日経新聞良記事、金融庁に法を説く

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今回ご紹介する日経電子版の記事は普通の人が知っておきべき情報です。良記事です。

日経電子版
金融庁は実現確率を示せ 推奨運用の大半は不合格
(編集委員 前田昌孝氏、2020年4月15日)

詳細は、リンク記事にて確認いただきたいのですが、記事の最後のあたりに金融庁に対してある意味警告している部分があります。
激しく同意しますので、引用します。

急落前、つまり、19年3月末までの4年間の状況を見ても、リターンの単純平均が金融庁の想定を上回っているところは1つもない。金融商品取引法第37条2では金融広告について「著しく事実に相違する表示をし、または著しく人を誤認させるような表示をしてはならない」と定めている。金融庁が現在のホームページを維持したいのならば、法の精神に沿い、想定リターンの実現確率を実績に基づいて表示するのは、当然ではないか。

(出典)日経電子版『金融庁は実現確率を示せ 推奨運用の大半は不合格


以前『普通の人には「つみたてNISA」よりも貯蓄が良いという仮説』にも書きましたが、巷間金融庁は必死に「つみたてNISA」を広報し、金融機関にはリスク投資の自制を求める反面、個人には推奨するという、まるで投資庁というスタンスになっています。
(過去記事『金融庁のリスク資産投資への考え方は正しいのか?』)

その広報を金科玉条に
「金融庁がすすめているから」
「金融庁肝いりの」
などと投資をすすめるFP資格保有者たちが増殖し、投資初心者に対して長期積立投資をすればあたかも老後はバラ色の未来がやってくるかのような煽りを、再現性のない話を平気で行っています。
コンプラ上(FP、金融商品取引、保険業等の各法)大丈夫なのかと常々思っています。

一歩間違えば詐欺!?長期積立投資は誰でも成功するらしいが本当か!?でも書きましたが、

金融業界とは、洗脳の業界なんでしょうか?
何のことかと言いますと・・・

多くの方が”長期積立分散投資”はうまくいくと洗脳されています。


ここで冷静になってみてください。
積立投資をする方々の年齢は皆バラバラのはずです。

60歳を「老後資金準備完了年齢」と仮定したとします。
下記の投資をはじめる年齢とその年齢から60歳になるまでの期間を見て、普通に想像してみてください。
もしそれが本当であれば、積立投資をするしないに限らず”市場は常に良い結果”がでていることにならないといけなくなると思いますが、いかがでしょう?

「長期積立投資で老後資金は安泰ですよ!」


いま28歳の人にも、31歳の人にも、35歳の人にも、36歳の人にも、37歳の人にも、42歳の人にも、46歳の人にも、誰にでも同じことを言ってることになります。
ここから見えること、言えることは、

長期積立投資は「価格が変動しない」(常に右肩上がり)という考え方で説明されているのではないか


ということです。
そうであれば一時金投資を推奨すべきですが、それはどちらかというと否定していますね。
”リスクがある”と。


他人様にリスク性資産への投資をすすめる者は常に謙虚であるべきです。
あきらかに欠落しています。

アベノミクス・クロダノミクスの副作用のひとつです。

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