外貨建変額終身保険がお宝保険だと言うFP

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以前、『実話!「不適切な勧誘」による契約の取り消し!変額有期保険②』で指摘しました、契約の取り消しをするほどの商品が「週刊ダイヤモンド」(2017・4/29・5/6)保険特集号で、「お宝保険」として紹介されていました。

外貨建変額終身保険(一時払)

この手の商品については、以前「エコノミスト」(2016・7/26)でも手数料について注意喚起記事(点線枠内)がでていました。

7月6日に開かれた、金融担当相の諮問機関「金融審議会」の「市場ワーキング・グループ」第3回会合。事務局の金融庁が示した資料に、銀行・保険業界が注視した。資料に載っていたのは、「外貨建て一時払い生命保険」の販売手数料が約7%と、2%台の投信などに比べて高いことを示した棒グラフ。同じ資料では、貯蓄性の高い保険商品について「売れ筋は運用商品と保険商品を複雑に組み合わせた一時払い保険だが、その販売手数料は高水準かつ不透明」とも指摘した。
金融庁が問題提起するのは、為替や運用成果に応じて満期保険金などの金額が変わる、外貨建て生命保険や変額年金保険だ。

この手の商品の問題点は、手数料はもちろんですが、その仕組みにあります。大きく3つを取り上げます。

①手数料は異常レべル・・・契約初期費用8.5%
これを負担するぐらいなら預貯金のままにしておきましょう。

②定額部分として元本保証を強調している・・・外貨建ベースで20年後に元本が保証されているだけ。
私が実際に相談を受けた契約者は為替リスク(途中解約時の市場調整も)のことを理解していない(業者の説明不足)のと、20年後に外貨ベースでの元本保証という仕組みは笑われるレベルです。

③変額保険部分・・・保険料のうち、何割かを特別勘定で運用する仕組みになっていますが、それが4~5倍近くのレバレッジをかけて運用するようになっている。
販売者側含めて、その仕組みをきちんと説明できる人は少ないでしょう。設計書もわかりづらいです。

保険や投資のことを理解している人が見れば、まずこの商品を「いいね!」と一般消費者にすすめることはないでしょう。
誰が見ても手数料目的のためにつくられた商品だとわかりますから。
ですので、この手の商品をすすめる販売業者やFPにはモラルを勉強してほしいですね。
人としての。

それでは、具体的に解説いたします。
一時払保険料が1千万円だったとします。
1年目に約100万円(契約初期手数料+その他)が販売業者を含む保険会社に手数料としてわたります。
約900万円からの運用スタートです。

この時点で、いまある1千万円のうち「900万円を預金元本として100万円を利息」と考えれば、いまある1千万円ってすごいリターン状態だと気づけるのではないでしょうか。
下手な投資商品を購入するぐらいなら預貯金のまま持っているほうが結果的にリターンが大きいのではないでしょうか。
つまり、この手の商品を購入するぐらいなら預貯金のままが正解だということです。
このような誰も指摘しないような話をする私に相談された方々は皆、目からウロコ状態になります。
※机上論FPの共通点として、生命保険は必死に否定するが、投資は否定しないというおかしな思考回路の持ち主たちが多い

900万円のうちの約8~9割が、20年かけて元本回復する外貨建(米ドルや豪ドル)債券で運用されます。
900万円分の外貨建債券が20年で1千万円分に到達する仕組みです。
ダイヤモンドの記事では「現時点の豪ドルで契約後5~20年は2.29%で安定運用」と書かれていました。
900万円を20年後に1千万円するために必要な金利は「0.5%」です。
「2.29%」なら約640万円あれば1千万円になりますし、900万円なら1,400万円分ほどになるはずです。
これでおかしなことに気づけますよね。

現価係数=(1+年利率)^(年数×−1)

このFPは、自分できちんと計算し、商品のおかしさを検証しているのでしょうか?
(していませんね)

また、900万円のうちの1~2割の部分で、特別勘定(変額部分)を行うとなっています。
最大で年0.9%の手数料をかけて。レバレッジ約400%。
定額部分があるので、変額でレバレッジ運用ができるのでしょう。

週刊ダイヤモンドで当商品をお宝だと紹介しているFPは、以前にも今回と同じ保険会社の変額有期保険を絶賛(?)していました。
(絶賛できるものではないのに・・・)
何かあるのかもしれませんね。
また、この方は保険批判の書籍なども書いていたと記憶していますが、不勉強極まりないと思います。

残念です。
また被害者が増えるでしょう。
日本のFP資格保有者って・・・

この手の商品に出会うきっかけは、銀行窓口か無料のマネーセミナーが主だと思います。
主なターゲットは、高齢者や独身女性たちです。
金融商品について情報弱者や無料でお得に金融情報を得ようとする人たちが獲物(カモ)になりやすいです。
気をつけてください!

この手の商品を販売している銀行や保険代理店で”比較推奨販売”が行われているのか疑問に思います。

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