書籍『終わりで大きく儲かる「つみたて投資」』はミスリード!①

Pocket

毎日全国の皆様からアクセスをいただております当ブログは、書籍になるほどの数と内容だと自負しています。(書籍化しないのは著名人でなければ出版費用をださないといけないからです^^;)
また、その内容は実務経験から得た”本質”のものばかりだとも思っています。
その立場から一言申しあげます。
今の日本で必死に”積立投資”(ドル・コスト平均法を使った資産形成)をすすめる書籍は、どれもこれもミスリードだらけです!!
もっとまともな書籍はないのでしょうか?

今回ミスリードだと指摘する書籍は、
『「終わりで大きく儲かる「つみたて投資」』(星野泰平著:講談社)

結論から言うと、この書籍は楽観論で積立投資をすすめるミスリード決定版で、まさに、セルサイドのために書かれた書籍だといっていいでしょう。
おそらくセルサイドが中心になって、この書籍の内容を利用して、販売話法に使っていたりしているかもしれませんね。

そういう観点で読むと納得できるでしょうけど、実際は一般の方向けになっています。
だからミスリードとして指摘しなければなりません。
さあ、指摘していきましょう。

投資初心者を馬鹿にした、いや”騙す”ためのシミュレーション

この手の書籍の質の悪さは、説明時に例題とされているシミュレーションを見ればわかります。
まずは27ページにありました架空の投資信託の基準価額の推移です。

下の画像:書籍より。
ドル・コスト平均法をシミュレーションするために設定条件された“ある架空の投資信託の24か月の値動き”とのことです。

下図:書籍のシミュレーションをグラフ化。


2016y07m19d_153047655
2016y07m18d_195859771

書籍の図は、「0~10,000円」の値動きに対してグラフの値幅が「0~25,000円」、しかも目盛幅が「5,000円」刻みになっていますので、そのおかしさがわからなくなっています(これもミスリードか?)ので私がだいたいこの感じであろうというシミュレーショングラフを作成しました。
最終の口数が書かれていましたのでほぼそれに近いグラフだと思います。

この”架空の投信”シミュレーション設定のダメなところ

①1万円の基準価額が5か月目に「500円」ほどになっています。

②「500円」って・・・、そもそも償還になる可能性はないのでしょうか?

③しかも5か月の高速スピードで「500円」ほどになっています。現実的にありえるのか?

④普通に考えて、この5か月の経済状態は壊滅的なものになっているという認識で良いのでしょうか?

⑤ひと月のボラティリティ(変動幅)がとにかくひどい!

⑥このチャートだと、あきらかに一括投資のほうが儲かる相場だと思うんですけど・・・


著者さんに問いたいです!
現実にこのような投資信託が過去にあったのでしょうか?
しかもごくごく一般的なインデックスで。
あったというのならきちんとそのような投信を紹介してください。

え?
読者に投信の値動きをわかりやすくするために作成した?
それなら完全に言ってあげられますね。
”この書籍は、ミスリード本ですね”
”読者を騙すことになって嬉しいですか?”

私がなぜそこまで言えるのか、言っていいのか。
それは、著者さんはこの架空の投資信託の値動きにより、24ヶ月で「114万3756口」を買い込んだと言っているからです。
「114万口」です!
この著書のキモの部分ですね。
書籍のキモは、積立投資は「価格」を見るのではなく、「量」(口数)を買い込むのが重要だと言っている内容です。
私はこの手の話については、すでにブログで反論を書いています。

