生命保険も資産形成も資産運用もオーダーメイド

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金融商品のオーダーメイド。
買い手側ではなく売り手側から見て、生命保険のオーダーメイドというのは、かなり定着したのではないでしょうか。
オーダーメイドの原点は、お客様の話を”聴く”ということです。

しかし、資産運用についての売り手側の姿勢というのはレディメイドばかりだと思います。
つまり、売り手側が買い手側の考えを聴こうとせずに、買い手側の資産背景を知ろうとせずに、ただ自分たちの売りたい商品を提案しているということです。
そう、お客様の話を”聴かず”ということです。

たとえば、毎月一万円の積立投資をすることを決めた方に対して

「一万円の積立投資を行った場合の累計額〇〇万円に対して、いくらにしていきたいですか?(どれだけふやしたいとお考えですか?)」

「それを何年で達成されたいですか?(投資期間をどれくらいとれますか?)」

「その目標リターン(達成されたい金額)を目指すのであれば、リスク(標準偏差)は○%になります。では、このリスク(標準偏差)の考え方について説明します・・・」

「リスクを大きくとるとリターンも大きくなる可能性がありますが、リスクが大きすぎると結果的にリターンを悪くしてしまう可能性があります

「このリスクとリターンでしたら、このような資産配分になりますが・・・」

「このアセットのインデックス投信を見ていきましょう」

このような流れが考えられますが、実際の販売現場はどうでしょうか?

人によって、とれるリスクは違います。

人によって、とれる投資期間は違います。

これに対して、私の業界の身近では下記のような販売をしている人たちが大勢います。

あなたも、あなたも 
≪70歳、75歳(30年~40年)満期の変額有期保険≫≪変額終身保険≫ 
をどうぞ

って・・・
まるで、生命保険業界で行われている更新型の定期付終身保険を販売しているセールスレディと同じです。
ということは、冒頭の生命保険のオーダーメイドというのは”彼ら彼女ら”には定着していないのでしょう。
彼ら彼女らとは誰か?

マネーセミナーという”投資をしてお金をふやしましょう”という広告をうち
そのような目的を持った投資初心者たちを集めて
投資に関する投資ルール話をし
セミナーではいい話しかしないので、
結果的にバラ色の未来をイメージさせる洗脳になり
積立投資だと言って変額有期保険や変額終身保険を
セミナー参加者に販売している保険募集人たち

ん?
騙している?
なんか詐欺みたいですね。
将来の公的年金やインフレの不安を煽り、投資をすすめるために投資ルールの説明(複利、ドル・コスト、分散投資、長期投資等)をし、実際には投資信託や確定拠出年金をすすめるのでなく、保険ルールの変額有期保険や変額終身保険をすすめているのなら、詐欺だと言われても仕方ないでしょう。

特に、変額有期保険を販売している場合(後付けの理由で「死亡保障がある」とかも言っている)は、
①定期保険+変額年金
②定期保険+投資信託
と比較して、「リターンの結果」「累計保険料」「万一の場合の保障金額」「家計の見直し時の対応」等々がどうなのか、その差をきちんと説明していなければ話にならないでしょう。
(法令違反レベルです)

私は、日本の金融業界でよく説明されている積立投資の説明「複利」「ドル・コスト」「長期(30年~)」でリスクが抑えられて資産が大きくふえるかのような話。
たとえば、

30年5%複利=投資元本の2倍以上
30年6%複利=投資元本の3倍近く

になりますよ、とかいう話はかなり詐欺に近いものだと思っています。
さらに、これが変額有期保険・変額終身保険で実現できるかのような話はトンデモ話の部類になるでしょう。

そもそもそれができるというのなら、公的年金(GPIF)の運用資産なんてとんでもなくふやしていけるでしょうし、心配なくなるでしょう。
老後不安?
辻褄が合わない。

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