日経ウーマン記事「老後の貯蓄」の終身保険を解約させた女性FPに一言

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日経電子版に日経ウーマンオンラインの記事
「老後の貯金」になるはずだった保険が家計を圧迫する
が掲載されていました。
今回、この記事があまりにも頓珍漢で、かつFP資格保有者特有のミスリードでしたので斬ることにしました!

今回私が斬ったのは女性FPです。
個人ブログで書く分にはいいでしょうけど、メディアでの情報発信であれば、斬らないわけにはいけません。
このFP、率直に言って、保険を語るには知識だけでなく経験値的にもどうかと思います。
┐( ̄ヘ ̄)┌
(枠内引用)

さて、「独身だし、親にお金を残す必要もないから、死亡保険はいらない」と思う女性でも、「掛け捨てではありませんよ」とか、「解約返戻金がたまるから、老後の貯金にもなりますよ」というトークには心ひかれるようです。事実、終身保険に加入した動機を聞くと「貯金になるって聞いたから」という回答が多いのが現実です。

でも、本当に「貯金」なのでしょうか?


このあたりの表現は、保険否定論者特有です。
ソックリです。

保険はあくまでも保険なので、保険料の払い込み期間の途中で解約すると、払ったよりも少ない解約返戻金しか戻ってきません。つまり、保険料の支払い終了年齢までに途中解約すると、貯金どころか元本割れとなってしまうのです。

そして、その保険料の支払い終了年齢は、多くの女性が定年前後となる60歳や65歳に設定しています。ということは、20代~60代の約40年間、ず~っとその保険料を払い続けなければならないのです。

27歳の奈緒さん(仮名)は、昨年「もしものときの死亡保険にもなるし、税金も安くなるし、老後の貯金にもなる」と終身保険をすすめられました。ちょうど「貯金をしなきゃ!」と思っていたタイミングでもあったので、一石三鳥とばかりに、終身保険1000万円、毎月の保険料約1万5000円を60歳まで払い続けるという契約をしたのです。

27歳から60歳までの33年間に支払う保険料の総額は約600万円ですが、61歳を過ぎて解約すると、その600万円が約720万円になり、支払ったよりも120万円増えるとあって、貯金もしたいし、老後が不安だった奈緒さんは飛びついたのです。


私はこう思いました。
この相談者が目的(さらにはこの記事のタイトル)にしていたのは、「老後の貯金」ではなかったのでしょうか。
それを「終身保険」が悪いかのようなストーリー仕立てにしています。
27歳にとって老後というのは、当然「30年以上」先の話です。当たり前です。
だからわざわざ「老後の貯金」って記事のタイトルにしているのでしょう。
記事では比較表を作成して預貯金と比較していましたが、そもそもそれ自体間違っています。
「車」と「バイク」を比較するようなものです。

また、比較表の「税制」の部分がおかしかったです。
預金は「利息の受取時」について、終身保険は「保険料拠出時」(生命保険料控除)についてになっていましたが、預金に合わせるなら終身保険は「解約返戻金の受取時」でなければならないでしょう。

でも……今年結婚するパートナーの転勤で、仕事を辞めざるを得なくなり、現在は収入ゼロ。そんな中、毎月1万5000円の保険料を独身時代の貯金から払うことが苦しくて、相談にいらっしゃいました。

このように、今は余裕があったとしても、女性は退職や転職、産前産後や育休などの収入の減少時期があるかもしれませんし、出産後に仕事に復帰しても、時短勤務などで収入の減少期が数年続くこともあります。また、長い人生の途中には、結婚やマイホームの頭金などのまとまったお金を必要とする時期があるかもしれません。「貯蓄にもなる」という期待感だけでなく、現実に長期間、保険料を払い続けることができるかどうかを考えることが必要なのです。


結婚しての老後資金は「妻だけ」のものでしょうか?
普通、夫婦のための老後資金にかわるはずです。
であれば、夫婦の老後資金として「月15,000円」捻出できなかったのでしょうか?
今回の記事にある終身保険ですが、

27歳から60歳までの保険料総額:約600万円
61歳時の解約返戻金:約720万円
返戻率:120%
死亡保険金額:1,000万円


私は業界20年目のFPとして言いますが、過去の終身保険(予定利率の差)と比較して、上記の終身保険(いまの日本の状況を考えて)が不利益になるようなものでしょうか。
保険料を払っていけなくなったという今回の記事の内容は、ただご本人の家計問題であって、保険商品の問題にするのは論理のすり替えであり、ミスリードです。
記事から推察して、ご本人のヘソクリ話でないのなら、FPとして家計全体で「将来の老後」だという目的に対して話をしたという痕跡がありませんし、この相談者はFPから「現在、老後資金をつくる力がない」と言われたことになりますね。
本当にそれで良かったのでしょうか?

先ほどの奈緒さんは、ご相談を受ける中で死亡保険の必要性が低いことと、これから子どもや住宅などでお金を使うタイミングが多いことに気がつきました。1000万円の保険金を100万円に減額するという方法もあったのですが、「元本割れで損をした12万円のお金は、自分が保険について勉強するための授業料だったと思うことにします」と、解約されました。晴れ晴れとした表情の奈緒さんに救われた思いの私でしたが、このような“授業料”は払わないほうが良いことには違いありませんよね。


>保険について勉強するための授業料だった
いいえ、違います。
あえて「授業料」と言うのなら、”ライフプランニング”を勉強するための授業料でしょう。

最後にこう締めくくられていました。

掛け捨ての定期保険はもったいないから、将来の貯金にもなる終身保険を……と思う気持ちも分かりますが、あくまでも保険は保険です。使いたいときに自由に解約したり、引き出せる預貯金とは異なることを知っておいてくださいね。


>使いたいときに自由に解約したり
だから記事にある相談者の目的は「老後の貯金」ではなかったのでしょうか?
この相談者は、そもそも600万円払って720万円になることを納得して契約したのでしょう。
その考えの人に対して、こうも簡単に解約させるなんて。
反対に、このFPに伝えてあげます。

「老後の貯金」というなら、
使いたいときに自由に解約したり、引き出せる預貯金とは異なることを知っておいてくださいね。

それにしても・・・
けっきょくは「保険を否定したい」という記事にしたかっただけでしょう?

今回のFPのプロフィールにこうありました。
>自らの生命保険で1000万円の見直しを行った実績を持つ。
それっていつの判断?(いま何歳ですか?)
誰の判断?
生命保険の見直しで「1000万円貯蓄残高がふえた」とでもいうのでしょうか?
自分自身の保険の見直しについてということであれば、明らかに間違った表現です。
こういうことをプロフィールに掲載するFPは、”保険の素人”だと言っておきましょう。

FP資格保有者による大手メディアを使って行われているミスリードや間違った知識や情報発信が多すぎます。
私は個人ブログで微力ながら反論していきたいと思っています。

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