「敗者のゲーム」にある個人投資家のための十戒

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多くの個人投資家の方が読んだことがある
『敗者のゲーム』(チャールズ・エルス著:鹿毛雄二氏訳:日本経済新聞出版社)
という書籍があります。
そこに書かれている【個人投資家のための十戒】を記します。

①貯蓄すること。そして貯蓄したものを、将来の幸せと安定、子供の教育のために投資すること。

②相場の先行きに欠けてはいけない。もしあなたが衝動に駆られ、どうしても相場を見ながら売買するというなら、あなたはプロを相手にしていることを自覚すべきだ。投資額を、ラスベガスでプロとギャンブルする場合の金額程度に抑えたほうがよい(勝負の結果を正確に記録していけば、あなたも降りたくなるだろう!)。

③税務上有利と言う理由で動いてはいけない。そうした商品は投資対象として魅力はない。企業の税務上の損金を節税目的で商品化したものは(日本にはほとんどないが)、証券会社の手数料を増やすだけだ。

④自分の住宅を投資資産と考えてはいけない。住宅は家族と生活する場であり、それ以上のものではない。

⑤商品取引は考えものである。コモディティ取引は、投機にすぎない。経済的付加価値を生まない以上、投資とはいえない。

⑥証券会社の担当者に気をつけなさい。多くの場合、素晴らしい人たちである。しかし、彼らの仕事はあなたを儲けさせることではなく、あなたから儲けることなのだ。とても良心的で長年、担当してきた顧客の身になって、質の高い仕事をしてきた人も少なくない。ただ、あなたの担当をする人がそうとは限らない。

⑦いわゆる新金融商品に投資してはならない。この手の商品のほとんどは、投資家に保有されるためというより、投資家に売るために設計されている。新商品に関して、他の投資家の話にも耳を傾けてはならない。(ある新米の漁師が、魚がカラフルなルアーに食いつくのを感心して眺めていたら、釣り道具屋はこう言ったという。「魚にはそのルアーは売らないよ」)。

⑧元本、利息が安全だとか、リスクが少ないという理由だけで、債券に投資してはいけない。

⑨長期の投資目的と投資方針は、資産計画を文書にして書き出し、それに沿って行動すること、最低10年に一度、できれば毎年それを見直すこと。

⑩直感を信じて投資してはいけない。うまくいって有頂天の時は、大火傷が待っていると思ったほうがよい。落ち込んだ時は、夜明け前が一番暗いということを思い出そう。そして、何もしないことだ。売買は運用のプラスアルファの部分にすぎない。


当ブログ読者の方には「⑥」について今一度、肝に銘じてほしいと思っています。

>証券会社の担当者に気をつける

今の日本、気をつける相手は証券会社の人たちだけではありません。
他にもたくさんいます。
「投資信託や一時払の投資性保険商品を販売してくる銀行員」
「マネーセミナーで変額有期保険を積立投資だと言って販売してくる保険募集人」
「長期投資バンザイと言いながら高手数料率の投資信託を販売してくるIFA」

今の日本では、彼ら彼女らは証券会社担当と同じか、それ以上に
「あなたを儲けさせる」ではなく、
「あなたから儲ける」ことをニヤニヤしながら企んでいる存在ですので、大いに気をつけないといけないです。

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