フィデューシャリー宣言しているセゾン投信代表取締役の見識を疑う

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ダイヤモンド・オンライン
お金のウソを暴く!なぜ保険に入ってはいけないのか?
(セゾン投信代表取締役社長 中野晴啓氏)

この記事を読んだ限り、この方の人となり、ならびに金融機関(投信販売会社)の社長としての見識を疑います。
引用部分は枠。

はっきりいって、生命保険に加入する意味はありません。それなのに、どうして生命保険に入るのでしょうか。

これはセゾン投信社長さんの言葉です。
これが金融機関の社長が発する言葉ですか!?
どこかのIFA会社の社長さんみたいなレベルです。
見方によっては、生命保険会社と生命保険商品の存在意義の否定、誹謗中傷をしているかのように受け取れます。

死亡率は人口10万人あたりの死亡者数で示されています。年齢階層別で30~34歳でも49.7人しか亡くならない、0.0005%未満の確率です。

0.0005%?
計算ぐらいしっかりしましょう。
「0.05%」です。
(メディア側のミスか?ご本人の計算ミスか?)

まず、この手の話について。
保険について確率(大数の法則)で話をするのは、商品を設計している保険会社側が行うものであり、被保険者側である個人が確率で話をするのは正しくありません。
なぜなら、一個人の「生存」「死亡」の確率は誰であっても「いつでも50%」だからです。
金融機関の社長でありながらこのような話をするのは、確率に対する見識を疑うものであり、かつ明らかにミスリードです。

年収500万円以上700万円未満で年間20.4万円の保険料ということは、月額に直すと1.7万円です。
正直、生命保険に毎月これだけの金額を掛け続けるくらいなら、投資信託の積立をやった方が、はるかに合理的だと思います。その方が、何よりもコストがはるかに割安です。

合理的?
合理的の意味がわかりません。何について言っているのでしょうか?

何よりもコストがはるかに割安?
コストってなに?

私の国語力がないのかもしれません。^^;
しかしながら、意味不明です。

もし、どうしても生命保険に加入したい場合は、保障のみを買うのが良いでしょう。要するに掛け捨て型の生命保険に加入するのです。
掛け捨てならば、保険料自体が非常に格安なので、言うなれば安心料としてそれほど負担になりません。

これを読むと「月額1.7万円」は貯蓄性の保険に対しての保険料だということですね。
それではおかしい部分を指摘しましょう。
まず、世帯年収500~700万円の年代って何歳ぐらいが多いと考えているのでしょうか?
20代?30代?40代?50代?
次に、世帯年収500~700万円の家庭って、何人家族を想定しているのでしょうか?
1人?2人?3人?4人?5人?

セゾン投信の社長さんは、生命保険文化センターのデータを使っています。
であれば、データには「死亡保険」「医療・がん・介護保険」「学資保険」「年金保険」等が含まれています。
それらすべてを含めて「月額1.7万円」ということです。
貯蓄性の保険として「何が」「いくら」でイメージをされているのでしょうか?
「何が」について考えてみると、
*終身保険*養老保険*学資保険*個人年金保険
といった感じでしょうか?
また、「月額1.7万円」で一世帯あたり何人加入されているというイメージをされているのでしょうか?

>掛け捨てならば、保険料自体が非常に格安なので
あくまでもセゾン投信社長さんの主観ですね。
人(年齢)・プラン(保障額+保障期間)によって、「月額1.7万円」が安く感じる人もいれば、高く感じる人もいます。
不適切ですね。

この時点で思うのですが、生命保険のことをよくわかっていないのではないでしょうか?
と同時に世間を。

個人的に思うのが、投資をすすめる人、証券会社出身の評論家チックの人たちって生命保険分野についてはまったく疎いと思います。
恥ずかしいくらいのもんです。

そして、これを一番言いたかったのかなという「貯蓄性の保険VS投資信託」的な部分について。
終身保険かと思われます貯蓄性保険商品について語っている部分がありました。
商品例は単純にこうです。
・30歳 男性
・死亡保険金額:500万円
・30年の保険料累計:3,763,800円(A)
・30年後の解約返戻金:4,001,000円(B)
・(B)ー(A)金額:237,200円
これについてこのように言っています。

この場合の運用利回りが何パーセントだったのかを逆算すると、30年でこの数字なので、何と年0.405%。貯蓄型などと称しても、純粋な運用利回りはしょせんこの程度でしかないのです。

”この程度”という上から目線で言っちゃっています。
このあと、投信での積み立てについて語っています。

では、これを仮に投資信託の積立で運用し続けたらどうなるでしょうか。毎月1万455円ずつ30年間積み立て、おとなしめの年平均3%で運用し続けた場合、最終的にいくらになるのかを計算すると、610万5000円になります。

ということです。
ここで、この試算に手数料を加えてみましょう。
「ノーロード+信託報酬1%」で行うと、610万円があらあら516万円ほどになります。
(計算ミスがありましたので訂正し修正します
さらに、20%の税金を引いてみましょう。
516万円ー376万円=140万円×80%=112万円

【セゾン投信社長さんが例にあげた貯蓄性保険での利益額】
30年後の利益額:23万円
【セゾン投信社長さんが例にあげた投信3%運用での利益額】
30年後の利益額:112万円

本題はここからです。
セゾン投信社長さんは、生命保険は定期保険(掛け捨て)にしたほうがいいと言っています。
・30年、500万円
・月額保険料:2,116円
・30年の保険料累計:76万円

この結果、どうなったかといいますと

【セゾン投資社長さんのおすすめプラン】
定期保険(掛け捨て)・・・76万円(A)
投信での利益・・・112万円(B)
(B)ー(A)=36万円
かつ、30年間において76万円の拠出増。

あれれ~
必死に語っていたわりには、この程度です。
残念ですね。
例としては、恥ずかしいレベルです。(赤面してないですか?)

さて、ここで気づいた方も多いのではないでしょうか?
セゾン投信社長さんの話法は

断定的判断の提供
重要事項の説明義務

これらに違反している可能性があります。
投資信託販売会社の社長の立場でありながら、このような発言の数々はコンプラ上不適切だといえるでしょう。
記事は、以下の文章で締めくくられていました。

あくまでも確率の問題ではありますが、20歳から65歳までは、死亡する確率が非常に低いので、保障は全くといって良いほど必要ないと思います。それよりもそのお金を運用して、長生きに備える方が合理的ではないでしょうか?

確率の問題?
投信運用こそ、確率の世界です。
「平均3%」とか書いていましたが、「毎年3%」と「平均3%」は意味も結果も違います。
投信運用こそ、不確実なものであるから確率をきちんと計算し表示をしたほうがいいでしょう。
期待リターン通りになる確率は?
ならない確率は?
期待リターン以上になる確率は?
元本割れ確率は?

販売手数料がどう?
信託報酬がどう?
いやいや、最も大切なのは、「リスクある商品で長期間運用していった場合の確率」です。
「複利でこ~んなにもふえますよ」といった数学の授業みたいなレベルからは卒業してほしいものですね。
それこそ【お金のウソ】です。

金融機関(投信販売会社)の社長であるならば、メディアでポジション・トークばかりしていないで、またネットワークビジネスと同じような勧誘活動ではなく、しっかりと運用実績を残していくようにしたほうがいいでしょう。
まだまだ歴史の浅い会社であり、かつ現在は異次元緩和のおかげでプラスになっているだけなのですから。
もっと謙虚になったほうがいいでしょう。

フィデューシャリー・デューティー?
聞いて呆れます。
仏作って魂入れずになりませんように。

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