投資の世界において、上がろうが下がろうが、投資を継続している時点で、投資をした金額すべてがリスクに晒されているという事実に変わりはない。

量(口数)が増加するということは将来有利に働くことだけではありません。逆に、量(口数)が多いほどマイナスになった場合に「金額のマイナス幅」が大きくなります。

それにしても24ヶ月、24万円の投資元本で「114万口」って・・・
本当に「投資初心者」や「何も考えないセルサイド」を相手にして書かれた書籍です。
私が著者さんの作成した架空の投資信託の値動きでドルコストを検証してみた結果、24か月の平均買付単価は「約2,200円」になっていました。
24ヶ月(2年)でです。
1万円からはじまって1万円で終わった24ヶ月(2年)の平均単価が2,200円って・・・
どんだけ悲劇的な経済状況だったのでしょうか?
もしくは
どんだけ運用が下手すぎる投資運用会社の商品だったのでしょうか?
それを平気で書籍にするって・・・

もう驚愕です。
24か月後の評価額は、投資元本の「4.7倍」になっているんですから。
積立投資で「4.7倍」になっているんです。

それって日本の高校生が100mでボルトに勝てるぐらいの可能性でしょうか?
いや、きっと日本経済(投資対象が日本株投信だとして)がグチャグチャになっているんでしょうね。
そのように想像できますね。
そういうことをイメージしているのでしょうね、著者さんは。

一括投資が不利益だとミスリードしすぎ

著者さんは、上記の例で「1か月目の基準価額1万円の時点で24万円を一括投資していたら24万口しか購入できていません」と書いていました。

著者さんに問いたいです!
それでは、5か月目時点の「500円」ほどのときに24万円を一括投資していたらどうなっているかわかりますか?
なんと「480万口」購入できます。
そして、最終評価は「4.7倍」どころか「20倍」になっています。
「20倍」ですよ!!
これについては何か意見はないのでしょうか?
このような想像もできていなかったのでしょうか?
都合の良いことしか書かなかったのでしょうね。^^
投資初心者や机上論FPは騙せてもプロは騙せませんよ。
2016y07m18d_195921320

普通に考えてみましょう。
「1万円」のものが「500円」になるということは「95%オフ」です。
大大大暴落です。
普通、この水準であれば一括投資をするでしょう?
(前提として、著者は500円まで下落した投信が償還されることをまったく考えていません)

いえ、投資をすすめるセルサイドはここで一括投資をすすめないとウソでしょう。
500円ですよ!500円!!
投資をしている人なら、投資をすすめる人なら、きっと全力で「買いシグナル点灯」となるでしょう。
何百年に一回あるかないかのビッグチャンス到来です。
それが・・・まったくナシ・・・

この24ヶ月のチャートを見ると、多くのタイミングで一括投資をすればとんでもなく儲かっている相場になっています。
平気で前月比1.5倍や2倍とかになっていますから。
シミュレーション自体、まともではない・・・

所詮”本質知らず”か”騙しのテクニック”か

積立投資をはじめて5か月目に大大大暴落したこの水準で毎月の積立投資で喜んでいるなんて投資をわかっていないにも”ほど”があるでしょう。
失礼ながら、このシミュレーションで平気で積立投資をすすめる著者の感覚、笑われます。
まさに「積立投資をすすめたいセルサイドのためだけにある」シミュレーションだということがわかります。
リスクある投資の話です。
公平とまでは言わないまでも、きちんと伝えるべきことは伝えないと”誤認”させることになるでしょう。

私は著書に書かれていることは完全に売り手側目線(セルサイド)に加工されている内容だと思います。

上がっても買ってほしい。
下がっても買ってほしい。


いつでも、いつまでも買い続けてほしい。
それにより、売り手側には「販売手数料」「信託報酬」が永遠に入ってきます。
そのように仕向けられた内容になっていると思います。
けっきょく、お付き合いしている、したい投信会社、証券会社(投信)、保険会社(変額保険)等から仕事を依頼されたいということではないのでしょうか。

本質をきちんと理解されないまま、投資の世界に入ってきてはいけません。
下落時の口数増話は、セルサイドが投資家に責められないようにするために目を逸らさせる洗脳話です。

リスクが抑えられる≠リターンが約束される

次回は、
著書「第3章 つみたて投資の疑似体験」で25年にわたるドル・コスト平均法シミュレーションを作成し説明されている内容について斬りたいと思います。



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする