マネーセミナーを斬る!!

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全国の保険代理店が行っているマネーセミナーを斬る①

巷の無料マネーセミナーの内容について勉強しよう。そしてその間違いと危うさを知ろう。
全国各地で毎日のように行われている無料のマネーセミナー、マネースクール。
行っているのは、ほとんどが保険代理店です。
セミナータイトルの多くには「女性のための」という冠がついています。
つまり、「女性」特に「独身女性」がターゲットになっています。
その女性の皆様に対して、いったい何を伝える内容になっているのでしょうか?
一言で言いますと、
”老後資金のために、積立投資をすすめる”
内容になっています。では、その実態は何か!?
結論から言うと、様々な不安を煽り、投資さえすればバラ色の未来がやってくるとしてセミナー会場で集団洗脳し、個別相談でセミナー通りの話には到底ならない「変額有期保険」等のセミナー主催者側が高額手数料を得ることができる商品を言葉巧みに販売するための催眠商法的ビジネスになっています。

商品販売を否定しているわけではありません。否定しているのは、自己の利益のみを考えて「明らかにお客様にとって不利益になる商品の販売」「セミナーで説明した内容と大きく乖離している商品の販売」行為です。
つまり、お客様自身にリスクをとって積立投資をしていきましょうとすすめる内容で、そのリスクがお客様自身のためになるリスクではなく、セミナー主催者側のためになるリスクになっているということです。
他人様に報われないリスクをとらせることになります

弊社では、当ホームページ上で巷の無料のマネーセミナーの内容を披露・解説し、その内容が間違っている部分やそこからセミナー参加者がどのように被害にあってしまうのかを気づき知っていただきたいと思っています。
と同時に、弊社の無料セミナーとしてもご覧いただけると思います。

このページは、巷のセミナーの目的やデタラメぶりを知ってもらうことで「投資情報はタダ」で得るもの、得られるものだと思っている(いた)方々に、将来後悔をしてもらわないように、また大切なお金を失わないようにとの思いと、同時に少しでも業界の信頼を取り戻せればと願っています。

注意喚起情報です。

マネーセミナーは某保険会社が主導している!?

全国で行われているマネーセミナーの内容は、ほぼ同じような内容になっています。
なぜか?
ある意味、保険代理店を操っている(?)保険会社らがあるからです。
そうです。グルになっています。
コンプラしかり、販売ルールしかり、保険代理店や保険募集人たちをある意味指導・監督しないといけない立場の保険会社が主導しているといえます。
すべては”数字ありき”によるものです。

さあ、その内容を見ていきましょう。

①老後の自己資金は3,000万円いる!!

冒頭、老後には大きな金額が不足すると洗脳をする。


【講師・セミナー内容】
老後は毎日が日曜日。
老後の生活費は、時間があるのでお金を使ってしまいます。
夫婦二人で36万円、女性一人で25万円かかります。
65歳から86歳(平均余命)まで21年間生きるとして、女性一人なら「25万円×12か月×21年=6,300万円」かかります。
公的年金で「10万円×12か月×21年=2,520万円」がもらえるとして、ほかに退職金や長期で準備するお金が必要となります。
65歳までに3,000万円を自己資金として用意していきましょう!

不足額を月額15万円として、合計4,000万円を用意しようという場合もあります。


毎月貯めようとした場合、金利の差で変わってきます。(金利を味方につけるという話)
30歳の人が65歳までに3,000万円貯めるには、金利ゼロで毎月70,000円、金利5%で毎月35,000円、金利10%で毎月10,000円の積み立てが必要です。
私たちは金利が低いことに慣れてしまっていますが、低いことに甘んじてはいけません。(高い金利の商品があるかのように洗脳する)

セミナーは、まずはじめに3,000~4,000万円などの大きな金額が必要になるということをインプットさせるストーリーになっています。

老後資金で大切なことは、「自分の場合はいくらの年金になるのか?」「自分はいくら使っていくのか?」というキャッシュフロー・シミュレーションを行うことです。

FP(ファイナンシャルプランナー)の業務はそれが出発点のはずです。

「ライフプランが大事」とか言っているのに、そのようなシミュレーションは一切しない、自分の場合はどうかを考えさせないようになっています。

②お金を3つに整理しましょう!!

【講師・セミナー内容】
”お金の美人”になるには、バランスが大切です。
いつ使っていくお金か、整理していきましょう。
「すぐに使うお金」(流動性)「貯めていくお金」または「守るお金」(安全性)「ふやしていくお金」(収益性)をバランスよく整理していきましょう。

*「使うお金」⇒重要だと強調する(共感のために)
日々の住居費や食費など。
美容や習い事にお金を使いましょう。
*「貯めていくお金」「守るお金」
使途が決まっている資金。
医療保険を匂わす話。
*「ふやしていくお金」
しばらく手をつけないお金。
自分でつくっていきましょう。
できるだけ早くはじめましょう。
(↓下図のような表を使って「長期=外貨建商品・投資信託」をイメージさせるようです)
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<ライフプランをしっかりと立てましょう。 いつ、いくらお金がかかるか? 目標達成のためにどうやって貯めていくのか? 紙に書きだしていきましょう!

はじめの段階では、「長期」ならびに「収益性商品(お金をふやす)」として、外貨預金や投資信託を表で示しています。

この図では、業者が目的にしている本丸の「変額保険」は示していない。外貨預金も外貨建保険への布石と考えて良いでしょう。

③インフレ不安を煽る

【講師・セミナー内容】
先ほど将来いくら必要だと言ったのは、今の物価でです。物価について考えてみましょう。
インフレというのは、お金の価値が下がることを言います。
パターンとして、ある特定商品の価格変動を例に出して、物価が上がっているということを印象づけます。

値上がりしたもののみを強調した手法です。

同時期に値下がりしたものもたくさんありますが、それは無視しています。
(値上がり商品例)ハガキや切手、バター

問題なのが、インフレにならないという想定が皆無なところ

滑稽なのが、インフレで投資をすすめるストーリーで、投資で失敗するという想定が皆無なところ

また、生命保険でおじいちゃんやおばあちゃんが契約していた「○十万円」「○百万円」の価値が今のそれと比較したら全然違うというようなことも言ったりします。


【関連記事】
証明された!投資をすすめる業者側が煽るインフレ話は情報操作①
証明された!投資をすすめる業者側が煽るインフレ話は情報操作②

インフレ、インフレと言うなら、「住宅ローンを借りよう」運動をするべきですが、それはしない。
貨幣価値が下がるならお金を借りたほうがいいでしょう。
それどころか!
インフレ、インフレと言いながら
「繰り上げ返済しましょう!」
なんて意味が通じないことを平気で言う。
貨幣価値が下がるなら早く返済するほうが間違っています。

しょせん、インフレ不安は投資をさせる理由にしたいがだけの霊感商法トークで、言っている保険募集人はインフレの意味を理解していないのでしょう。
恥ずかしいやら、情けないやら。

④72の法則、単利と複利の違い

【講師・セミナー内容】
・100万円を10年間で200万円にするには何%の金利が必要?
・今の銀行金利で、100万円を200万円にするには何年かかる?
などの話にでてくるのが「72の法則」です。
いまの預金では手持ちの資金を2倍にするには、何百年、何千年かかると言い、いまの預金金利での預金行為を否定します。
昔は定期預金で6%の時代もあったとも言います。

多くの人が気づいていませんが、預金金利が低い時代は、ローン金利も物価も低い。

預金金利が高い時代は、ローン金利も物価も高い。

定期預金6%時代(いったい何十年あったのでしょうか?)を過ごしてきた人たちは、きちんと定期預金をし、皆幸せになっているというのでしょうか?

きちんと説明できる業者はいないのではないでしょうか。

セミナー主催者側にとって有利な情報だけ流す。

ただただ不安を煽る説明ばかり。

そもそも72の法則を知っていても日常生活(今の預金金利からはかけ離れすぎている)の役には立ちません。

結果、この話はただの知識のひけらかしだけです。(書籍でもよく書かれています)


次に、単利と複利とでは、長い年数かけると大きな差がつくという話です。
複利は「利息にも利息がついて雪だるまのように資金が大きくなります」という話です。

複利運用の効果を「固定金利商品」または「単なる数学の勉強です」として説明するならわかりますが、投資初心者に投資をすすめる話で「複利を強調する話」は明らかに誤認を与えてしまいます。
うまくいくという印象しか与えないからです。
それはそうでしょう。
投資において利息に利息がつくという(=常にプラスリターンが発生する)印象、それにより複利効果を強調する説明を声高にするのは明らかに意図的であり、かつミスリードと言わざるをえません。ここで問題提起をしておきます。
実際彼らが販売している「変額保険」の積立投資は1年目から大きく元本を棄損します。(設計されているもののほとんどはゼロ)
この場合、利息はどこなんでしょうか?
そして、複利はどうなったんでしょうか?
このような説明をしておいて、はじめからそうなってしまう(投資資金が溶けてしまう)ような商品を平気ですすめることは”詐欺的”行為とならないか!?
契約者の皆さんはICレコーダー付きで説明を求めるべきです。
「元本割れしまくっていますが、どこが複利なの?」と。単利と複利の違いは、単なる数学の計算に基づくものになります。
大切なことは、複利は複利でも”投資”になると、マイナスの複利もあるということです。
それを知っている、きちんと伝えるFP資格保有者がいないので、投資初心者は「投資を成功させるためには複利効果を味方にしないといけない」という業界が自分たちの都合の良いようにつくりあげたイメージに洗脳されてしまっています。

「複利効果がすごい!」というのなら、生命保険会社、証券会社、銀行の金融機関自らが過去から現在に至るまできちんと証明してきているでしょう。
それを本当に個人が(ある意味誰でも)できるというのなら、金融機関が「儲け話」を個人に教えてしまうことで、金融機関の存在意義や儲け口がなくなるでしょう?
また、過去何十年もの歴史で、普通のサラリーマンやOLが投資で富を築いたという例がた~くさんあるはずです。
それがありません。

何より、マネーセミナー業者がセミナーなんてせずに、自分たちがお金を借りて投資ばかりしているはずです。
彼らは投資なんてせずに、皆さんに投資をさせる仕事を一生懸命していますね。
それが答えです。

「複利」の話は、投資における複利のこわさを知らない業者が得意気に話すことができる、投資初心者の関心を引きやすい定番のテーマです。


続きは、『全国の保険代理店が行うマネーセミナーを斬る!!②』
全国の保険代理店が行うマネーセミナーを斬る!!③』へ

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