっています。
「口数、口数」と言っていますが、この「3倍」の意味と現実感を理解しているのか疑問です。

一時金投資をすすめない異常

上記シミュレーションにおいて、「2か月目 1万円」「3か月目 5千円」という現在の2千円よりもはるかに上昇していることを仮定しているのなら、同時に一時金投資をすすめないのはなぜ?
FP資格保有者としては異常です。
記事の読者を騙したいのか?デタラメなのか?

投信の基準価額が500%上昇する相場

基準価額2千円の投資信託が、翌月に1万円(5倍)になるというのはどのような相場環境、経済環境を想定しているのでしょうか?
本当に需給の株価と勘違いしているのではないかと思ってしまいますね。
このようになるなら(このようになる想定話なら)やはり一時金投資をすすめるのが正解ですね。
この時点で、ただただ積立投資をすすめることだけが目的になっているようです。
異常です。

いま多くの日本人の環境はどうなっているのか

相場が崩れるときというのは、大変な状況になっていることが想定されます。
日本のように、超長期間日銀がインチキ相場を形成してきていてもそうなっているというのはとんでもない状況だということです。

「今」新型コロナウィルス感染症による休業、倒産、失業等による経済危機、これによる将来に対する不安。

このような状況下において、FP資格保有者がマルチ商法まがいの内容を情報発信し、「投資!投資!」とポジショントークを炸裂させるのはいかがなものでしょうか。

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