リターン率がプラスでも金額はマイナスになっている可能性がある

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先日のブログ
『長期積立投資のリターン話を信用してはいけない』
という記事を書きました。
いつもブログを読んでくださっている方が資産形成相談をお申込みされ、先日お会いした際、おっしゃいました。

ブログを読みましたが、5%複利運用結果で、なぜ元本割れなんですか?


そうです。
「毎月5万円の積立投資、30年、5%複利」(投資元本1,800万円)
での運用結果が、1,400万円、640万円にもなるとお話しました。
これは元本割れ状態です。
「プラス5%」なのに元本割れです。
気づいた方はどれくらいいらっしゃるでしょう?

よく金融機関(銀行、証券会社、保険会社)、FP、投資商品販売業者から発信されている情報があります。

1年ではブレが大きいが、10年・20年ならブレが収束される。(4資産分散)
いつの時期からはじめても長期なら必ずプラスになっている。


これは、長期投資をすすめるために金融機関が得意としているロジックで、”リターン率”の話です。
実際に投資をしている投資家が知りたいのは、”率”ではなく”額”です。
残念ながら、”額”での情報は発信されません。

本当に「いつはじめても長期ならプラスになる」と言うのなら、
(たとえば30年前からの)10年以降、毎年毎年プラスになっていっているはずです。
それが事実であれば、すべての金融機関(機関投資家)は(上記例の30年前から投資期間10年以降の)年率5%や6%のリターンが毎年毎年ず~~~~と継続されてきているはずです。
それこそ複利で!
そのリターンで、金融機関が倒産することは考えられないでしょうし、毎年の給料増加なんて楽勝でしょうし、私のいる保険業界での話でいえば、長年継続されていく貯蓄性の保険商品の手数料なんて本来とんでもなく良くて担当者に対してきちんと払わないといけないはずです。

それがどうでしょうか?
現実的にはそうなっていません。
それどころかこれはどう説明してくれるのでしょうか?
適格退職年金、厚生年金基金の悲劇はなんなの?
人類史上最低金利はなんなの?
人類史上最低予定利率はなんなの?
すべてギャグ!?

つまり、あえてミスリードを狙っている(ある意味ウソをついている)ということです。
私がいつも言っています。
金融機関の情報は「加工」されています。
投資は”率”で見てはいけません。
投資は当然”額”で見ないといけません。
リターン率がプラスでも投資額はマイナスになることもあります。(投資の世界では常識)
また、積立投資の説明でそれを使うのなら、実際に積立投資をした結果を見せないといけません。

私はお客様にお伝えいたしました。
短期ではなく10年以上の長期ならリターンがブレずに「年率5%や6%になっている」という話は、”投資をする側”にとってはほとんど無意味な情報ではないですか?
投資は「過去」のデータ通りにならないと言われているのにもかかわらず、過去のデータ通りになるかのように意識付けをさせています。
逆に言うと、”投資をすすめる側”にとっては非常に意味のある情報になっています。

で、冒頭のご質問に対しての回答をいたしました。
なぜプラスリターン率で投資額がマイナスになってしまうのかを。
お客様はこう言われました。

目からウロコです!
今日相談して良かったです!!
この内容をブログに書いていただけませんか?改めて確認したいので。


有料のご相談でした。(顧問契約のご検討をしていただけることになりました)
リスクある投資についての本質の情報は、無料なんかでは得られません。
無料の投資情報は、とても危険です。
かなりの確率で騙される羽目になります。
いまの日本では。

いま報道されているマンション問題を見ていても思うでしょう?
普通の大人の方々に必死に投資をすすめる仕事をしている人たちの多くは、自分たち以外の人たちをカモとしか見ていないと思います。
ハッキリ言って”異常”です。

異常な倫理観の持ち主が増加しています。

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